利尻山 鷲泊コース

Photo0 まだ残雪が残る利尻山
記録
日程:2017,06,17
メンバー:安田 他
6/17日 天候 晴れ :
コースタイム:北麓野営場登山口(4:20)→甘露泉水(4:33~4:37)→野鳥の森(5:14~5:27)→雷鳥の道標(6:02~6:05)→第一見晴台(6:27~6:41)→胸突き八丁(7:11)→第二見晴台(7:43~7:54)→長官山(8:10~8:20)→利尻岳避難小屋(8:35~8:48)→9合目(9:25)→沓形コース分岐(9:58)→利尻山山頂(10:29~11:02)→9合目(12:02~12:07)→利尻岳避難小屋(12:30~12:48)→第一見晴台(14:11~14:36)→野鳥の森(15:22~15:39)→甘露泉水(15:54~16:02)→北麓野営場登山口(16:11)
行程15.4km累積標高1808m ルートマップは ここ です。
ツアー2日目は早朝3時起床で4時出発、4時20分から登山開始。宿では登山中に食べる朝食用のおにぎりを準備してくれたが・・・・、宿でさっさと食べて後は手持ちの行動食で対応。
鷲泊コースの登山口北麓野営場から歩き出すとすぐに3合目の甘露泉水に到着。

Photo1 鷲泊コースの登山口 北麓野営場
水汲みをする人を待って出発。カラマツとトドマツの疎林の中を進み甘露泉水の上流(といっても伏流)の乙女橋を渡る頃になるとどうにか体が目覚めてきた。
ダラダラと登って4合目”野鳥の森”に到着。広場になっているので早くも休憩タイム。
4合目を過ぎても相変わらずダラダラ登りを続け、やがて林相が変わりだしてダケカンバが混じるようになると5合目”雷鳥の道標”に到着。
雷鳥が現われるのかと期待していたら、登山道を開いた頃に雷鳥が先導したという伝説によって道標が立てられたとのこと。
5合目から大分背丈の低くなってきた樹林の中の道を進むとやがて尾根上に上がり6合目の”第一見晴台”に到着。
第一見晴台は周囲に視線を遮るものが無く、昨日訪れた礼文島が雲海の上に姿を現しているのが見えた。

Photo2 雲海に浮かぶ礼文島
まだ利尻山は見えず、途中の長官山への尾根が見えるだけであった。
背丈ほどの潅木帯の中の道を登って行くとすぐに6.5合目のトイレブースに到着。6合目見晴台での休憩の折、必要者は先行して用を済ませたので立ち止まることなく通過。
九十九折れの道を登って小広場に出ると7合目”胸突き八丁”であった。この辺りから少し傾斜が増し、小さなジグザクを繰り返しながら尾根を登り詰めると第二見晴台に到着。岩ゴロゴロの広場で休憩。これから登る尾根の先には長官山が迫ってきた。
標高が増して登山道はダケカンバの中を進み始めた。やがて尾根を登り詰めると8合目”長官山”に到着。しかし尾根のすぐ先には更に高いピークがあり、長官山は山ではなく"肩”であった。

Photo3 長官山
開けた尾根の露岩帯となっておりここで休憩。昔の北海道長官が登った記念のモニュメントがあったが周囲には登山者が屯していたので近寄らず、ガイドの説明のみで了。
利尻山は宿から見上げたときと同様かなりの鋭鋒にみえた。

Photo4 前日、宿から見た利尻山
利尻山は利尻富士とも呼ばれるが・・・・・? 北からの姿は八ヶ岳の赤岳のようだ。
翌日、フェリー乗船中に見た利尻山は東からの眺めだったので南峰と北峰が連なり遠目には富士山のように見えたので”利尻富士”に納得。

Photo5 翌日、フェリーから見た利尻山
長官山を後にして少し先の無名ピークに登ると山襞に白い残雪を纏った利尻山の山頂部と、それに至る尾根が視界に入った。

Photo6 目の前には利尻山 眼下には避難小屋の屋根が見える
ここから少し降ったコルにある利尻岳避難小屋の屋根も見えた。
無名ピークから降り避難小屋前で休憩。ここの避難小屋は入口には"利尻岳避難小屋"と書かれていたが、町発行の登山道パンフレットには"利尻山避難小屋”何れが正解やら???
避難小屋にあるトイレブースは順番待ち行列。利尻山登山マナーには携帯トイレ使用となっており携帯トイレを持参。ここで初めて御世話になることになったが、どうも携帯トイレは市販品でなくとも良いらしく空ペットボトルでも可との事。早速ガイドに倣い飲み干した飲料水の空ボトルで小屋の裏側に廻り用足し。
下山後、登山口のトイレの扉の横には一般の空ボトルとは別に中身をトイレに流したあとのペットボトルの回収ボックスがあった。どうしてネットとかパンフレットの情報にはペットボトルの件が載っていないのでしょうかね。
携帯の意味を大きく捉えればよいということか?要求しているマナーの趣旨を考えれば空ペットボトルも可ということに気付き、なんら疑問も感じないで最初から市販の携帯トイレと思い込み、購入してしまったのは発想が貧しい単純脳細胞の極み。勉強になりました。
避難小屋を過ぎ登山道の両脇がハイマツに、やがて笹に覆われるようになると残雪の雪田が登場。斜面の傾斜は小さいので難なく横切って

Photo7 雪田をトラバース
徐々に勾配が増す尾根を登り詰めて行くとやがて火山特有のスコリアのガレ場になってきた。9合目から振り返ると雲海の一部が利尻山の影のように切り取られ海面が現われていた。蒸発した海水が南風で冷やされ雲海が出来るが利尻山で風の進路が妨げられた部分では雲が発生しないので海面がまるで影のように見えるらしい。

Photo8 長官山の先には雲が途切れ海面が利尻山の影のように見える
9合目を過ぎ、沓形コースとの合流点に差し掛かると前方には登山者のトレースで侵食されたV字のルンゼが現われた。

Photo9 沓形コース分岐から見上げた踏跡で侵食されたV字の切れ込み
崩落地を過ぎ、侵食されたV字ルンゼに差し掛かると少し雪が残っており、侵食防止の丸太階段の横木の上にもスコリアが積もりズルズル状態。
注意深く越えると右前方にローソク岩(溶岩岩尖、溶岩塔)が現れた。

Photo10 利尻山山頂とローソク岩の溶岩塔
脆い岩なので冬期の凍りついたときにしか登れないようであるが4ピッチで登攀、懸垂で降りるらしい。基部まで達するには草地を通過しなくてはならないので雪が積もった時期でなければ基部に近づくことも出来ない。
ローソク岩を横目にスコリアでズルズルの尾根を登ると利尻山北峰山頂に出た。祠が祀られ、その周囲は沢山の人で休憩に腰を下ろすこともままならず立ち去るのを待って昼食休憩。

Photo11 山頂の祠 割れて踏まえれていた石標を立てかけて置きました。
まわりを伺うと更に先にある南峰へ濃い踏跡が伸びているのが見えたが現在は途中の崩壊と植生保護のため登山禁止。かつては南峰との間のコルにテント場があり、そこをベースにローソク岩に取り付いていたらしいが・・・・・今は兵どもの夢の跡。
しばらく休憩の後、ガレ場のスリップに注意を払いつつ下山。
9合目まで戻ると緊張も緩み、第二見晴台で振り返って利尻山の姿を見納め、要所要所で休憩を取りながら最後に3合目の甘露泉水で喉を潤して登山口に戻った。
日ごろに比べゆっくりペースでの登山だったので立ち止まることも多く、歩いた距離・累積標高の割には一般道であるにもかかわらず時間がかかった。想定していたよりも疲労感大の山行であった。
初めてのツアー登山であったが女性のツアーメンバーの足がつりそうとの訴えに登山者なら必携とも思える特効薬を携行していないガイド。中高年の女性客が多いのだから携行していて当然と思うのは私だけか?
山頂の祠前に破損して横たわっているが祠の名前がはっきり読み取れる石標を“ここで休んでください。これは踏んでも座っても良いのです" と言って踏みつけているガイド。苦言を呈したら、しばらくして戻ってきて私に“石標を立てるのを手伝え!” 客に言う言葉か?
手伝って踏まれないように祠前に立てかけ終わったら"すみませんでした。“しかし下山する頃になって今度は私と同色の上着を着たツアーメンバーにまたもや謝っていた。謝られたメンバーは何のことやら??? 人間違いする誠意の無さに唖然。
普段から登山中に客優先で他の登山者に対し傍若無人に振舞うガイドの姿に壁易していたがここまでひどいガイドがいるとは・・・・・・。
多分長い間石標識は崩れたまま放置されていたのであろう。石標を踏みつけていたガイドは祠の周囲の破損した板囲いの補修材を背負って登ってきていたし、その後からは地元の山岳会の人が修繕で登ってきていた。
板囲いは写真に写るから修繕、破損して横たわる石標は写真に写らないからそのまま無視? せめて踏まれないように処置しておくのが当然だと思うが・・・。季節になれば黙っていても人がやってくる最北の百名山は心まで寒々してくれた。
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Re: Re: 累積標高差は
途中にある長官山を越えるので累積標高が大きくなると思います。地形図には現れないようなアップダウンもかなりあります。
累積標高差は
単純な計算だと1530mほどですが、累積標高差はこんなにあるんですね!厳しいですね~。このコメント大文字になっていたら、失礼します。
Re: 利尻山
コメントありがとうございます。登山者が多いので登ってみると山頂付近の劣化が激しく、環境負荷が大きすぎるみたいです。富士と名がつくところはやはり登るのではなくて見る山ですかね。
利尻山
利尻山の美しい写真、ありがとうございました。いい山ですねぇ。