西上州 焼岩 焼山 宗四郎山 六助ノ頭

Photo0 左の倉門山から焼山を降って山吹峠に降る県界稜線と焼山から右に連なる焼岩
記録
日程:2017,05,12
メンバー:安田
5/12日 天候 晴れ
コースタイム:林道分岐(7:46)→擁壁取り付き(7:50)→P1440(8:44~8:56)→焼岩(9:07)→焼岩岩壁下(9:50~10:06)→焼山(10:24)→倉門山(11:02)→山吹峠(11:46)→鞍部分岐(11:53)→宗四郎山(12:14~12:34)→六助ノ頭(12:54~13:03)→鞍部分岐(13:38)→天丸トンネル群馬口(14:20)→林道分岐(14:33)
行程8.0km 累積標高1100m ルートマップは ここ です。
今年はアカヤシオの花の少なさを実感していたので石楠花はどうかと思い、まだ登ったことがない西上州の焼山と宗四郎山へ出かけた。
焼山宗四郎山は埼玉群馬県境に位置しており、県界の尾根の下には林道上野大滝線の天丸トンネルが通じているが、埼玉県側が林道崩落のため久しく通行止めとなっているので群馬県側からアプローチした。
帰宅して林道を管轄する秩父林業振興センターのHPを見たらどうやら今年7月下旬より通行できるようになるらしい。
群馬県上野村の野栗沢から奥名郷を経て天丸山登山口の天丸橋を過ぎ、落石を避けながら車を走らせて太尾トンネルを通過。直ぐに現われる林道太尾線(交通止め)との分岐に車を停めた。
駐車スペースから帰路に備えて落石を道路脇に退けながら太尾トンネルまで戻り、擁壁あるコンクリート階段から取り付いた。

Photo1 取り付きの土砂に埋もれたコンクリート階段
階段は乾燥した砂泥に埋もれ垂れ下がっている古いワイヤーを掴んで登り、擁壁の上からは急勾配斜面となり直登するには厳しい。
登り易そうなところを探しながら高度を上げてゆくとまた古いワイヤーが出てきた。先ほどと同じものと思われるが途中が土砂に埋もれているのでこれに頼ることは出来ない。
10 分ほどの登りで尾根上に出て左折、歩き易い尾根を登って行くとやがて立ち塞がった岩壁の基部に出た。

Photo2 尾根上に立ち塞がる岩壁
正面突破は無理なので右にトラバースしてみると登れそうな岩溝があったが苔が生えていて岩も黒々。スリップしそうなので諦めて更に基部に沿ってバンドを進むと今度は落ち葉と泥が積もったルンゼに出た。これより先は基部を巻けそうに無いのでこのルンゼを登り途中から左のバンドに逃げた。

Photo3 落ち葉と泥が詰まったルンゼを登り左のバンドへ
バンドを進むと先ほどとラバースしたバンドから2mほど上の岩に出てしまったが、ここからはホールド、スタンスともあるので岩を登ると最初に諦めた岩溝の上に出た。
尾根に復帰して急登を登って行くとやがて潅木越しに宗四郎山や大ナゲシの姿が見えるようになり最初のピーク(P1440)に出た。

Photo4 腐った木柱のあるP1440
樹林に覆われているが枝が2本ほど切られており東側の展望が得られるのでここで休憩タイム。枝の切り口は新しく、針葉樹の枝の葉も青かったので最近切り落とされたみたいだ。

Photo5 枝が切り落とされて隙間から見える尖がった宗四郎山とその左に六助ノ頭
展望が無く、目印も疎らなところでのルート確認が出来るのはうれしい。
最初のピーク(P1440)から一旦降って登り返すと焼岩であるがここは目立ったピークが無く尾根歩きとなる。

Photo6 展望が無く木に打ち付けられた山名標だけの焼岩山頂
やがて降ってゆくとリッジが切れギャップが現われた。ここはクライムダウンして登り返して通過。

Photo7 下から見上げたクライムダウンしたギャップ
続いてリッジを左に巻き降り尾根に出ると立ち枯れた2本の大木ある尾根西端となり行き止まり。ここからは西側に位置する大山や倉門山の展望が得られた。
少し戻って左側の急斜面の降りとなるが落葉した乾いた松葉に覆われ滑る滑る。

Photo8 松の落ち葉が敷き詰められた降り急斜面
立ち木に掴まって降るが一段降りてトラバースしたところでロープを出して下降。降りたったテラスから更に岩場下降。
フィックスロープがあったが垂直の岩場で着地点が見えず、岩の状態がわからないので再びロープを出そうとするとテラスの先の立ち木の根元に古い残置スリングがあった。

Photo9 古い残置スリングのあった立ち木にロープを掛けて懸垂
ここは懸垂と決め込み10mの垂直懸垂。懸垂の途中には空中部分もあった。着地してフィックスロープのあったほうを見るとやはりロープは途中まででそれ以下はクライムダウンするようであったが、その着地点のバンドから下もスッパリきれ落ちておりかなり危険。
ひょっとして長かったフィックスロープが岩角に擦れて切断してしまったのかも。時間は掛かるが先が見えない場面ではロープを出すのが賢明。
焼岩からの下降に時間が掛かってしまったがここはついでとばかりにまたもや休憩。
歩き出すとまたも小ピークとなるがここの岩場は直登せず左から巻いて通過。次第に石楠花が現われだし藪コギとなったが花はおろか蕾さえ持っていない。枝の先端には細く尖がった芽しかないので今年は石楠花の花も少なそう。藪が薄くなりだすと次第に急登となり踏跡らしきものを追ってジグザクに登ると見晴しの良い焼山山頂に出た。

Photo10 秩父方面の展望が開けた焼山山頂
ここから藪岩稜を西に進み途中で登山道から外れて隣の岩峰を直登。降って登山道に合流し、以前歩いたことがある倉門山まで進んで折り返した。
今度は登山道を戻り、長登した岩峰を巻き、登山道が焼山への岩登りとなるところからは獣道らしき跡を進んで焼山を巻き山吹峠へ降る登山道に合流した。
焼山からの下りは礫砂混じりのズルズル急斜面で思わず駆け下りたくなるがその後は転倒して怪我するのが目に見えているので慎重に降った。
やがて石の祠のある山吹峠に到着。右下からは天丸トンネル埼玉側からの登山道と思われる濃い踏跡が合流していた。

Photo11 石の祠のある山吹峠
左前方には群馬側へと下る薄い踏跡が伸びていたが尾根を進む濃い踏跡を直進。
やがてロープが何段にも張られた急坂を登った小ピーク(P1390)からは南天山ははじめ奥秩父が一望できた。
降って快適な尾根歩きとなり鞍部に出ると今度は右下に進む道との分岐となった。右下に進む道には何本かの木が置かれており進むなという印。
一方左の群馬側からも道跡が延びてきており、この鞍部斜めに横切って繋がっていたようだ。
ここも直進し尾根を進み宗四郎山かと期待しつつも裏切られた小ピークを越えるとまだ黄緑の若葉の樹林の間から本物の宗四郎山の姿が見え出した。
途端に傾斜が増し、

Photo12 宗四郎山への急登
何段も続くロープを頼って登って行くと一旦宗四郎山山頂の東端に出て西に進むと秩父方面の展望がすばらしい宗四郎山山頂に着いた。休憩してエネルギー補給しているうちに、心地よい風と陽射しでついウトウトしてしまった。

Photo13 素払い井展望が広がる宗四郎山山頂
宗四郎山から隣に見える六助ノ頭へと向かい、岩尾根を降って途中から埼玉側の斜面にある防鹿ネット横を進んで登り返すと程なく六助ノ頭に到着。
展望は殆ど無いがアカヤシオが綺麗に咲いていた。

Photo14 木々の間から尖がった宗四郎山が見える
六助ノ頭から引き返そうとすると尾根に幅広の道が降っている。登ってくるときには気にしなかったが上から見ると歩きやすそうなので一瞬引きずりこまれそうになった。地図を見ると秩父中津川方面に降っている尾根なのであわてて戻り進路を修正し来た道を引き返した。
来るときは防鹿ネットの途中に出たが先がどうなっているか確認したくなりネット沿いに歩いてみたが直ぐに下降し始めたので登山道へ登り返し宗四郎山へと戻った。ここからは再び来た道を戻り鞍部で斜めに交差して踏み跡を群馬側へと降った。
後でわかったことだが鞍部で木が置かれて進むな印のあった道は防鹿ネットの下部まで延びてきており、ネットの縁に沿って登ってくればこちらからも宗四郎山に登れたようである。とはいっても防鹿ネット沿いは動物専用かも。
鞍部の分岐から群馬側に降って行くと道はどうやら小ピーク()を巻いているようで、崩落地を2箇所通過して山吹峠の直ぐ下、峠の古い看板が見えるところまで来ていた。
登って行く薄い踏跡は山吹峠から群馬側に降っていた薄い踏跡に続いていた。

Photo15 崩落地から見た焼岩とその右のP1440 下には林道上野大滝線
ここも直進しトラバーして延びる道跡を追うとやがてスイッチバックして一段降りさらに先に延びていたので進むとやがて崩壊しザレた沢でその先は道跡が続いていないようだった。
立ち木に黄色い目印テープがあったのでここからザレた沢降ったがどう見ても手前の尾根のほうが歩きやすそうなので尾根に上がり降ってゆくとやがて天丸トンネル群馬側の駐車場が見えてきた。
しかし尾根は末端で切れ落ちているので再び沢床に降り立ち下山ルートをあれこれ思案。右往左往しながら駐車所に降り立った。

Photo16 天丸トンネル群馬側の口と駐車場
駐車場からは舗装された林道上野大滝線を歩いて太尾トンネル手前の林道分岐点に駐車した車へと戻った。
ネット情報によると山吹峠からの下降はちょっと距離が長くなるのとヘッデンが必要であるが、埼玉側に降って天丸トンネルを通過しても戻るほうが楽らしい。
今のところ林道が埼玉側通行止めで天丸トンネルを通過する車が無いので安全だが、通行止めが解除になり車がトンネルを通過するようになるとちょっと危険かも。