妙義 相馬岳北稜

Photo0 相馬岳北稜 左からP11、谷を挟んでP12(つづみ岩) ミトンのようなハサミ岩
記録
日程:2016,05,01メンバー:Nさん Sさん Yさん Sさん 安田
5/01日 天候 晴れ
コースタイム:駐車スペース(5:00)→北稜取り付き(5:05)→P1(5:46) →H752(6:44~6:52)→P5(7:05)→P6(7:42~7:51)→P11(9:58~10:21)→仙人窟(12:11~12:26) →相馬岳(13:47~14:20)→国民宿舎分岐(14:37)→“窓”(15:37~15:49)→国民宿舎(16:29) 行程 7.9km 累積標高 1378m
ルート全体のマップは ここ 北稜部分は こちら です。
前々から狙っていた妙義の最間難関バリエーションコース相馬岳北稜に出掛けた。一般に妙義は秋の落葉前後から青葉が生い茂る前までが適期とされるが相馬岳北稜は距離が短いものの難所続きで標準ルートタイムは12時間とされており、昼が短い季節ではビパーグを余儀なくされるため、気温も高くなく行動時間が長く取れるこの時期を狙った。
妙義湖のダムの橋の手前にある駐車スペースに車を停め、道路を下流方向に進み2つ目の沢を過ぎたところで沢の右岸尾根の末端より取り付く。

Photo1 相馬岳北稜取り付き
急登の尾根を登り小さな岩場を越えると雑木林越しに街並みが見え始め、やがて”あたご社”の標識が現れる。

Photo2 “あたご社”の標識
左下方を見ると旗が下がっていた。ところどころに咲く満開のミツバツツジを楽しみながら高度を稼ぐと

Photo3 今が満開のツツジ
最初のピークP1に出る。ここからは直ぐ目の前にP2を見ることが出来る。

Photo4 P1から見えるP2の岩峰
北稜は左側が切れ落ちているので基本的には次々に現れる岩峰を右から巻いて通過する。
時折露岩や落ち葉の吹き溜まりで踏み跡が消えるが稜線上あるいは西斜面をトラバースして進むとやがて前方に樹木を纏ったピークが現れ、ピークの東斜面の向こうにハサミ岩が遠望できる。

Photo5 P5の左肩にミトンのような形のハサミ岩が見え出す。
ピークを登り詰めて細尾根を進むとやがて切れ落ちた行き止まりとなる。このピークがP5で、行き止まりから少し戻り西斜面の踏み跡にしたがって降りトラバースするとP5-P6のコルに出る。

Photo6 P5-P6のキレット
ここまでで明瞭に解るのはP2の岩峰と行き詰まってしまうP5だけでP3、P4はなんとなく通過してしまった。
P6
P5-P6のコルからは正面にある15mほどのチムニー状の岩登りとなる。

Photo7 立ちはだかるP6の岩壁
下部のクラックから取り付き途中で右のフェースに出ても良いが、チムニー右のフェース直上も出来る。登りきって細尾根に上がったところで左に進み草付きバンドをトラバースすると

Photo8 P6西斜面をトラバース
立ち木に懸垂用スリングが残置去れている。ここからP6-P7のコルへ15mくらい懸垂する。

Photo9 P6-P7のキレット
P7
P6-P7のコルからの登りは妙義特有の炭団岩の岩壁でホールドが豊富(ただしいつ抜けるか、割れるか解らない)にあるのでいろいろルートが取れそうであるがコルから左にルンゼを少し下った被り気味のフェースから取り付いた。
比較的大きな岩に上がったところでコルから伸びる立ち木の枝にランナーをとり直上。
勾配が緩んだところから左の岩壁のルンゼ上部に出て潅木に支点を取りながら群生しているイワマツを避けつつ直上。最後は立った草付きを潅木頼りに登って稜線に抜けた。細尾根を進み、西側斜面を降る踏み跡に従うとやがてP7-P8のコルに出た。
P8・P9・P10
コルからトラバース気味に登り返し岩稜歩きで幾つかの小ピークを越えてゆくとやがて道は細尾根を通過し、

Photo10 P8から登ってきた尾根を振り返ると緑の中に岩峰群が

Photo11 P10-P11のキレット
ピークを東側から登り詰めるとP11。
P11
雑木に覆われたP11の頂は平で幕営も出来そう。頂の末端には立ち木の懸垂支点があり、ここは50mロープを出して10-P11のコルまで懸垂。

Photo12 P11の頂末端から懸垂
コルに降り立てば草付きの泥岩壁が立ち塞いでおり、登高ルートを検討するも途中のクラックのあるかぶり気味の岩とその後の泥壁で難儀しそうということで直登を断念し巻きルートを進んだ。
P12 巻き道ルート
P11-P12のコルから右へ降るルンゼを太い立ち木を支点に使って更に25m一杯までロープを伸ばし、都合2回の懸垂で落石を避けることが出来るルンゼ右岸に降り立った。
ルンゼを左岸に渡り、岩壁の基部に沿って進んで小尾根を越えると岩屋があった。

Photo13 P12の岩壁基部にある岩屋
更に岩壁に沿って進み小尾根に乗り切り立ったフェースが草付きの石垣状の岩壁に変わったところから取り付いてバンドを左上、次いで右上し岩稜に乗って進むと立ち木の根元に懸垂支点を発見。

Photo14 岩稜からの立ち木を支点に懸垂準備

Photo15 見上げるとP12の岩峰が真上に
ここから右に降ってみると明瞭な踏み跡が現れた。
相馬沢から遡上してルンゼ右岸を登って来るルートと思われ、踏み跡に従い岩壁基部を登って行くと直ぐに仙人窟に着いた。

Photo16 仙人窟
情報ではP12(つづみ岩)の巻き道としてP11-P12のコルからルンゼを大きく降り3本の沢出会いから真ん中のルンゼを登り詰めて仙人窟へ至るのが一般的なようである。
我々がたどった岩壁基部トラバースルートは距離、時間ともに短縮できると思うが、途中にあった懸垂用残置スリングは退色してかなり古く、表皮は磨耗していたのでこのルートは最近使われていないようである。
ちなみに我々5人パーティでの P11-P12のコルから仙人窟までの所要時間は1時間10分であった。
仙人窟からはポッカリ開いた岩のアーチをくぐって東側に抜け、

Photo17 岩のアーチを東側に抜けて
岩壁基部に沿って延びる今までとは違った濃い踏み跡をたどって

Photo18 ハサミ岩基部を巻く

Photo19 痩せた岩尾根を渡って
細い岩稜や露岩を越えるとやがて道は急登の尾根となった。
一気に登り詰め相馬岳山頂で大休止後、

Photo20 相馬岳山頂
茨尾根方面へ降り途中国民宿舎への分岐で右折。
長い鎖場を降り、

Photo21 長い鎖場を下降
途中の岩峰基部にまるでこの日のために用意されたかのようなポッカリ開いた”窓”から登ってきた相馬岳北稜を眺めつつ休憩。

Photo22 岩窓越に見える相馬岳北稜
右に北稜、左に鬼の顔に見える星穴岳を見ながら

Photo23 星穴岳〔小さな穴は射抜き穴、大きな穴がむすび穴〕
細尾根を国民宿舎目指してして降った。

Photo24 眼下に見える国民宿舎
相馬岳北稜の手強さによる疲労感、芽吹いたばかりの新緑、その中に一際目立つピンクとオレンジのツツジと春を満喫した山行であった。
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コメントの投稿
気持ちいいでしょうねー!
苦労して登った後の眺めは、さぞ綺麗でしょうねー。写真から伝わってきます。
最近山での事故が多いようです。
十分に気を付けて、楽しんで下さい。
DEN
最近山での事故が多いようです。
十分に気を付けて、楽しんで下さい。
DEN