将棊頭(しょうぎかしら)山

Photo0 分水嶺からの将棊頭山
記録
日程:2016,12,11~12
メンバー:Sさん、安田
12/11日 天候 晴れ
コースタイム:桂小場冬期ゲート(10:19)→桂小場登山口(11:02)→ブドウの泉(11:35) →H1565(12:01~12:14)→野田場(12:56~13:06)→馬返し(13:41)→大樽避難小屋(14:26)
12/12日 天候 晴れ
コースタイム:大樽避難小屋(5:42)→六合目(6:32~6:44)→幕営跡(9:18~9:34)→行者岩分岐(8:09)→分水嶺(8:11~8:13)→将棊頭山(8:54~9:15)→分水嶺(9:36~9:51)→行者岩分岐(9:59)→行者岩(10:55~11:15)→行者岩分岐(11:45)→六合目(12:19~12:31)→大樽避難小屋(12:58~13:41)→馬返し(14:04)→野田場(14:28~14:37)→ブドウの泉(15:20~15:24)→桂小場登山口(15:39)→桂小場冬期ゲート(16:14)
行程21.8km 累積標高2672m ルートマップは ここ です。
上空に高気圧が張り出しこの冬一番の寒気がやってくるという天気予報で今シーズン初めての雪山に出かけた。
日本海側から東北北海道にかけては雪マークとなっているが中、南アルプス方面は晴れなので先日の雪が残っていて車でのアプローチが楽な木曽駒ケ岳の隣の将棊頭山を目指した。
11日
高速を伊那ICで下りて25分で桂小場の手前の冬期ゲートに到着。日曜日なので殆どの人はロープウェーで木曽駒ケ岳に登るので桂小場からの古のコースは比較的マイナーなコースかと思っていたがゲート前には既に5台ほど停まっていた。

Photo1 桂小場冬期ゲート
ゲートから時たま雪が出てくる舗装路を進み、登山口の桂小場からは雪道歩きとなるが陽射しのあるところは雪はすっかり消えてときには落ち葉の上を踏むようになった。

Photo2 桂小場登山口
年中涸れることが無い”ブドウの泉”で喉を潤し、”ちりめん坂”を登るが次の野田場で水が涸れていたり幕営予定地で雪が少なく水が得られないときのことを考えて、
下から一泊分の水を担ぎ上げたので冬装備と相まって久々の重量を背負った歩きは体にこたえた。
野田場についてみれば水がコンコンと湧き出していたが・・・・、

Photo3 野田場 ベンチあり
ここでも休憩を取りゆっくり歩きで高度を上げてゆくと徐々に雪が増え横山分岐以降は完全な雪上歩きとなったがまだ勾配が然程でも無く馬返し、

Photo4 馬返し
白川分岐を過ぎ宿泊予定の大樽避難小屋までアイゼンは着けなかった。

Photo5 大樽避難小屋
小屋で宿泊準備中に立ち寄った下山者を含め、ゲートにあった車の台数と同数のパーティが下山していった。
聞けば今日は風が強く殆どの人が将棊頭山までで西駒山荘の冬期小屋に泊まった若者パーティのみ駒ケ岳まで行って降ってきたとのことだった。
若者パーティは旗竿・スノーバーを装備した本格的な冬山対応をしていたが他のパーティはザックも小さく日帰りピストンとのことであった。
12日
これから差し掛かる胸突き八丁に備えアイゼンを着けて未明のうちに大樽避難小屋を出発。
今シーズン初めてのアイゼンと昨日のザックの重量での疲労が重なりなかなか足があがらずあえぎながらどうにかこうにか高度を稼ぐうちの日の出を迎え樹林を通して日光がさし始めた。

Photo6 日が出て樹林越に日光が射し込む
六合目のベンチで休憩し、さらに登った幕営跡で一休みしながら登って行くと視界が開けるのと同時に勾配も緩んで足が前に出るようになり行者岩分岐に到着。行者岩方面には全くトレースが無い。
分岐から少し行くと分水嶺の稜線に出て目の前に木曽駒ヶ岳、右に御嶽山の展望が広がった。

Photo7 分水嶺
ここからは雪が風で飛ばされた露岩とクラストした雪上の歩きとなった。時折強い風が吹き、
風を避けることができる西駒山荘への巻き道(夏道)は既に小さな雪庇が発達中、
その下の斜面も雪で覆われて登山道は不明。

Photo8 眼下に西駒山荘
指導標の冬道表示に従い尾根上の小岩峰越えながら登り詰めると将棊頭山山頂に立った。

Photo9 将棊頭(しょうぎかしら)山山頂 後ろに見えるのは御嶽山
ケルンを風避けにして休憩し展望を楽しんで分水嶺まで引き返してさらにエネルギー補給。
将棊頭山山頂からは浅間山や八ヶ岳が遠望できたが蓼科山は露岩部分のみ白。

Photo10 八ヶ岳
北アルプス上部はさすがに完全に冠雪して白く輝いているが、いつもはその姿から存在感を示している槍ヶ岳が穂高の直ぐ右に探してやっとわかるほどなのには驚いた。

Photo11 目の前には大迫力で木曽駒ヶ岳
分水嶺から少し降って行者岩分岐まで戻りトレースの全く無い道を行者岩へ向った。

Photo12 左側山頂の岩峰が行者岩 右側雪面が広がる胸突き八丁ノ頭
目印リボンに従って樹林の中を進むと膝深さのラッセルになったが直ぐに気象観測機器の設置された胸突き八丁ノ頭へ出ると雪も浅くなり快適に進だのもつかの間、
再び樹林帯に突入すると雪が深くなり小ピークを巻くときには吹き溜まりもあり腰までのラッセルとなった。コルからの登り返しでは雪で押し倒された松の枝に掴まりながらどうにか体を引き上げて行者岩基部の露岩帯まで悪戦苦闘。
行者岩に着いたところで所要時間を見ると小一時間かかってしまった。

Photo13 行者岩
行者岩のさらに先にある茶臼山までの夏道コースタイムが40分であるから倍以上の時間を要したことになり、
当初目指した茶臼山はシーズン初の思わぬラッセルに意気消沈して断念、行者岩から引き返した。

Photo14 行者岩から見た将棊頭山
往路での目印を探しながらのラッセルと帰路のトレースを追うだけの楽チン歩行の差をしっかり体験、忘れていた記憶を体が思い出してくれました。
行者岩分岐からはしっかりトレースのついた登山道を大樽避難小屋まで戻りデポしておいた装備を回収して登山口へと下山した。
普段の雪山なら水は雪を溶かしての現地調達であるがシーズン初めで雪が少なく水が取れないことを考えての担ぎ上げ。
さらには登山道の雪が十分で無く小木の切り株や根へのアイゼンひっかけ等への注意等この季節ならではの体験をして漸く雪山行動の忘れていたことを思い出した。
いよいよ雪山シーズン突入といったところか。
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