谷川岳 2016冬

Photo0 帰路の水上諏訪峡大橋からの俎嵓・オジカ沢ノ頭・谷川岳
記録
日程:2016,12,18~19
メンバー:Sさん、安田
12/18日 天候 晴れ
コースタイム:天神平駅(12:06)→熊穴沢避難小屋(13:05~13:15)→天狗の溜まり場(14:00~14:09)→天狗のザンゲ岩(14:40~14:48) →肩ノ小屋(15:03~115:11)→トマノ耳(15:20)→肩ノ小屋(15:29)
12/19日 天候 晴れ 山頂はガス視界不良
コースタイム:肩ノ小屋(8:01)→天狗のザンゲ岩(8:26~8:28)→天狗の溜まり場(8:45~8:52)→熊穴沢避難小屋(9:17~9:30)→巻き道分岐(10:00)→天神平小ピーク(10:10~10:15)→天神平駅(10:37)
行程7.4km 累積標高1280m
ルートマップは ここ です。
今回は短時間で登ることが出来あわよくば日の入りと日の出を楽しもうと思い冬期開放されている谷川岳肩ノ小屋泊を計画し、上空に大きな高気圧がやってくるので寒さはともかく天候が安定するのを狙って今シーズン2回目の雪山へ出かけた。
18日
高速を水上ICで下りて土合を目指すが周囲の山には雪が少なくまるで残雪期のように木立の根元は雪が解けていて、水上の町を過ぎても景色は変わらず。駐車場のある谷川岳ベースプラザも既に天神平のスキー場はオープンしているが休日にしては車も疎らであった。
雪山装備に着替えて土合口駅からロープウエーで天神平駅まで一気に上がり、駅前でアイゼンを着けて歩きだした。

Photo1 天神平から見た谷川岳
シーズン初めの雪山訓練のメッカとあってスキー場横の斜面はかなりのパーティが訓練中・・・・未だ雪が締まっていないので滑落停止練習をしようにも滑る前に停まってしまい練習には不向きと思うのだが?
前日あるいは今日の午前中に谷川岳を目指す人たちが歩いて踏み固められた巻き道コースを進み、尾根コースとの合流点付近までやってくると、雪上訓練をしている人たちのテントが数張り。

Photo2 雪上訓練の人たちのテント場
既に正午を過ぎているので中には撤収しているパーティもいた。
快適な雪道を進んで熊穴沢避難小屋まで来ると、かなりの人数が休憩中。
これから向う谷川岳への天神尾根の稜線には登山者が続々と降ってくるのが遠望できた。
いつまで待っても下山者の列が途切れそうに無いので出発するが、狭いトレースですれ違うたびに横に逸れると雪の中にスッポリ、やがて慣れてくると先行者がつけた踏固められたすれ違い場所を目指して一気に登ってすれ違いに備えた。
熊穴沢避難小屋からはいままでの道と違い、勾配が増すが尾根の稜線を登るのですばらしい景色が広がる。

Photo3 俎嵓(マナイタグラ)山稜と中ゴウ尾根
雪稜の中に黒々とした”天狗の溜まり場”、”天狗ザンゲ岩”で休憩を取り一登りすると肩ノ小屋や特徴ある指導標が見え出した。
この頃になるとガスが湧き始めてきたので肩ノ小屋にザックをおろし空身でトマノ耳を目指すが数分の間にガスが濃くなり、

Photo4 トマノ耳山頂
トマノ耳のピークに立ったときには既にオキノ耳は見えなくなってしまった。

Photo5 オキノ耳
肩ノ小屋へ引き返すと既に先行者が2名、都合4人で肩ノ小屋での山談義で一夜を過ごした。

Photo6 ガスの中に肩ノ小屋がかろうじて見える
19日
同宿者の音で目覚めて外を見るが強風とガスで視界は限りなくゼロ。外に出ても風を避ければ寒さは殆ど感じないので気温はおそらく-10℃まではさがっていない。しかし風速15~20mくらいの風で体感は寒かった。
今日は下山だけなのでロープウエーが動き出す時間までに降ればよいと思っていたが朝食を摂りノンビリしていても視界は改善されず。

Photo7 肩ノ小屋出入り口と小屋前の鐘
装備をつけて何度か小屋の外に出てみるが風も依然として強く前日のトレースは全く消されてしまっていた。
小屋の外にテント泊をしていたパーティが出発したのでそれを追って8時に小屋を出たが先行パーティのトレースも風で直ぐに消されてしまい、GPS頼りで下山開始。
ガスでホワイトアウトし方向感覚が無い山頂直下の開けた緩斜面で西黒尾根へ乗り間違わないように注意深く方向を定め天神尾根方向へ進み、左側の西黒谷へ落ち込む断崖を避けるように右寄りに下降すると一瞬ガスが動き”天狗のザンゲ岩”「の黒い影が見え出し一安心。

Photo8 ホワイトアウトの中で“天狗のザンゲ岩”が見えてきた
天狗のザンゲ岩を右から巻いて尾根を外さないように降るとだんだんガスが薄くなり”天狗の溜まり場”の岩影が現れどうにか難所を通過。

Photo9 尾根の下のほうに“天狗の溜まり場”の黒い岩影が見えてきた
天狗の溜まり場まで来るとさらにガスは薄れ風も弱まったので一休みしていると次第に天神尾根の全容が見下ろせるようになってきた。
ここからか左に西黒尾根、右にオジカ沢の頭へと登る谷川主稜線の展望を楽しみながら熊穴沢避難小屋まで下って一休み。
昨晩同宿したベテランの山写真家さんの話によると
谷川岳がいくら深い雪に覆われても”天狗のザンゲ岩”と”天狗の溜り場”の岩は雪の上に黒い姿を現しているとのこと。
ホワイトアウトしたときには動かず、一瞬のガスの切れ間を待って岩を見つければ無事下山できる。
天狗の溜まり場まで降りれば尾根を外すことは無い。まさしくその通りであった。
ホワイトアウトでの西黒尾根への乗り間違い、左寄りでの斜面下降による西黒谷への転滑落事故がかなりあるらしい。
熊穴沢避難小屋から降ってくると始めて登ってくる登山者と遭遇。降るにつれすれ違う人が多くなってきたがやはり月曜日で昨日の比べかなり少ない。
中にはザックに旗竿を装備したパーティもいて山頂の様子を聞かれ、振り返って見上げる山頂は未だ雲の中にあった。
途中分岐から巻き道を避け尾根の稜線を登り返しスキー場の上にピークで小休止し
、

Photo10 天神尾根の小ピークから天神平を見下ろす
スキー場の境界ロープに沿って降り天神平駅へと戻った。
天神平駅から見上げても小屋を出た頃に比べれば薄くなったとは言え依然山頂には雲が懸かりさらに谷川岳の向こう側では雲が猛スピードで流れていた。
快適な雪山歩きと日の入り日の出の景色を期待していたが残念。
天候に恵まれれば1日で十分絶景を楽しめる谷川岳であるがわざわざ重いザックを担いでの山頂泊のおかげで天候が急変しやすい”魔の山”谷川岳の片鱗を体験することが出来た。貴重な山体験が出来有意義な山行であった。
出かける前の天気予報では当日翌日は高気圧が上空をスッポリ覆って好天となるはずであったが下山してみれば高気圧が2つに分かれて天候が悪化したことがわかった。出発前にひょっとしたらとは思っていたが・・・・
目玉低気圧による天候悪化は多くの山岳事故の原因になっているので有名であるが、高気圧の分裂による天候悪化も然り。実体験を通してよい勉強をした。
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Re: No title
天神平からだと山頂までトレースたっぷり。どっさり雪が降らなければ。
西黒尾根トレースありませんでした。
山頂からは°のコースかわかりませんがトレースは無いと思った方が良いと思います。
先日も一晩で腰上ラッセルになったとか。頑張ってくださいね。 安田
西黒尾根トレースありませんでした。
山頂からは°のコースかわかりませんがトレースは無いと思った方が良いと思います。
先日も一晩で腰上ラッセルになったとか。頑張ってくださいね。 安田
No title
自分谷川岳大好き人間です。
今年の年末年始は土合~土樽まで縦走予定です。
今回こそ土合~土樽の冬季縦走を成功させたいと思っています。
(去年は日程少なくピークハントのみで一昨年はRW使ってしまったので・・・)
今年の積雪の雰囲気が分かって助かりました。
勝手にこちらからのお礼を言わせていただきます。(笑)
今年の年末年始は土合~土樽まで縦走予定です。
今回こそ土合~土樽の冬季縦走を成功させたいと思っています。
(去年は日程少なくピークハントのみで一昨年はRW使ってしまったので・・・)
今年の積雪の雰囲気が分かって助かりました。
勝手にこちらからのお礼を言わせていただきます。(笑)