ジャンクション岩峰 千駄木山

0千駄木峠の鉄塔と千駄木山_7440
     Photo0 千駄木峠の送電鉄塔66と千駄木山
記録
日程:2017,12,13

メンバー:安田
12/13 天候 晴れ :
コースタイム:駐車スペース(8:23)→バリ取り付き(5:54)→作業小屋(9:18)→支尾根先端(9:50~10:03)→ジャンクション岩峰(10:13)→小烏帽子(10:55~11:04)→支尾根付け根(11:44)→岩峰西側基部(11:54~11:58) →千駄木峠(12:59~13:07)→千駄木山山頂(13:30)→妙義荒船林道(13:50)→千駄木峠(14:08)→66巡視路入口(14:27)→駐車スペース(14:39)
行程10.2km 累積標高1260m     ルートマップは ここ です。

冬将軍が威張りだして日本海側は大雪、関東地方は晴れわたっているものの北風が冷たい。屏風のように北風を遮ってくれてしかも陽当たりが良い南面から登れる山なら気温が低くても登れば気にならない。そんな条件に当てはまったのが先日出掛けた裏妙義小烏帽子から西側の千駄木山への稜線歩き。横川からの入山川沿いではなく、下仁田からの鏑川沿いに入れば南斜面の登りとなる。

下仁田からR254を長野群馬県境の内山峠方面に走り途中の西野牧から県道43に右折、さらに途中から右折して最奥の中野集落を目指した。
徐々に細くなる道を進み中野集落最奥の民家を過ぎると舗装から砂利道になった。地図によると林道が更に奥に伸びているが轍が深くなり始めたので適当なスペースを見つけて車を停めた。

駐車スペースから林道を登って行くと3つめの左カーブに差し掛かったところで右へ下る林道の分岐が出てきた。
1林道分岐右へ_7409
     Photo1 林道分岐 右に進みます 写真では直進になる

ここから右側林道に入り、落石、崩落、草茫々でとても車が入れそうに無い道をしばらく進むと右斜面を登る踏跡(獣道?)があったので取り付いた。
何処を登っても上にある妙義荒船林道に出られると思い薄い踏跡を追うと廃林道の切り通しのところに出た。
2妙義荒船林道に出た_7413
     Photo2 壊れたカーブミラーの後ろから妙義荒船林道に出た

左折して廃林道を西に向かい
3林道崩落箇所_7414
     Photo3 妙義荒船林道崩落箇所 始めてみたガールレール支柱の長さにビックリ

擁壁が途切れた凹地形の所で右折し、稜線を目指して登り枯れ薄の繁る平地に出ると今では多分使われていない作業小屋があった。
4作業小屋_7416
     Photo4 古い作業小屋

作業小屋の右手から幼植林と潅木の境を登ると縦横無尽に錯綜する獣道地帯となったので登りやすそうなところを選んで潅木に掴まりながら稜線に乗り上げた。雑木林の中の稜線は、落ち葉は風で飛ばされ地面が露出し登山道のようであるが注意深く見ると殆ど靴の踏跡はない。
稜線上を北東に向かい樹林越しに見えるジャンクション岩峰の手前の支尾根端で一休み。
5支尾根先端露岩_7422
     Photo5 休憩した支尾根先端

支尾根端は露岩でその先は切れ落ち表裏妙義の展望が良く遠く筑波山のシルエットも見えた。
6表妙義_7425
     Photo6 表妙義 写真では判りにくいが星穴岳の右には筑波山も

稜線に戻り直進し潅木を掻き分けながら登るとジャンクション岩峰南峰の山頂、
7ジャンション岩峰北峰_7427
     Photo7 ジャンクション岩峰南峯から見た北峰東面

更に潅木の繁る頂稜進むと北峰となった。
8P990小烏帽子大烏帽子_7429
     Photo8 北峰からの展望 手前からP990、小烏帽子、大烏帽子左奥が谷急山

ジャンクション岩峰東面はスッパリ切れ落ち、基部からは高さがあるので懸垂下降は無理。引き返すかどうか悩んだが北西に降れそうだったので木を頼りに急斜面を下り始めると右側にスラブのルンゼが出てきた。傾斜もそれほど立っていないので登りなら取り付いてしまうところだが途中には苔が付いていてその上確保も無いので下りは厳しい。ここで久々にロープを取り出し立ち木をアンカーにスラブ下部まで懸垂下降、
9ジャンクション岩峰北スラブ_7437
     Photo9 帰路 ルンゼの中から見上げたジャンクション岩峰のスラブ岩壁

落ち葉の積もったルンゼの泥斜面を登り返して小烏帽子へ続く尾根に復帰した。

尾根を少し降ってみるとスラブ下部の落ち葉の中に獣道らしきものが見えたので帰路はおそらくジャンクション岩峰北側を巻いているのであろう獣道を辿ることにした。ジャンション岩峰から稜線上にあるP990を越え、落ち葉が風に飛ばされて露出した砂礫の急登を登り詰めると見覚えのある小烏帽子山頂に出た。
10小烏帽子からジャンクション岩峰へ_7431
     Photo10 小烏帽子 西峰山頂に出た 厚い落ち葉で動物の寝た跡も

休憩後引き返し、ジャンクション岩峰に差し掛かったところで今度は獣道を辿って離西側急斜面をトラバースし、浅いルンゼを2つ越えて斜面を登り返すと先ほど休憩した支尾根の付け根に出た。
越えたルンゼの中は落ち葉の堆積が深く、尾根筋では風に飛ばされ地面が露出しているので獣道も時々失ってしまった。木の葉が無いので多少周囲の地形が見えるが繁った時期では視界が限られ進路確認が大変になりそう。

更に稜線上を進むと今度は遠くから見ると山頂が平坦に見える岩峰の岩壁が立ち塞がった。
11岩峰南面_7439
     Photo11 無名岩峰の東側岩壁 近くから見ると尖った岩峰に見えるが

南面には幼植林があるので巻くことが出来ると思い左折して岩峰基部に沿って南側を巻き降ると獣道があちこちにあった。動物の足跡だらけの岩屋の前を通過して
12岩峰南基部の岩屋_7441
     Photo12 岩屋の乾燥した土砂の底面は動物の足跡だらけ

巻き上がって稜線に出て振り返るとこちら側は切り立った垂壁ではなくカンテを登れそうであった。両側が切れ落ちていたが途中まで登って見ると岩峰との間に下部が泥で埋まったキレット。
13岩峰西面_7444
     Photo13 岩峰北面には大きく口を開けた猿も 岩が猿の横顔に見えませんか

引き返して更に稜線上を進みP940を越えると稜線は次第に狭くなり千駄木峠の送電鉄塔を前にして行き止まりになってしまった。
14鉄塔列65から6463_7448
     Photo14 高岩と入山川沿いに立つ西群馬幹線の送電鉄塔列

地形図を見ると尾根側面にある林道の斜面にはがけ記号が並んでおり引き返して降っても手持ちロープで林道まで降りられるかどうか確信が得られない。既にジャンクション岩峰下降時に着けたハーネスはそのままだったので尾根端から岩壁を懸垂下降した。
15尾根端_7449
     Photo15 ここから懸垂 正面には千駄木峠の送電鉄塔66が見える

7~8mの垂壁を下降して更に尾根を進み千駄木峠の切り通し部分の勾配が緩んだところで落石防止金属ネットを伝って千駄木峠に降り立った。
16千駄木峠_7453
     Photo16 千駄木峠 正面の尾根から切り通しに降りてきた

千駄木峠から細い尾根を登り
17千駄木山取り付き_7455
     Photo17 千駄木峠からヤセ尾根に取り付き千駄木山へ

いったんコルに降って登り返すと千駄木山山頂。
18千駄木山山頂_7457
      Photo18 千駄木山山頂

ここも展望が無いが落葉した今だけは木々の間から高岩と三角形の山容の稲村山が良く見えた。千駄木山山頂からは広葉樹林の乾燥した砂礫の急斜面を木の幹や露出した根に掴まりながら西に向かって降り妙義荒船林道に降り立った。
千駄木山山頂からは広葉樹林の乾燥した砂礫の急斜面を木の幹や露出した根に掴まりながら西に向かって降り妙義荒船林道に降り立った。

千駄木山を巻く荒れ果てた廃道を千駄木峠まで戻り、西群馬幹線67への道を示す黄色い標柱に従って右折、巡視路を降って中野集落からの林道に出た。
19巡視路入口_7465
     Photo19 中野集落からの林道横に立つ送電鉄塔66と67への黄色い巡視路標柱

巡視路も歩かれていないようで薄い踏跡が時々消たり土砂で埋まっていたが良く探せば巡視路特有の黒いプラスチック階段が設けられているところもあった。
巡視路出口には67と66と書かれた標柱があったので妙義荒船林道にあった鉄塔67への道を示す黄色標柱は林道が廃止される以前に使われていたものかも知れない。妙義荒船林道が廃道となった今は中野集落からの林道から巡視するのであろうか ?

送電線西群馬幹線は地図に記載が無いが裏谷急沢取り付きは61標柱、千駄木峠は66という具合に妙義荒船西上 州を歩きまわるのに非常に役立つ。
中野集落からの林道を降るとすぐに朝通過した分岐が出てきたところで周回を終え、往路を駐車スペースへと戻った。







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Re: 参考になりました

私も同じことを考えて林道および秋葉山山頂から偵察したのですが物語山東面は急斜面の上地図には無い隠れ岩が散見されその上
着陸点も悪そうなのお蔵入りにしています。物語山から登山道を下ったのでは歩きが長いし・・・ 安田

参考になりました

 今日は貧乏神の滝を登るつもりで出かけましたが、結局場所を間違え、千駄木山に登ってきました。記録参考にさせていただきました。ありがとうございました。
 ところで、馬居沢からゴシュウ山に登って物語山に回り、東尾根から下る周回ルートを計画しているのですが、物語山から東尾根へは歩いて下れるかどうかご存知ですか。

Re: No title

あちこちで人間が無計画につけてしまった爪痕を見かけます。
ガードレールが備わっているので昭和40年代以降のものかと思いますが、ちょうど日本中が開発で浮かれていたときです。
今になって思うととやはり浮かれすぎ。未だ反省の色が無い。後世の人たちはどう思うのでしょうかね。雨宮さんも私もやがて非難の対象にされるのかしら?
山頂に残された一升瓶の欠片。その時に残した人たちが歳をとったら自分たちの所業もまるで忘れたかのように、回収もせず今は自然保護を声高に叫ぶ。
山に登ていろいろな人工物の残骸を目にするたびに残念に思います。

No title

カーブミラー、ガードレール、作業小屋。
人の痕跡が残る山中は物悲しいですね。

昔、某山を下山してきたとき、登山口の一軒家のおばあちゃんに呼び止められました。家の後ろは崖、対岸は凄絶な崩落地。峰の間から見えるのは果てしない山並です。「お茶飲んでって」と言われておいしい新茶をいただきました。

帰路の林道で、今度はおじいちゃんにバッタリ。町へ行ってきたとかで、背広にリュックを背負い、杖をついていました。で、おじいちゃん、私の顔を見た途端、これ以上ないというほどの笑顔と大声で、
「おかえり!」と。

おばあちゃんの優しさ、おじいちゃんの笑顔、今も忘れられません。


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