前穂高岳(岳沢から登る)

140503-0奥明神沢_6001
    Photo0 小屋周辺から見上げた奥明神沢
記録
日程:2014,5,03~05
メンバー:Nさん 、安田、他2名
天候:3日晴れ時々曇り、4日晴れ、5日霙から雨  
3日  上高地インフォメーションセンター(6:25)→岳沢登山口(6:50)→7番風穴(7:30~7:45)→岳沢小屋(9:40)

早朝の沢渡駐車場に集合し、タクシーで上高地まで移動。5月連休後半開始とあってインフォメーションセンターにはかなりの人がいるが大きなザックを背にした登山者は半数ぐらいか。朝食を摂り、装備を整えて岳沢小屋を目指して出発。
140503-1梓川と岳沢_5951
     Photo1 上高地からの岳沢を望む

河童橋を渡り岳沢登山口から入山ししばらく進むと雪が出てくる。
140503-2岳沢取り付き_6004
     Photo2 岳沢登山口

どうやら今年は雪が少ないらしい。7番の風穴で休憩後夏道をはずれザレた岩とところどころに残った雪渓が現れる。
140503-3奥穂南稜と天狗の頭_5959
     Photo3 岳沢上部

右に独峰から西穂高・奥穂高へと続く稜線。正面に奥穂高へ登り詰める南稜へと続く岳沢上部を見ながら進む。やがて岳沢が雪に覆われると3時間あまりの行程で岳沢小屋に到着。5月連休とあって、テント場には霞沢岳を背景に鯉のぼりが気持ち良さそうに泳いでいる。
140503-4霞沢岳をバックに鯉泳ぐ_5973  
     Photo4 霞沢岳を背景に泳ぐ鯉のぼり

テント設営後担ぎ上げた餅でお汁粉を作り、眼下の上高地、目の前に広がる西穂高、焼岳、乗鞍、霞沢岳、六百山の展望をたのしみつつマッタリとした午後を過ごす。
明日の奥明神沢の上部も夕日に輝き始めた。
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     Photo5 上部が夕日に輝く奥明神沢

4日   岳沢小屋(5:40)→明神岳への分岐(7:15~7:25)→前穂高岳(9:00~9:30)→岳沢小屋(12:00)
奥穂南稜を目指す2名が出発するのを確認して漸くシュラフから這い出し、
そそくさと朝食を摂った後、ヘッデンなしで行動できる明るさになったのでわれわれも行動開始。小屋から岳沢を渡り奥明神沢の登りに取り付き、すでに先行者が続々と登っている様子を追いながらわれわれもデブリの横を登る。背中には朝日を受けて西穂高から間岳、天狗の頭へと続く稜線は次第に下へ下へと輝きを広げ始めた。
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     Photo6 西穂稜線輝く

デブリが終わり谷筋が明神岳への谷と分岐するあたりで休憩。ここから斜度が増して振り向くと“本当にここが降れるのか?”と思いつつも、“な~にみんな登っているのだからどうにかなるだろう”と決心し一歩一歩慎重に高度を稼ぐ。
谷筋は次第に左に曲がり、ここまで来るとすでに小屋は見えない。
小屋から見えていた奥明神沢の真ん中に見えた尖がった岩峰は前穂山頂ではなく岳沢峰(小屋に戻ってから知った)というらしい。
140503-7岳沢峰と奥明神沢上部_5982
     Photo7 奥明神沢最上部

岳沢峰の基部あたりからさらに斜度は増し(40度くらいか)ここでいよいよダブルアックスに。シングルに比べバランスが摂りやすくなり格段に歩きやすい。
斜面の上のほうに道標らしきものが見えるとまもなく山頂で、そこにはテント1張り分くらいの広さに雪面がバスタブ状に掘られており、バスタブの中で休憩あるいは涸沢側にできた雪庇を避けながら写真撮影と山頂はかなりの賑わい。
山頂からの眺めはすばらしく、涸沢側に張り出した行き庇の向こうには北穂高から涸沢岳・槍ヶ岳へと続く稜線が、
140503-8北穂・涸沢・槍ヶ岳_5987
     Photo8 北穂・涸沢岳・槍ヶ岳

その左には大きな山容の奥穂高岳とジャンダルム
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     Photo9 奥穂高とジャンダルム

登ってきた奥明神沢をを見下ろせば岳沢を降った上高地、焼岳と霞沢岳に挟まれるように乗鞍が、
140503-10上高地_5995    
     Photo10 眼下に上高地

その右には先ほど見上げた明神岳が足元に見える。
140503-11明神岳と霞沢岳_5984 
     Photo11 明神岳と霞沢岳

山頂からのくだりはなかなか一歩が踏み出せないものの、次第に慣れてくるとどうにかテンポよく踏み出せるようになった。140503-12奥明神沢を降る_5996
     Photo12 奥明神沢を降る

アイゼンを引っ掛けないよう注意深く降ってゆくと突然の轟音とともに県警のヘリが出現。しばし旋回していたがどうやらこれから降る奥明神沢で事故があったらしく我々の下のほうでホバリング。
すれ違った登山者に聞いてみると滑落事故があったようだが、骨折程度だったということで生命に異常は無さそうとのこと。
急斜面の真っ只中にいるのでもう一度気を引き締め慎重に歩を運び、やがて小屋が見えてきて傾斜の緩むデブリの最上部まで降りてくると、緊張がやや緩んで前穂高に登った感動がふつふつと湧き出す。
140503-13眼下に岳沢小屋_5998
     Photo13 眼下に岳沢小屋

小屋まであと数分といった距離まで戻ったところで休憩をかねて斜面での確保方法をいろいろ教えていただく。
ついさっきまでの急斜面との戦い、さらにはヘリの救助を目撃した後だけに確保技術のレクチャーは非常にありがたいし身につきそうだ。

お昼には下山し、他の2名も下山していたので小屋の生ビールで乾杯、昨日に引き続き今日も午後のマッタリとした時間をすごす。

5日   岳沢小屋(7:05)→7番風穴(8:00)→岳沢登山口(8:25)→上高地BT(8:50)
昨日の天気予報どおり、朝起きてみると周囲の稜線は見渡せるものの空一面の雲。やがて小雪が舞いだし風も吹き出してきたので予定では西穂高登山だったが中止。
ゆっくり朝食を摂りテントを撤収して下山。昨日までのテン場の賑わいはどこへやらで
今日はすでに大半が撤収したようでテン場は数張りを残すのみ。
快調に降って、上高地には9時前に到着。おなじみの竜島温泉営業開始とともに入館し温泉で3日間の汗を流して今回の山行を終えた。

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