裏妙義 御岳東稜から登り失われた西尾からの直登ルートを下降

Photo0 駐車場から見上げた東稜核心部 V字に見えるのはギャップ
記録
日程:2017,05,04
メンバー:安田
5/04日 天候 晴れ
コースタイム:駐車場(6:50)→東稜取り付き(6:57)→石碑の見晴し(7:27~7:33)→岸壁基部(8:05)→岸壁取り付き(8:18)→稜線復帰(8:51)→衝立岩(8:59)→稜線復帰(9:26)→石門(9:36)→前衛峰(10:04~10:13)→御岳山頂(10:16~10:29)→石標115(11:07)→支尾根のコル(11:17~11:22)→保安林標識(11;45)→二基の石碑(12:02)→林道着地(12:31)→駐車場(12:50)
行程7.6km 累積標高1005m ルートマップは ここ です。
連休中で天気は良いしどこかへと思ってはみたが交通渋滞に嵌りそう?しかし連休2日目ならば早朝は空いているだろうから早出早帰りなら渋滞に遭わないですみそうだと考え思いついたのが裏妙義の御岳東稜。
ネット記録を見るとせいぜい6時間程度の行程なのでお昼過ぎくらいには下山、これなら高速渋滞に巻き込まれることは無さそうと日の出とともに車を走らせた。
御岳東稜
妙義湖の中木ダム管理所手前の駐車場に車を停め、道路を戻って分岐のところにある御岳東稜取り付きより入山した。

Photo1 T字路のコーナーにある東稜取り付き
取り付きから続くピンクテープを追って枝打ちされた枯れ枝が積もった急登を登って行くとやがて尾根地形になり、植林が雑木林に変わるころには軽石の礫と土の斜面になりスリップして歩きにくくなってきた。
やがて石碑が現われだす頃になると目印のピンクテープも消えてしまった。下山したときに気付いたのだがピンクテープは道案内ではなくて地籍調査のためのものだった。どうりで植林帯から抜け出したら見当たらなくなってしまったわけだ。
表妙義や麓の展望が良い石碑が2基立っている石碑の見晴らしで

Photo2 御嶽山大神と大山阿夫利神社の石碑の建つ見晴し広場
満開のオレンジ色のヤマツツジを愛でながらちょっと早い休憩を取った。

Photo3 オレンジ色のヤマツツジが満開
休憩後は潅木に覆われた細い尾根歩きとなりやがて前方に立ち塞がるような岩峰が現れたがどうも登られている様子が無いので南(左)側から巻き、次に現われたのが基部に大きな割れ目のある岩壁。

Photo4 行く手を阻む岩壁
どう見ても直登は無理なので岩壁基部を南側に巻くと直ぐに落ち葉の積もったルンゼが現れた。

Photo5 ネット情報にあった落ち葉の堆積したルンゼ
ルンゼの中間には立ち木がありネットネット情報だとここを登るらしい。
しかし落ち葉の堆積と上部がどうなっているのかわからないので更に良いルートはないかと基部を更に進んだ。
小尾根を通り越し、少し先まで進んだが、これはと思われるルートが見つからなかったので戻り小尾根を回り込んだところから岩登りを開始。

Photo6 ここから岩壁を登りだした 炭団岩とその上には岩松が
妙義特有の炭団岩の岩壁は少し登るとバンドがあり、その上のほうも雛壇状にバンドがあるので一段上のバンドに乗るたびに左右に行ったりきたりしながら登り易そうなルートを探してウロチョロ。少し傾斜が緩み目処がついたところで喉が渇いたのでまたもや休憩。
岩壁を登り切って稜線に復帰し少し進むと今度は前方に垂直に立ちはだかる衝立岩が現れた。衝立岩目指してリッジを進んだ先は切れ落ちてギャップになっていた。

Photo7 衝立岩
リッジの先端からルートを探るが衝立岩の南側は取り付く島もない絶壁。北側から取り付く決心をしてまたもや展望休憩。妙義湖のほうを見れば遥か眼下に駐車場に停めてある車が見えた。
リッジの先からギャップの底に降り立つにはロープを出そうとしたが支点になるような岩も立ち木も無いので、3mをクライムダウン。途中まではホールド、ステップともにあったが最後の50cmが・・・・・。思い切って飛び降りてやっと一人立てるかどうかもギャップの底に着地した。

Photo8 下から見上げたギャップの岩
ギャップの底から衝立岩の北面のバンド進むとチムニー状の岩溝があったが途中に岩が挟まっており登り登るにはちょっとリスク大。
更に進むと岩と草付きの境を登れそうであったが中間部に根こそぎ倒れた枯れた木がルート上に立ちはだかっておりここもちょっとリスク大。
先に進むとバンドは次第に狭くなり岩をトラバースするようになるがその先には潅木の生えた支尾根が在るのでそこから登ることにした。

Photo9 支尾根までトラバースした斜面 左に見えるのがギャップ
バンドを進むと尾根一歩手前で倒木が行く手を阻んだがここは後々の人のためにもと思い倒木を投げ落として除去。支尾根を登って再び稜線に出ると再び歩きやすくなった。
倒木のだらけのところもあったが小枝が折られていることも無くやはりここを登ってくる人は少ないようだ。
踏跡がはっきりしているわけでは無いが尾根ではどこも踏跡に見えてしまう。狭い尾根なので方向を誤ることは無いが岩峰を巻くか登るかの判断はなかなか難しい。幾つかの小岩峰を直登で越えたり巻いたり、中には石門となっている岩峰もあった。

Photo10 石門 直登して上を通過しなくて良かった!
やがて人声が聞こえだすと御岳コースの御岳手前の石の祠のある前衛ピークに飛び出した。
ロープで繋がったガイド山行の若い女性のパーティが休憩を終え御岳目指して下りだしたところなのでここでしばらく休憩しながら見送り、

Photo11 ガイドパーティを見送る
やがて声が聞こえなくなったところで後を追って御岳山頂に向かい、御岳山頂に先行パーティの姿が見えなくなったところで再び展望休憩。
御岳山頂から引き返し御岳コースを降ると直ぐにクサリ場に出た。以前登ったときに通過しているはずだが記憶に無い。愕然。
更に降ると岩室の前を通過するクサリ場、更に降るとロープの無い濡れたルンゼ。

Photo12 さすがに妙義の破線ルート こんな所にロープもクサリも無し
この辺りは覚えていた。ルンゼを過ぎ登り返すと登ってくるときには尾根上に立ち塞がる岩壁。これも記憶どおり。
やがて雑木林の中の尾根道を降って産泰山との最低鞍部の広い空間に出ると、尾根から右に降る踏跡が見つかった。

Photo13 目印の石柱“一一五”
失われた直登ルート下降
一一五と刻まれた石柱を確認して堆積した落ち葉で滑る斜面をトラバースしながら産泰山に東面を反時計回りに降り始めると左側に石碑が現われ進路を再確認。やがて北東に伸びる支尾根に出たところで右折し降ると直ぐに現われた小ピークへの登り返しとなるコルで休憩し進路確認。
コルから薄い踏跡(人間?獣?)を追って下部が深い谷となっているルンゼに降り上り返して次の小尾根をトラバースで越えて次のルンゼに降り小さな沢(沢Ⅰ) を渡った。

Photo14 下流は急勾配で簡単には降れないような最初の沢
再び上り返してトラバースして次の小尾根を越えて次のルンゼに降り上のほうがトイ状になった小沢(沢Ⅱ)を越えて尾根の急斜面を登り返して支尾根に出た。

Photo15 横断地点より上に特徴的なトイ状ナメがある2番目の沢
支尾根の更に先には立ち上がった岩壁が見えてきたのでここからはトラバースできそうに無い。今まで越えてきた小尾根は下部が切れ落ちているようであったが今度の尾根は繋がっているように見えたので急勾配を降って行くと徐々に勾配が緩み植林帯へ入るとやがて保安林の標識が見えてきた。

Photo16 下り始めて最初の人工物 この辺りから植林
ここで漸く産泰山から御岳へと続く尾根(裏妙義主脈と呼ぶ人も)の岩壁帯を通過したことが確認できた。
地形図でみるとこの岩壁帯をロープ無しで通過できるルートはこのほかには無さそうである。今は失われてしまった麓の西尾から御岳への直登ルートの核心部がまさに降ってきたルートと思われる。
渡ってきたルンゼは落石、大岩等の障害物ありそうでしかも小尾根の先端は切れ落ちているようなので、逆に登る際には登れる尾根を探すのが大変そうである。・
保安林の標識を通過すると一気に勾配が緩み、地形図上には現われないような沢形が現われたり、背丈より少し高い雑木が茂っていたりして目標物が無くなって方向感覚が失われ進路がわからなくなった。
降るのであるから沢形に沿えばと良いとも思ったがコンパスで確認するとどうも違う。どうやら沢形は御岳沢のほうに向っているようで、コンパスを頼りに沢形を越えて東を目指して進んだ。作業道の跡らしきもの獣道らしきものなど出てきて紛らわしいがやがて植林の中にある大岩の上に石碑が見出された。

Photo17 大岩の上に石碑 下にももう一基の石碑があった
近寄ると岩の下にさらにもう一基あった。
直ぐ下方には貯水槽と思われるフェンスも現れ林道が近いことが解ったのでここで右折して地図上の等高線にそって進んで廃林道に出た。

Photo18 漸く最短ルートの廃林道に出た
草が生茂った廃林道を進み、終点かつ林道中木西尾線に最再接近したと思われるあたりで右折。植林の中を降るとやがて林道中木西尾線のガードレールがチラホラ見え出したので降ってゆくと擁壁の上に出てしまった。
いつものことながら林道着地は沢形を降って行くと林道の橋の下に出てしまったり、さもなければさもなければ擁壁の上だったりと難しい。今回は困難なことも無く上出来であった。
林道歩きから車の往来する道に出て緩やかに登って行くと東稜取り付きのあるT字路に出て駐車場へと戻り、御岳東稜--失われた西尾からの直登ルート下降の周回を終えた。
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