2017年04月の全記事一覧
- 04/30 西上州 サス尾根
- 04/24 アカヤシオを探して笠丸山 マツオ
- 04/21 両神山 天理尾根(天武将尾根)
- 04/17 秩父 南天山・滝谷山
- 04/15 妙義 金鶏山縦走2017 Ⅱ筆頭岩
- 04/14 妙義 金鶏山縦走2017 Ⅰ金鶏山
- 04/11 毛無岩(笠松コース→尾根コース周回)
西上州 サス尾根

Photo0 栂の頭から見たサス尾根
記録
日程:2017,04,29
メンバー:安田
4/29日 天候 晴れ
コースタイム:駐車スペース(7:19)→サスの峰取り付き(7:25)→サスの峰(8:02)→P8(8:38~8:55)→P14(9:50~10:01)→栗原山(10:58~11:09)→持倉越(11:21)→大栂尾根(11:561)→栂の頭(12:04~12:17)→廃林道(12:39)→桜井沢林道着地(13:08) →駐車スペース(13:28)
行程8.5km 累積標高1015m ルートマップは ここ です。
大型連休これといって遠くの山に出掛ける予定も無いので前々から歩いてみたいと思っていたサス尾根、
西上州のバリエーションルートは青葉で見通しが遮られると難しくなってしまうのでその前にと思い今年のアカヤシオの見納めも兼ねて出かけた。
関越の本庄児玉ICからR462を群馬長野県境の十石峠方面に進むと神流町の中心部辺りでこいのぼりが見えた。まだ早朝、無風なのでこいのぼりは櫛にぶら下がったまま。陽射しを浴びて泳ぐ姿を帰りに見物と考えながら通過し、魚尾(よのお)の中山神社の手前で右折し大福峠を目指した。
大福峠からは林道桜井沢線となるが道なりに進むと左側に林道支線の入口、右側には駐車スペースが現われた。

Photo1 林道支線の入口 サスの峰への小さな標識
ここに車を停め林道支線入口にあるサスの峰への小さな標識に従って進み、尾根末端の右コーナーを曲がると直ぐに現われたサスの峰への取り付きから入山。

Photo2 サスの峰への取り付き
直ぐ尾根筋に上がり急登を進むとやがて勾配が緩み真ん中に窪地のある二重山稜となった。左側の稜線を進み再び勾配が増してくると前方に岩が立ちふさがり、ここで左折し岩を巻き上げるように進んで隣の尾根に乗り換えて登ると直ぐにサスの峰に到着。

Photo3 サスの峰山頂
サスの峰のピークは三角点がある広場で周囲は潅木に囲まれその中にはアカヤシオの花も。
踏跡に従って進むとロープが現われ、それを掴んで下降。ここから尾根上には栗原山までの間に18のピークがあるということで地図には載っていないバリエーションルートとなる。
稜線上にある小ピーク(コブ?)を次々に越えてゆくと次第に潅木のヤセ尾根となり西上州や奥秩父の山々・八ヶ岳が見えるようになってきた。潅木の中にはアカヤシオの花もチラホラ。
P5を過ぎると岩場が増えてきて手足総動員で登る箇所も出てきた。
P7を降ってギャップを越えるといよいよサス尾根の本性が現われだし、P8への泥急斜面では古い残置ロープが現われた。

Photo4 P8への急斜面の古いロープ
信用できないので使わずに登って行くとロープはアカヤシオの株の根元にフィックスされていた。急登を登り稜線を進み振り返るとアカヤシオの花の彼方にはギザギザの両神山赤岩尾根尖がった大ナゲシの姿も。

Photo5 両神山 赤岩尾根 尖がった大ナゲシ
P8で休憩を取り一息ついたところで次は80°くらいのヤブ泥壁下降となった。ロープを出すかどうか思案したがヤブの中にしっかりした目印と踏跡があったので潅木に掴まりながら下降。

Photo6 P8からの降り斜面 潅木に掴まりながら下降
P8からの下降ではいろいろ踏跡があったが、ピークで進行方向左前方の黄色いテープに従うと踏跡、目印テープともにしっかりしていた。
ヤセ尾根を先に進むとⅢ級くらいの岩場が現われだし、P9を越えP10のヤセ岩稜を進むと先端が切れ落ちた断崖。少し戻って右側に降ってから巻き降った。

Photo7 降りの急斜面 ヤセ尾根の反対側の立ち木には支点ロープあり
下降点の反対側には残置支点のロープがあったので無理して3mほどの泥斜面を根っこを掴みながら降るよりはロープを出したほうが安心安全。

Photo8 P10行き詰まり尾根を下から見上げる
P11は直登して展望が利く尾根を進み、

Photo9 P11へは稜線上を直登
P13は右側から泥の急斜面を巻き上がって稜線に復帰。

Photo10 右へ巻き上げた後泥斜面直登
前回の休憩からほぼ1時間経過しているのでP14で腹ごしらえ。
P15を越えP16に差し掛かると前方に立ち塞がる岩の基部を右に巻き上がり行き詰まったところから手掛かりが乏しい泥の急斜面を登った。

Photo11 P16へは右へ巻き上げ白い岩手前から泥斜面登り
下は奈落の底なので掴める根を落ち葉を払って探しながらステップを小刻みに刻んで通過。

Photo12 稜線上はのどかにアカヤシオ満開
稜線に出れば連続した倒木が行く手を阻み、大木ではないので潜ったり手で掻き分けて進んだ。
P17を過ぎるとP18の岩屋のある岩壁が出現。

Photo13 P18の岩壁基部 右へバンドを進んで反転し上のバンドを左上
基部が歩きやすそうな左の岩屋方面に進むか右のバンドを巻き上げるか思案したが青テープがあったので右へ進んだ。バンドの行き止まりまで進むと今度は反転して左上するバンドを伝って行き詰まったところから潅木を握って潅木を掴みながら泥斜面を直登。
稜線に出て振り返ると奥秩父の山々が一望。しかし登ってきたサス尾根は途中のピークに妨げられて一望ならず。
P18を過ぎると平穏な尾根歩きとなり山頂直前で急勾配はあったものの登りきると展望の無い栗原山山頂に出た。

Photo14 栗原山山頂
栗原山からは踏跡が濃く歩き易い尾根を下降して南小太郎山との鞍部、持倉越に出た。

Photo15 持倉越 右折して薄い踏跡を大栂尾根目指してトラバース
持倉越で右折し落ち葉に覆われて不鮮明な踏跡を辿って大栂尾根目指してトラバースに移ったが直ぐに踏跡を失った。やがてザレた急斜面となり涸沢を渡って尾根を1つ乗越し、更に涸沢を2つ越えたところで対岸は岩壁になった。
適当な高度で大栂尾根をトラバースし、稜線の高度が下がり近づいてきたところで尾根に乗った。尾根筋を降るとやがて二重稜線となったので左から右の稜線に移り、登ってきたサス尾根が一望できる栂の頭に出た。

Photo16 栂の頭 サス尾根が一望
休憩後大栂尾根の稜線に戻り降ってゆくとやがてアセビのヤブに突入。まもなく廃林道に出た。
廃林道を右折し進むとやがて崩落箇所に出たので高巻きして通過。廃林道が沢で流失したところを2箇所通過するとやがて林道終点と思われる広場に出た。ここから下を見ると林道桜井沢線が近くに見えたので尾根を伝って下降し舗装された林道に降り立ち林道歩きで駐車スペースへと戻った。

Photo17 桜井林道への着地点
岩登り、泥の急斜面降り、ザレ場トラバースと変化に富んだルートであったが結局ロープを出さなかった。栗原山までのサス尾根はそれなりに目印があったが、ピークを巻くか登るかといった地形図に出ていないような細かな部分ではルートの見極めが難しかった。まだ青葉に覆われていないので枝越しに展望が利き位置確認が容易であったが・・・・もう少し経ってみどりに覆われるようになるとルート取りが更に難しくなると思う。
降りに使った大栂尾根では目印は殆ど無し。途中で黄色いテープが出てきたがそれに従うと持倉集落のほうに下山してしまうかもしれない。
帰路に立ち寄った神流の町のこいのぼり。神流川の両岸を結んだロープにつるされ綺麗に泳いでいました。

Photo18 神流川の上を泳ぐ鯉のぼり
アカヤシオを探して笠丸山 マツオ

Photo0 アカヤシオ
記録
日程:2017,04,23
メンバー:安田
4/23日 天候 晴れ
コースタイム:登山口駐車場(7:22)→石灯篭のある登山口(7:28)→笠丸山南峰(8:17~8:35)→北峰(8:42~8:51)→地蔵峠(9:17)→マツオ(9:41~9:59)→地蔵峠(10:22)→林道終点(10:47)→新高畑橋(10:55)→駐車場(10:56)
行程5.3km 累積標高726m ルートマップは ここ です。
先日の両神山ではアカヤシオが少なくて少々物足りなかったのでアカヤシオで有名な上野村の笠丸山に出かけた。
登山口までの、道路の一方からの入口が通行止めになっているので日曜日ではあるが登山者は少ないであろうという思いも少なからず山選びの要因となった。
R299から直接登山口の住居附(すまいづく)までの道はもう何年も交通止めになっているので登山口へは下仁田経由で塩之沢峠のトンネルを抜けて御荷鉾スーパー林道から居住附へ降るルートを進んだ。
登山口の駐車場へ着いたのは7時を過ぎていたが先行車は1台のみ。予想通りと喜び勇んで支度を整え、道路を住居附の集落のほうへ少し降った石灯篭のある登山口からの周回ルートを歩こうと考え集落を目指すと道の両側はアカヤシオが満開。

Photo1 登山口周辺のアカヤシオは満開
見上げた岩峰の側面にもピンクの花がそこかしこ。
笠丸山の頂稜はアカヤシオの道になっていること間違いなしと確信し登山道に踏み込んだ。
ちょっと急勾配の登山道を登って徐々に尾根が狭くなってくるとフィックスされたロープが現われた。

Photo2 雑木林の尾根を進む 朝日をうけ心地よい
降りで使うと木の根で滑りやすいかも?などと考えて進むうちの岩壁に突き当たった。道は左に曲がり岩壁を巻くように伸びているので進むと今度は木に掴まりながらの泥岩壁登りとなり程なく笠丸山南峰の山頂に出た。

Photo3 笠丸山南峰の山頂
山頂には社が祀られ、南方面が好展望の広場の端にはアカヤシオが満開。アカヤシノの遥か向こうには両神山や小鹿野の二子山が見えた。

Photo4 左から小鹿野二子山 天武将尾根 両神山
南峰で休憩後、両側スッパリきれ落ちた頂稜を進むと・・・・・アカヤシオの花はどこどこ?予想に反してアカヤシオは蕾ではなく芽が伸び始めていた。

Photo5 頂稜の登山道 疎らなアカヤシオ
中には花をつけている株もあったので観察してみると枝先は蕾ではなく殆どが若葉の芽で中には気まぐれで花をつけているものもあるといった状態。アカヤシオの花道歩きの願望は潰えた。
露岩の北峰では駐車場に停まっていた1台の車の主と遭遇。

Photo6 笠丸山北峰山頂
山談義の情報によるとアカヤシオの当たり年は数年に一度とのこと。アカヤシオの花期は短いので”花追い人”は咲き始める前に一度登り、蕾の数や膨らみを観察してから再訪するか又はいつ登るかを判断するとのこと。自然相手の花見もなかなか奥深い。
北峰から南峰への続く尾根を戻り、途中の下降点からフィックスロープに捕まって岩と泥の急斜面を下降。

Photo7 頂稜からの下降点 ロープを掴んで降る
ロープが途切れて勾配が緩んだ尾根道を進むと大きな岩、鏡岩が現れた。基部右側を巻くように進むとやがて大木の根元に地蔵が安置されている地蔵峠に出た。

Photo8 地蔵峠 大木の根元の赤いのがお地蔵さんの涎掛け
直ぐ横に重機の轍の残る林道があったがいったいどこに通じているのか?林道は地形図に記載が無いので安直には入り込めません。
地図上では登山道を示す赤実線がここから右折して尾根から外れ、駐車場のある新高畑橋まで下るようになっているが、時計を見るとまだ時刻も早いし登った今登った笠丸山の山容を見たいと思い地蔵峠から伸びる破線のルートを直進しマツオを目指した。
今では破線扱いだが進むうちに殆ど土砂に埋もれた状態の木段があったのでかつては良く歩かれていたようだ。
ピークを1つ越え登りコルに下り登り返すと前方に岩が現れた。近づいてみると左から岩の弱点を巻き上がるような道跡があったのでそれを辿り、岩を越えると次に岩に掛けられた古い木のハシゴが現れた。

Photo9 古い木製階段 乾燥しているからか腐ってはいなかった
ハシゴを登って岩上に立ってみると明らかに巻き道と思われる跡が残っていた。
岩を越え狭くなってきた登山道をすすむと祠のあるマツオ山頂に着いた。

Photo10 マツオ山頂 周囲はアカヤシオに囲まれているのだが・・・
山名標は無かったが、祠と周囲の展望からマツオであると判断。
狭い山頂の周囲は潅木、笠丸山方面は松ノ木で展望が遮られていたが御座山や白く残雪が残る八ヶ岳、浅間山を見ることが出来た。
山頂の周囲の潅木はアカヤシオだったので運がよければ花に取り囲まれた山頂で花見を楽しむことが出来そう。が、しかし・・・・・
残念ながら今回はアカヤシオの芽を愛でることになってしまった。
マツオから更に道は先へと伸びていたので尾根を伝って塩之沢峠まで行ってみるかと一瞬思い浮かんだものの駐車場までの長い舗装道路歩きを考えて断念。
マツオからは来た道を地蔵峠まで戻り、地蔵峠からは赤線で示されている一般道を下山した。沢筋に沿って降ると右前方に岩峰が現れ天辺のほうには一際目を引くアカヤシオが咲いていた。やがて道は幅広の林道へと繋がり、林道を進むと新高畑橋を渡って駐車場横の登山口へ出た。

Photo11 駐車場至近の新高畑橋登山口
駐車所へ戻ると車の数は十数台と増えていた。皆さんアカヤシオ狙いだと思うのですが・・・・・。
帰路は塩之沢峠まで戻り、ここからは往路とは逆の天狗岩登山口のある湯ノ沢トンネル上野村側へと降った。

Photo12 御荷鉾スーパー林道途中から見た笠丸山の南峰と北峰
天狗岩も笠丸山同様アカヤシオが咲き乱れとのこと、しかも笠丸山より交通の便が良いので花狙いの人が大勢登られたようだ。
駐車場は車があふれ路上駐車の列が出来ていた。中には数台の小型バスも。
両神山 天理尾根(天武将尾根)

Photo0 天理尾根(天武将尾根)から見上げた両神山
記録
日程:2017,04,20
メンバー:安田
4/20日 天候 晴れ
コースタイム:日向大谷登山口(7:29)→奈良尾峠への分岐(7:34)→奈良尾峠(8:00)→尾岩場Ⅰ(8:21)→露岩小ピーク山(9:19~9:35)→天理岳南峯(9:45)→岩場Ⅱ(10:00)→P1145禿岩(10:11)→岩場Ⅲ(10:23)→P1306スズノ頭(10:54~11:07)→前東岳(12:20) →両神山剣ヶ峰(12:40~13:05)→梵天尾根分岐(13:08)→白井差下降点(13:10)→梵天尾根分岐(13:14)→両神神社(13:34)→清滝小屋(14:11~14:23)→会所(15:32)→量神山荘前(16:02)→日向大谷登山口(16:08)
行程13.6km 累積標高1820m ルートマップは ここ です。
さくらの季節も終わり山ではそろそろ一番先に咲き出すアカヤシオの見ごろではと思い両神山へ出かけた。
日向大谷のバス停正面の登山口から石段を上がり

Photo1 バス停向かいの登山口
突き当たりを右折すると直ぐに両神神社、

Photo2 両神神社 里宮
更に少し進むと現われる左上する踏跡に分け入った。

Photo3 奈良尾峠への分岐 左上する薄い踏後を進む
この分岐は指導標の類は無く、わずかに目印テープがあるが踏跡が薄いので間違えないように注意を払った。奈良尾峠への道は各所で踏跡が消え、途中に崩落斜面や倒木、枝打された杉の枝に覆われているので解りにくい。
天理尾根(天武将尾根)の末端近くにある奈良尾峠には指導標が立っているが・・・・ここまでたどり着ければ難所の一つを通過したことになる。

Photo4奈良尾峠
奈良尾峠からは尾根筋に沿って進むが誘導するように白テープがあり、P808まで続いていた。踏跡は濃いので何かイベントでもあったのか?
P808を過ぎ歩きやすい踏跡をたどって行くとやがて岩が散乱し始めやがて岩場になろうかというところでマムシに遭遇。陽光燦燦で暖かい岩場で日光浴?

Photo5 マムシに遭遇
伊豆半島で初めてマムシと出会ったときはマムシかどうか解らなかったが①普通の蛇なら逃げるのにじっとして動かない②特徴的な模様と三角頭③体長はせいぜい60cm、今回は直ぐにわかりました。その分こちらもあわてることなく回避。
なかなか移動してくれないのを知っているので、一旦後退してから尾根をトラバースしながら巻き上がった。
緩い勾配の尾根道を進むとやがて前方に岩峰(岩場Ⅰ)が現れた。

Photo6 立ちはだかる岩場 直登で通過
陽射しで暖かい岩場なので不用意に手を差し出したホールドの先にマムシが一休みしていると怖いので注意を払いながら一手一手確かめ直登した。
以前、日和田の岩場で勝手知ったるベテランクライマーが無造作に上のホールドに手をかけたときに日和田の主のアオダイショウに触れてしまい、ビックリして焦ったという話を聞いたことがあります。クライミングジムとは違い自然の岩場ではこんなアクシデントもあり注意が必要です。主のアオダイショウを目撃したこともあります。脱皮の抜け殻も岩陰にありました。
岩場を越えるとヤセ尾根歩きとなり、ピンクに咲き誇るアカヤシオが左右に目を楽しませてくれた。

Photo7 アカヤシオの花
木々の若葉はまだなので奥秩父方面や小鹿野二子山の展望がすばらしい。

Photo8 小鹿野二子山の展望
やがて樹林が切れ前方に天理岳が見えだした露岩の小ピークで休憩。ここから降り樹林の中を登り返し岩壁が見えるようになったところで左から岩を巻き進むと鎖場となった。
一気に登ると天理山南峰山頂。

Photo9 天理岳南峰山頂から両神山を望む
ここからはこれから進む天理尾根(天武将尾根)の先に両神山が見渡せた。南峰から一旦コルに降り登り返すと北峰山頂。祠の後ろから中ノ沢左岸尾根への踏跡があった。かなり濃いのでここで進路を誤る人が多いのかも?
北峰から先ほどのコルに戻り右折して西側の礫混じりの急坂を降り広い尾根を進むが、この辺り迷いやすいとの情報があったがまだ葉が茂っていないので見通しがきき迷うことなく進むことが出来た。
尾根を進み足元が岩場なってきたかと思ったら岩場(岩場Ⅱ)の先はスッパリ切れ落ちていた。

Photo10 岩場Ⅱ 通過してから見上げる
然程高さは無いが基部までの手掛かりが無さそうなのでアッサリ引き返して途中から左に巻き下がって通過。
幾つか小ピークを越えて次に現われた岩場(岩場Ⅲ)は先がやはり切れ落ちていたがちょっとルート取りに手こずったがホールドステップともに豊富そうなのでクライムダウンし更に尾根を進んでコルに降り立った。

Photo11 岩場Ⅲ クライムダウン後に見上げる
この辺りからは登り返しの傾斜が増し木の根を掴んでの登りとなった。やがて周囲に現われだした石楠花を掻き分けて登るとスズノ頭P1306に到着。
樹林に覆われ展望は無いが樹林越しに東岳と”大キギが身近に迫ってきているのがわかった。
スズノ頭から一旦降って天武将尾根最後のコルに降り立ち、ここから一般道と合流する前東岳までは標高差300mの一気登りとなった。滑りやすい松の落ち葉が積もった急斜面を手足総動員で登り、やがて石楠花の藪を掻き分けて進むと左手に前東岳の大岩壁が見えてきた。

Photo12 前東岳の岩場
この辺りを過ぎると大分傾斜が緩くなり、振り返ると登ってきた天武将尾根が一望できた。
岩壁上部の樹林の中を進むと程なくして前東岳で八丁峠からの一般道に出た。

Photo13 前東岳で八丁峠からの一般道に出た
足元スッキリの一般登山道を両神山最高点の剣ヶ峰に向うと途中北斜面でのクサリ場ではまだ雪が少し残っていた。剣ヶ峰の少し前辺りから人声が聞こえたが到着してみると山頂は大賑わい。

Photo14 両神山山頂 剣ヶ峰
昼食休憩後下山に移り、日向大田への道と梵天尾根への道の分岐からロープを潜って梵天尾根への道に入り込み、尾根少し進んで左側の白井差への下降点と右側の上落合橋への作業道の下降点を確認。梵天尾根道分岐まで引き返して日向大谷へ向って降った。
日向大谷への途中にある清滝小屋前のベンチで一休みし、薄川沿って降り何回か渡渉して高度を下げると七滝沢コースとの合流点である会所を過ぎた辺りからほぼ水平道となりその分谷は深くなって水流は見えなくなった。
幾つかの小尾根をトラバースして漸く登山口の日向大谷に着くと周辺は花盛りですばらしい景色が広がっていた。

Photo15 日向大谷は花の真っ最中
登り始めは直ぐに植林帯に入ってしまったので気がつかなかった。
破線ルートの核心部は奈良尾峠への分岐とその後のはっきりしない踏跡、それに岩場Ⅲのクライムダウン、あとは急登の体力勝負。今回ロープは持参したが出番は無かった。
尾根を登り詰めるルートであるが地形図には出てこない小ピークが沢山あるので直登して超えるか巻くかは判断次第。
アカヤシオが咲いていたのは天理尾根(天武将尾根)の下部だけで一般道のほうは咲いていなかった。一般道を登ってきた団体登山の方々はアカヤシオ見ることが出来たのかな?
天武将尾根でも一本の木全体で咲いている(満開)か、然もなくば蕾無しといった状況であった。今年は外れかな?
秩父 南天山・滝谷山

Photo0 埼群県境の山が一望できる南天山山頂
記録
日程:2017,04,16
メンバー:安田
4/16日 天候 晴れ
コースタイム:鎌倉橋登山口(7:40)→法印ノ滝(8:05)→尾根沢コース分岐(8:30)→尾根道分岐(9:10)→南天山(9:18~9:41)→沢コース分岐(10:00)→崩れた小社(10:01)→尾根分岐(10:34)→P1538(10:39~10:49)→P1562(11:18~11:23)→岩壁下(11:59~12:10) →滝谷山(12:31~12:45)→岩壁下(13:08)→小岩峰(13:31~13:42)→尾根分岐(14:21~14:32)→沢コース分岐(14:59)→尾根沢コース分岐(15;23)→法印ノ滝(15:40~15:48)→鎌倉橋登山口(16:07)
行程13.0km 累積標高1789m ルートマップは ここ です。
来週になると天候は春の嵐で荒れそうなのでその前に秩父の一番奥の南天山を計画。
南天山だけではちょっと物足りないので地図を眺めると群馬との県境にある滝谷山に尾根が続いていることが解った。
地図では滝谷山への登山道はないので南天山以外から登るにしてもバリエーションになってしまう。今回が良いチャンスと思い、南天山から尾根を辿って滝谷山へ歩いてみた。
南天山の登山口の鎌倉橋の駐車場に車を停め、鎌倉沢に沿って歩き始めた。

Photo1 鎌倉橋登山口
最初沢床からかなり高度差がある登山道を歩きやがて沢床と同じような高度になると木橋を渡って対岸へ、

Photo2 木橋で何回も鎌倉沢を渡る
しばらく歩いてまた木橋で対岸へと何度か沢を横断しながら徐々に高度を稼ぐと目の前に法印ノ滝が現れた。

Photo3法印ノ滝
登山道は右岸を高巻きやがて南天山への尾根コースと沢コースの分岐に出た。

Photo4 尾根コース沢コース分岐
鎌倉沢を渡って対岸の尾根コースに進み急勾配の植林斜面をツヅラ折れのコースに従い歩くと尾根上の登山道に出た。

Photo5 尾根コース分岐 尾根道と合流
尾根道との分岐を右折し石混じりの登山道を登り詰めると南天山の山頂に立った。
陽光燦燦微風、展望良しでしばらく休憩し山座同定をした後、山頂から引き返して先ほど登ってきた尾根コースとの分岐を直進、尾根伝いに降ってゆくと沢コースとの分岐に出た。

Photo6 沢コース分岐 下降点
沢コースはここから左折して降ってゆくが、今回は通行止めのテープを潜って直進。
よく踏まれた登山道を少し進むとやがて明瞭な踏跡は尾根から離れ巻くように伸びている。

Photo7 明瞭な巻き道から逸れて尾根直進(崩れた小社)
崩れた小さな社を目印にしてそのまま尾根を直進。踏跡なき急坂を登って行くとやがて藪に突入、程なく過ぎると今度は岩混じりの登りとなった。
尾根の真ん中を進み幾つか小ピークを越えると左からの尾根上に明らかな踏跡のあるピークに出た。帰路で明瞭な踏跡に誘いこまれないようにチェックして尾根を直進。

Photo8 尾根分岐のあるピーク
地図上ではここから滝谷山までは幾つかピークがあるが、地図上に無い隠れた小ピークがあったり、樹林で覆われたピークや露岩のピークがあり歩いているうちにわからなくなった。

Photo9 右手に見える埼群馬県境の山々
進行方向右手に帳付山 倉門山、大山、宗四郎山、大ナゲシ、赤岩岳と続く稜線が時折樹林越に見えるので凡その位置を確認しながら尾根筋を進んだ。
途中の岩峰は行き止まったときに降って戻れるかどうか確認しながら突破。行き止まりとなるようなところは無く、岩峰を巻くようなことも無しに稜線を進むことが出来た。
P1562を過ぎた辺りから滝谷山が見え出したが・・・・・その前に立ちはだかるように白い岩壁が見えた。

Photo10 樹林越に滝谷山が見え出した
装備もないし岩登りはちょっと難しいかもと思いつつ、行けるところまでと決めて一旦降り地図には標高が記されていないピークを越えると伐採され朽ち果てた大木の残骸や放置された林業用のワイヤー、運搬機械の部品が目に入るようになってきた。尾根にはかつての道の形跡も。

Photo11 かつての林業の残骸、ワイヤー掛けのプーリー
やがてザレた尾根を登り、立ちはだかる岩壁の直前で様子見。ルート探しの休憩。

Photo12 立ちはだかる白い岩壁
尾根からトラバースするように付いている道跡は崩落斜面の中に消えうせていた。登るだけならどうにかなるだろうと、降れるかどうかを確かめつつ左上するバンドに沿って岩に取り付き、積もった落石と苔を手で払いのけてステップを確保。ホールドは殆ど引けば抜けるので手探りで利きそうな岩を探して前進。
登った先は歩きやすそうな尾根で少し進むと左下から斜面を登ってくる道跡があった。
枯れた笹に覆われた斜面を進むと直ぐに滝谷山山頂。樹林の山頂で展望なく、朽ちかけた山名標が地面に置かれていたのみ。

Photo13 滝谷山山頂
滝谷山山頂で休憩後、来た道を戻るが、先ほど苦労した岩壁はクライムダウンする気になれず、見つけた道跡を降って岩に掴まりながらどうにか崩落箇所をトラバースして岩壁下の尾根に出た。

Photo14 降ってトラバースした崩落地
ここから先は来た道を戻ったが、往路で歩き易そうと思ったところが上り下りで反対から見るのはちょっと違う。
道があるわけではないので適当に歩いて、分岐している尾根に引き込まれないように注意を払い崩れたし小さな社のところまで戻り、後は明瞭な踏跡を辿って沢コース分岐から一般道を降り尾根沢コース分岐からは途中法印ノ滝で一休みして往路を戻った。
妙義 金鶏山縦走2017 Ⅱ筆頭岩

Photo0 さくらの里からの筆頭岩
記録
日程:2017,04,13
メンバー:安田、Nさん、Sさん
4/13日 天候 晴れ
コースタイム:取り付き広場(12:05)→筆頭岩山頂(13:36~13:45) →下降着地点(14:22~14:32)→取り付き広場(14:41~15:01)→さくらの里前道路(15:10)→見晴し駐車場(15:50)
行程4.6Km 累積標高480m
金鶏山縦走後半は筆頭岩の登攀。筆頭岩の取り付きの広場で大休止して、これまでの歩きモードからクライミングモードに体調・気分を切り替えてクライミング装備をつけて筆頭岩に臨んだ。

Photo1 筆頭岩 クライミングルート ピーク(P1~P4)とピッチ
筆頭岩2回目の私は一番最後にということで、50mロープ1本で中間はチョン掛けでスタカットの要領で登攀開始。
取り付きからP4までは簡単なⅡ級程度の登り。リードの姿が見えなくなって動きが止まったので確保支点を構築している様子。ロープ間隔が20m程度なの調度良いタイミングだ。
P4からP3までの2ピッチも簡単な登りなので、リードの姿が視界から消えロープが引き上げられ確保体制が整ったのを見計らって登り出した。
情報を得ていてもやはり始めての場所ではそれなりの緊張感があるが2回目の私は最後尾。2ピッチ終了点のP2テラスまではボルトやハーケンなどの人工支点は無いので途中ランニングを取らずに登ってきてしまった。
我々は取り付きの広場からここまでクライミング装備をつけてきたが、P2への3ピッチ目は両側が切れ落ちた岩場となるのでパーティによってはP3テラスで装備をつけたりクライミングシューズに履き替えるようだ。
3ピッチ目のP2への登りは新しいハーケンが打たれていてリードはランニングを取りながら進んでいった。

Photo2 P2への登り(3ピッチ)
P2には前回同様残置ロープがあった。前回はリッジの左側に下がっていたが今回は右下のバンドに垂れ下がっており先端は綺麗に纏められていた。確か黄色と黒のトラロープであったが2年半も風雨にさらされるとこんなになってしまうのかと驚くほど退色し表面はザラザラに劣化していた。それにしても何のために残置去れているのか疑問。
4ピッチはP2からP1基部に向ってのリッジ通過。このリッジは両側が垂直に切れ落ちているので高度感たっぷり。短い距離であるがきっちりロープで確保して通過。

Photo3 リッジを渡ってP1基部で確保支点構築

Photo4 後続もリッジ通過

Photo5 通過してきた両側切れ落ちたリッジの下には“さくらの里”
リッジを渡った先のP1基部でピッチを切り次は立ち上がった岩壁の登りとなるが古いななり年代もののクサリが掛かっている。
かなりの高度感があるがホールド、ステップともにちゃんとありクサリまであるのでかなり心理的には楽。ランニングを取れるものは無いのでクサリにカラビナを掛けて確保しながら登った。
勾配が緩むと岩稜歩きとなりやがて潅木尾根を進むとケルンのある山頂に到着。展望休憩をして次の懸垂に備えた。

Photo6 山頂のケルン
ケルンのある尾根の先の立ち木の懸垂支点からは次の支点が見えないので懸垂体制になって次の支点を探しながら下降。およそ10mの下降で上のテラスに降り立った。
潅木の間を抜けるのと、降り立つテラスが上からは見えないのでロープの投げ下ろしは危険なためロープを抱いて懸垂した。上のテラスからも同様で見えるのは下のテラスだけ。展望休憩をして次の懸垂に備えた。
下のテラスの少し下には着地点からの成長して来た杉の木がもう少しで届きそうな高さにまで生長していた。この杉の木が曲者で、ロープの投げ下ろしでロープが絡まったりいろいろクライマーに厄介を掛けるらしい。
今回は杉の枝にロープが絡まり残置去れていた。
下のテラスからは着地点が見渡せるので注意深くロープを垂らして懸垂下降した。途中からは空中懸垂。

Photo7 この辺りから空中懸垂
懸垂途中で枝に絡んで残置去れていたロープを回収。
2本のロープが結ばれていたのでどうやら50mロープ2本で一気に下降しようとし投げたロープが引掛かったようだ。
連結されたロープの片側は磨耗で表皮がはがれていたので、多分ぶら下がったままもがいて岩にこすりつけたと考えられる。
又一方は刃物で切断されていたので良くはわからないものの懸垂下降中に事故があったのかも。
潅木が生えていたり泥に刺さったようになって岩が積み重なるなど障害物が多い妙義では懸垂下降前のロープ投げ下ろしはかなりのリスクがある。
又ロープを連結で使うと回収時に結び目が引っかかって回収不能となりやすい。従ってできればロープ1本で下降したい。
無事に筆頭岩の核心部(懸垂下降)を通過し、金鶏山縦走前半最後と同じように岩壁に沿って降り、取り付き広場に戻って登山靴に履き替え、登山道をさくらの里近くの降り道路に降り立ち見晴らしの駐車場へと戻った。
妙義 金鶏山縦走2017 Ⅰ金鶏山

Photo0 筆頭岩から見た金鶏山の稜線
記録
日程:2017,04,13
メンバー:安田、Nさん、Sさん
4/13日 天候 晴れ
コースタイム:見晴し駐車場(7:00)→金鶏山取り付き(7:04) →奥の院(8:03~8:10)→見晴 (8:17~8:19)→クサリのコル(8:31) →《離山北側のルンゼ》→矢印のコル(9:03)→《スラブトラバース》→北側踏跡のコル(10:01)→松ノ木ピーク(10:27~10:39)→岩壁のコル(10:57)→《岩壁乗越し》→筆頭岩懸垂着地点(11:21)→筆頭岩の広場(11:30)
行程3.6Km 累積標高746m ルートマップは ここ です。
今まで2回ほど出かけているが完全縦走をしことが出来なかった妙義の金鶏山に出かけてきた。地図にも無いルートで指導標の類は皆無。古いテープの目印も幾つかあったが稜線上は急勾配の上り下りの連続で踏跡も殆ど無い。
今までの失敗の原因は落葉した季節であったが狭い範囲の登り降りに巻きが複雑での地図でルートファインディングが地図が出来ないような地形だったことによる。
今回は前回の記憶を頼りに完全縦走を狙ったが・・・・よく似た地形が何回も現われるので立ち止まって???の連続。どうにか今回はきっちり縦走することが出来た。
登山口から筆頭岩基部までと筆頭岩登攀以降の2編に分けて書くことにする。
見晴し駐車場に車を停め、道路を中之嶽神社方面に進み右コーナーの擁壁にある階段から取り付いた。
まだ落ち葉が堆積している泥の急斜面を登り詰めると頭部の無い石造が現われた。更に登り岩が現われだしたところで左側のルンゼから登って行くとやがて雨水に浸食された樋状のルンゼとなる。

Photo1 樋状ルンゼを登る
始めは少し濡れた樋の中を登り途中から横壁を使って高度を上げ、樋状ルンゼが終わるとカンテの登りとなった。

Photo2 草付を登り詰める
次第に泥混じりの斜面となり周囲の潅木を掴んで登りきり、勾配が緩むと石碑と錆びた鉄板の鳥居がある奥の院。少し進むと三金鶏山三角点があった。潅木の稜上を進むと展望が開けた見晴しに到着。

Photo3 見晴しにて休憩 金銅山を背景に

Photo4 星穴岳を背景にパチリ
一見先に進めない様に見える見晴しの先端から木と岩に掴まって下降。

Photo5 見晴しからコルに向って下降
少しリッジを進むと古いクサリが掛かったコルに到着。

Photo6 コルから対岸に登り返し
コルの対岸には古いロープが垂れ下がっているのでこれを目印にクラックを登り返し稜線が離山の岩壁に突き当たったところで右側(北側)のルンゼに下降。
ロープがフィックスされているが湿った泥斜面で滑りやすい。一旦ルンゼの底に降り立ち登り返して稜線に戻り離山を巻いた。
緩勾配の稜線を降って行くと広いコルに到着。コルの先は稜線通しで登れるが中央の立ち木に薄っすらと書かれている赤ペイントの矢印に従って左折して少し降り右の岩壁が低くなって乗り越えられそうなところで岩壁を乗越すとスラブが現われた。
ペイント矢印を見落としてコルを直進し登り返すと潅木に囲まれた気持の良い稜線歩きとなるがやがて絶壁になり行き止まり。
ここは丁度スラブの上の尾根で前回は無視して進んで失敗。引き返してからスラブを通過。(前々回は矢印に従って降ったが降りすぎた)
今まで2回はロープを出さずにスラブを通過したが今回は慎重にロープで確保し通過。

Photo7 ロープをフィックスしてスラブをトラバース
小尾根を乗越して急斜面を巻き上げコルに出た。
コルから北に降っている踏跡があるが途中で消えてしまう(前々回経験済み)ので稜線通りに薄い踏跡を辿って登って行くと雑木に覆われた松の木ピーク(昔は目印になる松の大木が生えていたらしい)。
松の木ピークからの降りは泥と軽石の礫の混ざったズリズリの急斜面を木に掴まって降るが登山者は自分歩きやすいところを降るので踏跡は有りそうで無さそうで・・・・・。
勾配が緩んで歩きやすい稜線歩きとなりコルに至ると今度は前方に岩壁が現れた。
松の木ピークと筆頭岩の間にある岩峰から伸びている岩壁で前回は岩壁の乗越しがわからず、コルから南に向ってルンゼの中を降ってしまった。
今回は岩壁に沿って少し降り、壁の高さが低くなったところを登ると前方に古いハーケンやフィックスされた古いロープ、ワイヤーが現われたのでルートを確信して岩壁を乗越した。

Photo8 衝立のような岩壁を乗越す
新しそうなステンレス線も張られていたが・・・・・・頼りすぎるのはちょっと怖い。岩壁の反対側を下る時にはお助けロープを出した。
岩壁を乗越して稜線に復帰すると直ぐにカニのハサミ状の岩峰が出現。前回筆頭岩の上から見たときにはピナクルに見えたのは大きな爪のほうだったようである。

Photo9 カニのハサミのような岩峰
少し進んだ筆頭岩の懸垂着地点にはクライマーの邪魔をする大きな杉の木も健在。着地点からは筆頭岩基部に沿って下降し、取り付きの広場に出た。
毛無岩(笠松コース→尾根コース周回)

Photo0 毛無岩山頂
記録
日程:2017,04,10
メンバー:安田
4/10日 天候 曇り時々晴れ
コースタイム:駐車スペース(7:00)→尾根ルート笠松ルート分岐(7:08) →尾根取り付き(7:27)→H920尾根岩上(8:03~8:15)→三又ピーク(8:34)→笠松岩壁突き当たり(9:15)→東コル分岐(9:48)→毛無岩山頂(10:10~10:38)→相沢越(11:02)→スラブのルンゼ下(11:28~11;39)→縦走路分岐(11:46)→赤松の休み場(12:27~12:37)→尾根取り付き(12:52)→尾根ルート笠松ルート分岐(13:07)→駐車スペース(13:17)
行程9.7km 累積標高660m ルートマップは ここ です。
各地で桜の開花が伝えられ始めたかと思えば寒い日もあり今年の桜は見ごろが長かった。菜種梅雨の影響もありちょっと山行が空いてしまったが漸く訪れた晴れ間を見つけて西上州の毛無岩に出かけてきた。
例によって下仁田ICで高速を降り街中を抜けて南牧川に沿って車を走らせ、以前に行った立岩の登山口方面に向い、途中の分岐を右に進んで道場集落に着いた。
集落の一番奥の駐車スペースに車を停めて山神社の裏側から沢床に降り立って道場川を横断し合流してくる沢を少し遡った毛無岩登山口から取り付いた。

Photo1 山神社の後ろから道場川に降りて伏流を渡る
取り付きまではネット情報や解説本、地図によると山神社のところから道場川に降りて赤い鉄橋、次いで木橋を渡るように書かれているがもはや木橋は跡かたもなくなっている。

Photo2 赤い鉄橋の後の木橋は崩落?
道場川を渡るには山神社下の砂防堰堤の上流を渡るほうが良い。堰堤上部は伏流となっていて流れが消えているので容易に渡ることが出来た。
道場川に合流する沢の右岸に目印テープやペイント矢印があり尾根コース登山口とわかるが指導標など文字が書かれたものは無かった。
今回は笠松コースを登り尾根コースを降るという周回ルートを計画していたので
尾根コース取り付きをやり過ごし、少し先の左岸にあった崩壊した木ハシゴの横を登って左岸沿いの道跡をたどった。

Photo3 笠松コースへ
途中沢床に降りたり合流している涸れた枝沢を越えて進むといつしか道跡も消えた。左の尾根への取り付きを探しながら進むとやがて左岸に古い石積が現われた。

Photo4 笠松コース尾根取り付き 左岸石積が目印
ここから左上に見える右岸尾根を目指して急登を登って尾根に乗り、ここからは尾根歩きとなった。
やがて岩が進路を塞ぐが右側からトラバースするように詰め上げ再び尾根に復帰。
尾根の先端になっている松の木がある岩の上で展望を楽しみつつ休憩を取り、

Photo5 尾根上のH920の岩棚で休憩 展望抜群
更に尾根を進んで高度を稼ぐ。
途中古いテープがあったが非常に少ないので岩のリッジを越えたりトラバースして巻き上げたりと登りやすそうなところを歩いて右側の大屋山からの稜線と一緒になる三又ピークに到着。ここには進路を示す矢印ペイントがあった。。

Photo6 三又ピーク
左折して歩きやすい尾根を降って登り返すと笠松の岩壁基部に出た。

Photo7 笠松の岩壁
どう考えても登れそうに無いので左折して西側の岩壁基部に沿って進むと大きな岩屋が現れた。

Photo8 岩屋
登れそうなところを探しながら木の根に掴まって崩落箇所をトラバースしたり、堆積した落ち葉を注意深く掻き分けて徐々に高度を上げてゆくと垂直が岩壁が終わり、どうにか登れそうな泥岩斜面となった。
木に掴まりながら登って尾根に出て一変して歩きやすくなった尾根を進むとP1250で黒瀧山不動寺からの道跡と合流し直ぐに尾根コースとの合流点、毛無岩の東のコルに出た。

Photo9 毛無岩東のコル分岐
前に黒瀧山不動寺から荒船山への縦走路(今では廃道)を歩いてトヤ山まで来ていので直ぐ近くに見えるトヤ山まで足を伸ばそうかとも考えたが単独行動であったので無理せず今回は計画通りとした。
コルからは尾根を直進して岩と木の根を頼りに登ったり降ったりしながら高度を稼ぎ

Photo10 泥岩のリッジを登って
狭いリッジを登り詰めると毛無岩のピークに到着。

Photo11 毛無岩山頂のピーク 左には浅間山が見える
左はすっぱり切れ落ちた岩壁、右は潅木なのですこぶる展望が良い。下仁田方面に見える鹿岳から時計回りに西上州の山は殆ど見えた。更に遠くにはまだ真っ白な八ヶ岳、白いお椀を伏せたような蓼科山。

Photo12 八ヶ岳の遠望
隣の立岩、長野群馬県境の兜岩山のローソク岩、荒船の行塚山から平らな山容の荒船山、その向こうには浅間山。更らに回ると谷急山、風穴尾根から烏帽子岩・赤岩へと続く裏妙義。星穴岳・西岳から相馬岳に至る表妙義。ちょっと離れてクジラのような金鶏山、三角形の筆頭岩も見えた。

Photo13 妙義山方面の展望
風も無く適度な気温陽光燦燦で毛無岩でしばらく展望を楽しんで尾根を直進しリッジを下降すると歩きやすい尾根道となった。

Photo14 泥岩リッジを降る
やがて道を塞ぐように現われた岩場は登らずに西側を巻き降ると古い指導標が立っている相沢越に出た。

Photo15 相沢越の分岐
相沢越で左折し毛無岩を巻いているかつての縦走路を進み小尾根を乗り越えてゆくと、かつて登山道があったことを示すように土止めが残っていた。よく見ればトヤ山に登ったときに歩いた縦走路の廃道にあったものと一緒であった。
毛無岩を巻くように進むとやがて滝が現れた。滝下のルンゼは青白い沢床で岩はボロボロ。
注意深く渡って道に復帰するとやがて左側の木立の切れ目から毛無岩直下のスラブのルンゼが現れ上部にはクライミング対象となっている岩壁が見渡せた。

Photo16 毛無岩西面の岩壁 下部はスラブのルンゼ
岩壁上部の青空の中に飛ぶ大きな鳥を見ながら休憩し、再び歩き出すと直ぐに木段が現われ尾根に登り詰めると尾根コースと縦走路の分岐に出た。目印のテープはあるもののここの指導標も崩れていた。

Photo17 縦走路分岐
分岐で右折し尾根コースを降り、途中ロープ場を経て赤松の休み場に出た。ここまで高度を下げるに従い右に見える立岩、左に見える往路で登った尾根や岩壁下を巻いた笠松などの山容の変化を枝越に楽しんだ。
赤松の休み場から尾根を離れ下降となるので下降点を見出したところで休憩。
尾根の先には公共の石標があり更に先の岩峰には岩穴らしきものが見えたのでチョト探検してみると岩峰の岩穴は貫通していた。入り込んでみたが反対側の出口から先は急斜面なので撤退。

hoto18 赤松の休み場の先の小岩峰の岩穴
赤松の休み場から尾根の小砂利の急斜面を降ったが滑りそうでなかなか手強かった。
急斜面を下り終わると道は植林の中へ入りやがて水音が聞こえだすと程なく目印のケルンが積まれた沢床に降り立った。

Photo19 尾根コースの取り付き ケルンと右岸石積が目印
降りてきた斜面(右岸)には石積も残っており、この辺りまで生活の場だったようだ。
降り立った沢床から沢を渡渉して左岸につけられた道跡をたどって高度を下げ堰堤を見送り、民家の屋根が見えてくると朝通過した尾根コースの取り付きに出た。ここからは道場川の沢床に降りたち朝と同じように堰堤上流の伏流を渡って神社裏を登り返して駐車スペースへと戻った。
今回歩いたコースは地図上では破線ルートとなっており、廃道となった縦走路の一部に残っている2、3箇所の崩れた指導標を除いて文字が書かれているものは無い。
毛無岩山頂も山名柱は朽ちていたし、名板も然り。ところどころに古い色褪せたテープがあるものの自分でルートを見出さないと歩けない。たとえば小岩峰は乗越すのか巻くのかかなり判断が要求される。明瞭な踏跡があったのは毛無岩の山頂前後の細い稜線部分だけであとは落ち葉に隠されているか踏跡の残らない岩場、ザレ、たまに出てくる泥斜面は霜柱の跡で踏跡は消されていた。