2016年12月の全記事一覧
- 12/26 竜ヶ岳と富士周辺
- 12/20 谷川岳 2016冬
- 12/13 将棊頭(しょうぎかしら)山
- 12/08 西上州 大山・天丸山・帳付山 周回
- 12/04 裏妙義 丁須ノ頭 御岳コースから周回
竜ヶ岳と富士周辺

Photo0 富士河口湖町富士ヶ嶺より見た富士山
記録
日程:2016,12,24~25
メンバー:Sさん、安田
12/24日 天候 晴れ
コースタイム:花の都公園(14:36~15:37)
12/19日 天候 晴れ 山頂はガス視界不良
コースタイム:本栖湖キャンプ場駐車場(5:09)→石仏コース竜ヶ岳登山口(5:31)→展望ベンチ(6:01~6:;11)→石仏(6:35~6:37)→竜ヶ岳山頂(7:28~7:50)→端足峠(8:28~8:33)→湖畔歩道分岐(9:13)→湖畔登山口(10:39)→本栖湖キャンプ場駐車場(10:52)
行程11.4km 累積標高840m ルートマップは ここ です。
以前から太陽の南中高度が最も低く、日の出日から日の入りまでの時間がもっとも短くなる冬至のダイヤモンド富士を見ようと思っていたが諸事情によりなかなか出かけられなかった。
今年こそはと思い冬至は過ぎてしまったがまだ殆ど冬至と変わらないので天候を見計らって富士山周辺の観察スポットからダイヤモンド富士を期待して出かけた。
24日
この時期のダイヤモンド富士の観察点は山中湖から少し北にある花の都公園周辺ということで自宅をお昼に出発、現地についてみるとまだ太陽は富士山頂の遥か上方。
太陽が沈み始めるまでの時間つぶしに周辺を散策するがその間にも人が集まりだし、土曜日ということもあって中にはバスツアーでやってくる人も。
やがて広場には三脚にセットした一眼レフカメラが並び始めた。周囲を見渡せば・・・・・バカチョンカメラを持った人などいない。いつもの愛用カメラを提げているのは私だけ?
やがて太陽が山頂に近づいてくると薄く靄が掛かり始め太陽の輪郭がぼやけてきてしまった。富士山の姿はあるものの靄のおかげで周囲は白くぼけ始め太陽が山頂に沈み始めた瞬間さえ認識できず。

Photo1 山頂が夕日で輝くダイヤモンド富士のはずが・・・
やがて沈んだのかどうかさえ解らないまま時間が経過し、集まった人たちがぞろぞろ立ち去り始め本日の天体ショーは終了。
その後富士山頂からの日の出を観察すべく、これまたスポットの一つ西側の竜ヶ岳登山口を目指して本栖湖に移動した。
本日の成果といえば待ち時間に刻々と変わる太陽の位置変化を観察して日頃気にしなかった位置移動の速さを再認識したことぐらいか。
黄昏時の本栖湖キャンプ場駐車場には着くと既に車が数台。早々とテントを張り宴会を始めているグループもいた。周囲の迷惑を顧みない話声と聞こえてくるフォークソングからおよその年齢は察しがつきますが・・・・どうしたものですかね。
25日
早朝目を覚ましてテントの外に出てみるとヘッドライトの明かりの中に時折白いものが。食事を済ませてテントを撤収する頃にはなくなっていたので計画通りに竜ヶ岳目指して出発。
一晩のうちに駐車場には車が増え、登山口目指して歩いてゆくと時折先行する登山者の明かりを見かけた。

Photo2 竜ヶ岳石仏コース登山口
指導標に従い真っ暗な中を追い越されたり追い越したりしながら登山道を登って行くとやみの中に人の集団、ベンチのある休憩店に到着。
そろそろ平地では日の出前の薄明、休憩しているとわずかに大室山の左上の雲がオレンジ色に染まり始めた。
ここから一登りで石仏と東屋のある見晴台に到着。薄っすらと富士山の裾野の輪郭がつかめるようになってきたが富士山頂は雲の中で日の出を見るのはかなり期待薄の状況になってきた。

Photo3 石仏・東屋のある展望箇所
東屋を過ぎると樹木は無くなり笹原の中に伸びる緩傾斜の登山道のどこからでも日の出を見ることが出来るようになった。
この辺りで日の出は諦め、山歩きに気持ちを切り替え登って行くと既に下山してくる人も。竜ヶ岳山頂は広場になっておりかなりの登山者が集まっているが昨日と違いカメラをセットし待ち受けているカメラマンの姿は無かった。

Photo4 竜ヶ岳山頂
聞けば天候に恵まれたときには山頂のみならず登山道にまでカメラの砲列が出来るとのこと。
更に悪化した天候で雲が南から北に流れてゆくのが解るが雲の下の麓の視界は開け、富士宮からさらにオレンジ色の駿河湾、伊豆半島の海岸線まで見えるようになってきた。

Photo5 山頂からの富士宮・駿河湾の展望
天候がよければ南アルプスの展望が良さそうであるがこれまたダメということでしばらく休憩してから端足(はした)峠目指して降るが登ってきた登山道と違い意外に急な坂道。漸く勾配が緩んで尾根を進むと端足峠に着いた。

Photo6 端足(はした)峠
ここからは本栖湖を目指して降り、本栖湖周回道路手前の分岐から湖畔を巡る歩道に入るが朽ち果てて横たわる大木、堆積した落ち葉、落ち葉に隠れた落石が転がり歩きにくい。廃道寸前といったところか。
周回道路に沿って多少のアップダウンを繰り返しながら道路に降り立ってしまいたくなる気持ちを抑えて進むとやがて竜ヶ岳に向う湖畔登山口に出て徐々に高度を落とし始めスポーツセンターの横を通り抜けて駐車場へと戻った。
目指した竜ヶ岳からの日の出は見ることができず残念であったが山頂でのテント泊で夜景見物も出来ることがわかったので下見と思えば次回リベンジに繋がる成果があった。
下山後次第に天候が回復し富士山を巻くように雲の列が流れていたので、天気予報どおり早朝も富士山頂は晴れていたと思われる。
帰路は富士山撮影スポットの一つ、かつても上九一色村現在の富士ヶ嶺に立ち寄り富士山を見上げ、さらに大室山西展望台に立ち寄り竜ヶ岳と本栖湖の展望を楽しんだ。

Photo7 大室山西展望台からの竜ヶ岳
冠雪した南アルプスが良く見えたが竜ヶ岳より標高の高い雨ヶ岳・毛無山山頂は雲の中。

Photo8 本栖湖と冠雪で輝く南アルプス
時折雲が切れると樹木に着いた白く輝く霧氷が見られた。北の方に目を転じれば御坂山塊の山の上部も霧氷で白くなっていたので1500mを越えるあたりから雲に覆われていたのであろう。
天気予報では両日ともに登山には良好であったが、日の入り日の出を見るためには山頂、麓の天気は好くても視界を妨げる富士山を取り巻く天候(雲)の様子を考えなければならない。
高層天気図とにらめっこして風と湿度の様子から天候を見定めないと一発狙いは上手く行かないことを学んだ山行きであった。
谷川岳 2016冬

Photo0 帰路の水上諏訪峡大橋からの俎嵓・オジカ沢ノ頭・谷川岳
記録
日程:2016,12,18~19
メンバー:Sさん、安田
12/18日 天候 晴れ
コースタイム:天神平駅(12:06)→熊穴沢避難小屋(13:05~13:15)→天狗の溜まり場(14:00~14:09)→天狗のザンゲ岩(14:40~14:48) →肩ノ小屋(15:03~115:11)→トマノ耳(15:20)→肩ノ小屋(15:29)
12/19日 天候 晴れ 山頂はガス視界不良
コースタイム:肩ノ小屋(8:01)→天狗のザンゲ岩(8:26~8:28)→天狗の溜まり場(8:45~8:52)→熊穴沢避難小屋(9:17~9:30)→巻き道分岐(10:00)→天神平小ピーク(10:10~10:15)→天神平駅(10:37)
行程7.4km 累積標高1280m
ルートマップは ここ です。
今回は短時間で登ることが出来あわよくば日の入りと日の出を楽しもうと思い冬期開放されている谷川岳肩ノ小屋泊を計画し、上空に大きな高気圧がやってくるので寒さはともかく天候が安定するのを狙って今シーズン2回目の雪山へ出かけた。
18日
高速を水上ICで下りて土合を目指すが周囲の山には雪が少なくまるで残雪期のように木立の根元は雪が解けていて、水上の町を過ぎても景色は変わらず。駐車場のある谷川岳ベースプラザも既に天神平のスキー場はオープンしているが休日にしては車も疎らであった。
雪山装備に着替えて土合口駅からロープウエーで天神平駅まで一気に上がり、駅前でアイゼンを着けて歩きだした。

Photo1 天神平から見た谷川岳
シーズン初めの雪山訓練のメッカとあってスキー場横の斜面はかなりのパーティが訓練中・・・・未だ雪が締まっていないので滑落停止練習をしようにも滑る前に停まってしまい練習には不向きと思うのだが?
前日あるいは今日の午前中に谷川岳を目指す人たちが歩いて踏み固められた巻き道コースを進み、尾根コースとの合流点付近までやってくると、雪上訓練をしている人たちのテントが数張り。

Photo2 雪上訓練の人たちのテント場
既に正午を過ぎているので中には撤収しているパーティもいた。
快適な雪道を進んで熊穴沢避難小屋まで来ると、かなりの人数が休憩中。
これから向う谷川岳への天神尾根の稜線には登山者が続々と降ってくるのが遠望できた。
いつまで待っても下山者の列が途切れそうに無いので出発するが、狭いトレースですれ違うたびに横に逸れると雪の中にスッポリ、やがて慣れてくると先行者がつけた踏固められたすれ違い場所を目指して一気に登ってすれ違いに備えた。
熊穴沢避難小屋からはいままでの道と違い、勾配が増すが尾根の稜線を登るのですばらしい景色が広がる。

Photo3 俎嵓(マナイタグラ)山稜と中ゴウ尾根
雪稜の中に黒々とした”天狗の溜まり場”、”天狗ザンゲ岩”で休憩を取り一登りすると肩ノ小屋や特徴ある指導標が見え出した。
この頃になるとガスが湧き始めてきたので肩ノ小屋にザックをおろし空身でトマノ耳を目指すが数分の間にガスが濃くなり、

Photo4 トマノ耳山頂
トマノ耳のピークに立ったときには既にオキノ耳は見えなくなってしまった。

Photo5 オキノ耳
肩ノ小屋へ引き返すと既に先行者が2名、都合4人で肩ノ小屋での山談義で一夜を過ごした。

Photo6 ガスの中に肩ノ小屋がかろうじて見える
19日
同宿者の音で目覚めて外を見るが強風とガスで視界は限りなくゼロ。外に出ても風を避ければ寒さは殆ど感じないので気温はおそらく-10℃まではさがっていない。しかし風速15~20mくらいの風で体感は寒かった。
今日は下山だけなのでロープウエーが動き出す時間までに降ればよいと思っていたが朝食を摂りノンビリしていても視界は改善されず。

Photo7 肩ノ小屋出入り口と小屋前の鐘
装備をつけて何度か小屋の外に出てみるが風も依然として強く前日のトレースは全く消されてしまっていた。
小屋の外にテント泊をしていたパーティが出発したのでそれを追って8時に小屋を出たが先行パーティのトレースも風で直ぐに消されてしまい、GPS頼りで下山開始。
ガスでホワイトアウトし方向感覚が無い山頂直下の開けた緩斜面で西黒尾根へ乗り間違わないように注意深く方向を定め天神尾根方向へ進み、左側の西黒谷へ落ち込む断崖を避けるように右寄りに下降すると一瞬ガスが動き”天狗のザンゲ岩”「の黒い影が見え出し一安心。

Photo8 ホワイトアウトの中で“天狗のザンゲ岩”が見えてきた
天狗のザンゲ岩を右から巻いて尾根を外さないように降るとだんだんガスが薄くなり”天狗の溜まり場”の岩影が現れどうにか難所を通過。

Photo9 尾根の下のほうに“天狗の溜まり場”の黒い岩影が見えてきた
天狗の溜まり場まで来るとさらにガスは薄れ風も弱まったので一休みしていると次第に天神尾根の全容が見下ろせるようになってきた。
ここからか左に西黒尾根、右にオジカ沢の頭へと登る谷川主稜線の展望を楽しみながら熊穴沢避難小屋まで下って一休み。
昨晩同宿したベテランの山写真家さんの話によると
谷川岳がいくら深い雪に覆われても”天狗のザンゲ岩”と”天狗の溜り場”の岩は雪の上に黒い姿を現しているとのこと。
ホワイトアウトしたときには動かず、一瞬のガスの切れ間を待って岩を見つければ無事下山できる。
天狗の溜まり場まで降りれば尾根を外すことは無い。まさしくその通りであった。
ホワイトアウトでの西黒尾根への乗り間違い、左寄りでの斜面下降による西黒谷への転滑落事故がかなりあるらしい。
熊穴沢避難小屋から降ってくると始めて登ってくる登山者と遭遇。降るにつれすれ違う人が多くなってきたがやはり月曜日で昨日の比べかなり少ない。
中にはザックに旗竿を装備したパーティもいて山頂の様子を聞かれ、振り返って見上げる山頂は未だ雲の中にあった。
途中分岐から巻き道を避け尾根の稜線を登り返しスキー場の上にピークで小休止し
、

Photo10 天神尾根の小ピークから天神平を見下ろす
スキー場の境界ロープに沿って降り天神平駅へと戻った。
天神平駅から見上げても小屋を出た頃に比べれば薄くなったとは言え依然山頂には雲が懸かりさらに谷川岳の向こう側では雲が猛スピードで流れていた。
快適な雪山歩きと日の入り日の出の景色を期待していたが残念。
天候に恵まれれば1日で十分絶景を楽しめる谷川岳であるがわざわざ重いザックを担いでの山頂泊のおかげで天候が急変しやすい”魔の山”谷川岳の片鱗を体験することが出来た。貴重な山体験が出来有意義な山行であった。
出かける前の天気予報では当日翌日は高気圧が上空をスッポリ覆って好天となるはずであったが下山してみれば高気圧が2つに分かれて天候が悪化したことがわかった。出発前にひょっとしたらとは思っていたが・・・・
目玉低気圧による天候悪化は多くの山岳事故の原因になっているので有名であるが、高気圧の分裂による天候悪化も然り。実体験を通してよい勉強をした。
将棊頭(しょうぎかしら)山

Photo0 分水嶺からの将棊頭山
記録
日程:2016,12,11~12
メンバー:Sさん、安田
12/11日 天候 晴れ
コースタイム:桂小場冬期ゲート(10:19)→桂小場登山口(11:02)→ブドウの泉(11:35) →H1565(12:01~12:14)→野田場(12:56~13:06)→馬返し(13:41)→大樽避難小屋(14:26)
12/12日 天候 晴れ
コースタイム:大樽避難小屋(5:42)→六合目(6:32~6:44)→幕営跡(9:18~9:34)→行者岩分岐(8:09)→分水嶺(8:11~8:13)→将棊頭山(8:54~9:15)→分水嶺(9:36~9:51)→行者岩分岐(9:59)→行者岩(10:55~11:15)→行者岩分岐(11:45)→六合目(12:19~12:31)→大樽避難小屋(12:58~13:41)→馬返し(14:04)→野田場(14:28~14:37)→ブドウの泉(15:20~15:24)→桂小場登山口(15:39)→桂小場冬期ゲート(16:14)
行程21.8km 累積標高2672m ルートマップは ここ です。
上空に高気圧が張り出しこの冬一番の寒気がやってくるという天気予報で今シーズン初めての雪山に出かけた。
日本海側から東北北海道にかけては雪マークとなっているが中、南アルプス方面は晴れなので先日の雪が残っていて車でのアプローチが楽な木曽駒ケ岳の隣の将棊頭山を目指した。
11日
高速を伊那ICで下りて25分で桂小場の手前の冬期ゲートに到着。日曜日なので殆どの人はロープウェーで木曽駒ケ岳に登るので桂小場からの古のコースは比較的マイナーなコースかと思っていたがゲート前には既に5台ほど停まっていた。

Photo1 桂小場冬期ゲート
ゲートから時たま雪が出てくる舗装路を進み、登山口の桂小場からは雪道歩きとなるが陽射しのあるところは雪はすっかり消えてときには落ち葉の上を踏むようになった。

Photo2 桂小場登山口
年中涸れることが無い”ブドウの泉”で喉を潤し、”ちりめん坂”を登るが次の野田場で水が涸れていたり幕営予定地で雪が少なく水が得られないときのことを考えて、
下から一泊分の水を担ぎ上げたので冬装備と相まって久々の重量を背負った歩きは体にこたえた。
野田場についてみれば水がコンコンと湧き出していたが・・・・、

Photo3 野田場 ベンチあり
ここでも休憩を取りゆっくり歩きで高度を上げてゆくと徐々に雪が増え横山分岐以降は完全な雪上歩きとなったがまだ勾配が然程でも無く馬返し、

Photo4 馬返し
白川分岐を過ぎ宿泊予定の大樽避難小屋までアイゼンは着けなかった。

Photo5 大樽避難小屋
小屋で宿泊準備中に立ち寄った下山者を含め、ゲートにあった車の台数と同数のパーティが下山していった。
聞けば今日は風が強く殆どの人が将棊頭山までで西駒山荘の冬期小屋に泊まった若者パーティのみ駒ケ岳まで行って降ってきたとのことだった。
若者パーティは旗竿・スノーバーを装備した本格的な冬山対応をしていたが他のパーティはザックも小さく日帰りピストンとのことであった。
12日
これから差し掛かる胸突き八丁に備えアイゼンを着けて未明のうちに大樽避難小屋を出発。
今シーズン初めてのアイゼンと昨日のザックの重量での疲労が重なりなかなか足があがらずあえぎながらどうにかこうにか高度を稼ぐうちの日の出を迎え樹林を通して日光がさし始めた。

Photo6 日が出て樹林越に日光が射し込む
六合目のベンチで休憩し、さらに登った幕営跡で一休みしながら登って行くと視界が開けるのと同時に勾配も緩んで足が前に出るようになり行者岩分岐に到着。行者岩方面には全くトレースが無い。
分岐から少し行くと分水嶺の稜線に出て目の前に木曽駒ヶ岳、右に御嶽山の展望が広がった。

Photo7 分水嶺
ここからは雪が風で飛ばされた露岩とクラストした雪上の歩きとなった。時折強い風が吹き、
風を避けることができる西駒山荘への巻き道(夏道)は既に小さな雪庇が発達中、
その下の斜面も雪で覆われて登山道は不明。

Photo8 眼下に西駒山荘
指導標の冬道表示に従い尾根上の小岩峰越えながら登り詰めると将棊頭山山頂に立った。

Photo9 将棊頭(しょうぎかしら)山山頂 後ろに見えるのは御嶽山
ケルンを風避けにして休憩し展望を楽しんで分水嶺まで引き返してさらにエネルギー補給。
将棊頭山山頂からは浅間山や八ヶ岳が遠望できたが蓼科山は露岩部分のみ白。

Photo10 八ヶ岳
北アルプス上部はさすがに完全に冠雪して白く輝いているが、いつもはその姿から存在感を示している槍ヶ岳が穂高の直ぐ右に探してやっとわかるほどなのには驚いた。

Photo11 目の前には大迫力で木曽駒ヶ岳
分水嶺から少し降って行者岩分岐まで戻りトレースの全く無い道を行者岩へ向った。

Photo12 左側山頂の岩峰が行者岩 右側雪面が広がる胸突き八丁ノ頭
目印リボンに従って樹林の中を進むと膝深さのラッセルになったが直ぐに気象観測機器の設置された胸突き八丁ノ頭へ出ると雪も浅くなり快適に進だのもつかの間、
再び樹林帯に突入すると雪が深くなり小ピークを巻くときには吹き溜まりもあり腰までのラッセルとなった。コルからの登り返しでは雪で押し倒された松の枝に掴まりながらどうにか体を引き上げて行者岩基部の露岩帯まで悪戦苦闘。
行者岩に着いたところで所要時間を見ると小一時間かかってしまった。

Photo13 行者岩
行者岩のさらに先にある茶臼山までの夏道コースタイムが40分であるから倍以上の時間を要したことになり、
当初目指した茶臼山はシーズン初の思わぬラッセルに意気消沈して断念、行者岩から引き返した。

Photo14 行者岩から見た将棊頭山
往路での目印を探しながらのラッセルと帰路のトレースを追うだけの楽チン歩行の差をしっかり体験、忘れていた記憶を体が思い出してくれました。
行者岩分岐からはしっかりトレースのついた登山道を大樽避難小屋まで戻りデポしておいた装備を回収して登山口へと下山した。
普段の雪山なら水は雪を溶かしての現地調達であるがシーズン初めで雪が少なく水が取れないことを考えての担ぎ上げ。
さらには登山道の雪が十分で無く小木の切り株や根へのアイゼンひっかけ等への注意等この季節ならではの体験をして漸く雪山行動の忘れていたことを思い出した。
いよいよ雪山シーズン突入といったところか。
西上州 大山・天丸山・帳付山 周回

Photo0 左から大山・倉門山・天丸山・P3
記録
日程:2016,12,07
メンバー:安田
12/07日 天候 快晴
コースタイム:天丸橋駐車場(8:00)→鉄ハシゴ(8:30)→大山(9:18~9:34)→天丸橋下降点(9:45)→倉門山(9:52)→天丸山分岐(10:00)→天丸山(10:15~10:28)→天丸山分岐(10:44)→馬道ノコル(10:53)→石標四八五(11:05)→露岩(11:25~11:37)→帳付山(12:07~12:27)→石標四八五(13:20)→馬道ノコル(13:32)→標識大木(13:54)→社壇乗越(14:33)→天丸橋駐車場(14:58) 行程12.5km 累積標高1040m
ルートマップは ここ です。
いよいよ冬型の気圧配置になって来たようで今日も関東地方は晴天予想。昨晩強風が吹いて前線の通過が確認できたので早起きして、またもや西上州へと出かけた。
正丸峠、志賀坂峠を越えて上野村に入り突当りを左折、しばらく走って野栗沢方面への道路案内板に従って左折し、野栗沢集落で奥名郷方面に右折して登って行くとやがて林道分岐のある天丸橋に到着。
駐車場に車を止め正面の登山口から沢沿いに歩き出すがこのときの気温-3℃。何度かの渡渉があるが水は少なく飛び石もしっかりしており問題ない。沢を詰めてゆくとやがて二又となり目印テープに従って左又を進み地図にあったハシゴを登ると登山道は沢筋を離れて日だし斜面の登りとなった。

Photo1 指導標が無い登山道での唯一の目印“ハシゴ“
前方に稜線が見え出すと天丸橋への下降点に至る道と大山への道の分岐へ出た。大山方面へ進み尾根に出た所で左折し岩登りでピークを一つ越え、一旦降って登り返すと大山山頂に着いた。

Photo2 大山山頂
山頂は潅木に囲まれているが西方には帳付山 県境の山並みの向こうには冠雪した南八ヶ岳が見えた。

Photo3 左に大きく見えるのが帳付山 中央奥が南八ヶ岳
大山山頂から引き返し先ほど登ってきた尾根到着点を通りすぎ尾根上を進むと天丸橋下降点に出たが目印テープはあるものの指導標の類は無かった。急登を一登りして展望の無い倉門山山頂を通過し下降ると天丸山分岐に出た。

Photo4 天丸山分岐
ここで右折し小ピークを越えて尾根を降って行くと枝越しに天丸山の岩峰が近づいてきた。
突き当たった岩壁の基部を左に回りこんで岩溝の中にさがったロープを頼りに登って

Photo5 天丸山の岩場
稜線の樹林から抜け出すと一気に展望が広がりさらに何本かのロープを経て天丸山山頂に出た。

Photo6 天丸山山頂
天丸山から引き返し分岐に戻ったところで右折し降って行くと馬道ノコル。
コルから再び登り返して尾根上の歩きやすい登山道を進み何度か小ピークを巻いて帳付山を目指すと正面に岩が現れこれを登ると高原地図にある上面が赤くぬられた四八五の石標が現れた。

Photo7 安定した少ない目印の一つ 石標四八五
石標から小岩峰が現れ始め、登り降りを繰り返しながら進むが小岩峰を巻いているもの、ピークを踏むものなどコースを示す雑多な色の目印テープが現れ始めた。
巻き道を進むと踏跡が消えてしまったり、岩の基部の落ち葉の堆積した急斜面をトラバースするものなどがあり、往路帰路実で違うテープに従って歩いてみたが基本的には小岩峰を越えて尾根を忠実に辿るルートが一番歩きやすかった。
帳付山までの途中に展望が開けた露岩の小ピークが2箇所あり、陽射しを受けての休憩地には最適。2番目の露岩ピークで休憩すると直ぐにロープの掛かった岩場が現れ

Photo8 岩場をロープに掴まって通過
これを降ってさらに急登を登ってゆくと尾根はだんだん狭くなり、やがて北面が切れ下りた稜線を木に掴まりながら登って行くと帳付山山頂に出た。

Photo9 帳付山山頂
ここは周囲が樹林で展望が展望、陽射しともに無かったので山頂から更に進み尾根西端まで行くと先がスッパリ切れ落ちた路岩に出た。

Photo10 尾根西端
西方を展望しながら一頻り山座同定をしてみたが、ここからの展望では西上州特有の岩峰や山容が無くいつもの景色と違い???と悩むばかり。

Photo11 天丸山北尾根と天丸山 中央のピラミダスな山は大山
帳付山からは往路を馬道ノコルまで戻り、

Photo12 馬道ノコル 左上方へと降る
今度は左折して尾根から離れ社壇乗越への登山道へ進路をとった。天丸山の北尾根の斜面をトラバースしながら進み、

Photo13 西日を受け暖かい社壇乗越へ向かう登山道
途中大木に打ち打ち付けられた古い標識が一箇所あったのみだったが明瞭な登山道を降るとやがて切通しで林道横断がしている社壇乗越に着いた。
ここからは舗装された林道を降り、時折見える周辺の山々の山容を楽しみながた出発点の天丸橋に戻った。
車に戻ったときは日陰のためでもあろうが気温は1℃。風が無かったので寒くは無かったがやはり平日のためか本日は登山者に出会うことは無かった。
裏妙義 丁須ノ頭 御岳コースから周回

Photo0 丁須ノ頭
記録
日程:2016,12,03
メンバー:安田
12/03日 天候 快晴 無風
コースタイム:麻苧の吊り橋駐車場(7:31)→御岳コース登山口(7:35)→麻苧ノ滝(7:42)→鼻曲り:ザンゲ岩(8:11~9:19)→産泰山(8:45)→御岳(9:32~9:52)→籠沢ノコル(10:37)→丁須ノ頭(10:49~11:28) →鍵沢ノコル(11:32)→第二不動ノ滝(12:22~12:33)→西大星:北稜石碑(13:04) →鍵沢登山口(13:23)→麻苧の吊り橋駐車場(13:29) 行程7.8km 累積標高1040m
ルートマップは ここ です。
天気予報によると高気圧に覆われ南から入った暖かい空気が居座っているのでこの季節にしては絶好の山日和と思い丁須ノ頭からの展望を楽しもうと出かけた。
丁須ノ頭へは何度か出かけているが横川からは初めてだったので久々碓井峠越えの旧道に入り霧積川を渡ったところで左折し恐る恐る細い坂道を下ってゆくと立派なトイレつき駐車場があり一安心。駐車場には先行者が2人準備中で聞けば同じルートを歩くとのこと。
駐車場から間近に見える麻苧の吊り橋を渡って左折し”御岳コース”の登山口から登りだす。直ぐにわき道にそれ銭洗弁財天に立ち寄って登山道に復帰。
次々に七福神が現れ、チョックストーンを潜って登って行くと

Photo1 登山道にあるチョックストーン
麻苧ノ滝。

Photo2 麻苧ノ滝
これを下から眺めて鍵沢を渡ると急登が始まりクサリ場登場。

Photo3 最初のクサリ場 ここから連続して現れる
落ち葉の堆積と浸出しで濡れた岩を登って行くとやがて岩屋が現れ堆積した落ち葉と泥の急登を登り詰めて尾根に出たかと思うとすぐに先が切れ落ちて麓の横川の街並みと鉄道文化むらが鳥瞰できる鼻曲り(ザンゲ岩)に到着。

Photo4 横川の家並みと鉄道文化むら
落葉した樹間に伸びる尾根道に先行者の姿が見えたのでザンゲ岩の上で暫し休憩を取り展望を楽しんだ。
ザンゲ岩から産泰山への尾根道は踏跡も濃く快適にアップダウンを繰り返しながら徐々に高度を上げてゆくが左手には西大星の岩峰、冠雪した浅間山、それに山急山の岩陰が見えるが葉が茂った季節では展望が無くただ黙々と進むことになりそう。
ところどころで落ち葉の堆積には悩まされるもののやはり落葉し、まだ足元が凍結しない今頃が妙義のベストシーズンであろう。

Photo5 産泰山の石碑
産泰大神の石碑の建つ産泰山を過ぎると道の正面に行く手を阻むように大岩が現れた。黄色いペイントの支持に従い左折しルンゼに降り登り返すが濡れた岩と落ち葉と泥に苦闘。

Photo6 このルンゼを登る
やがて岩壁に沿ってクサリ場を左上すると岩屋が現れ中を覗くと焚き火の跡があった。

Photo7 岩屋の中には焚き火の跡が
岩場を過ぎると再び穏やかな尾根歩きとなり石祠の建つ小ピークを越えると探訪が広がる御岳山頂に着いた。

Photo8 御岳山頂
先行者も休憩中で暫し山談義の後先行者を見送り、無風で陽射しポカポカの中で一時を過ごし出発。

Photo9 表妙義のシルエット
御岳山頂で漸く丁須ノ頭が見え出したがそこへいたる稜線上には幾つかピークがあり、

Photo10 御殿と丁須ノ頭 右がこれから越える無名峰
見た限りでは樹林に覆われているが歩いてゆくと次々に岩の小ピークが現れ

Photo11 尾根に立ちはだかる岩峰
登っては先に伸びる踏跡を確認しながらの降りを繰り返し進むが、

Photo12 こんなキレットも
樹林越しに見える左側の御殿や右側の西大星の姿の変化で高度を稼いでいるのを知るのみ。

Photo13 西大星の向こうには浅間山 西大星の右は山急山の五輪岩
やがて丁須ノ頭の岩壁が間近に迫り、丁字の岩が見えなくなると、国民宿舎からの籠沢コースとの合流点の籠沢ノコルに出た。
籠沢ノコルからは丁須ノ頭の北側をトラバースしクサリ場を登れば下山予定の鍵沢ノコル。毎回ながら丁字の岩基部のテラスまで登り大休止。

Photo14 裏妙義の稜線に並ぶ岩峰 烏帽子岩・赤岩
土曜日で無風ポカポカの好天候にもかかわらず丁須の頭荷登ってきたのは休憩中に先行者を含め3パーティ10 人ほどであろうか。紅葉の季節はかなりの登山者だったとのこと。
木の枝に邪魔されずに展望を楽しんで鍵沢コースを下山。コルからはクサリの連続となるがクサリとクサリの間が落ち葉と濡れた岩で滑りやすく、

Photo15 鍵沢のルンゼ
道も隠れていてかなり神経を使った。
少し降ると染み出しの凍結もあり、

Photo16 途中には凍結した浸出しも
慎重に進んだので地図のコースタイムと同程度の時間が掛かってしまった。横から見ていた西大星を見上げるようになるとやがて第二不動の滝に到着。

Photo17 第二不動ノ滝
ここまで登山道は鍵沢の右岸を降ってきたが滝を降り立ったところで左岸に移り、ここからは古い石積の跡や古道の痕跡があらわれるようになった。
緩やかにトラバースしながら降ってやがて左上に大山祇神の石碑の建つ西大星北稜の末端を回りこむと

Photo18 大山祇神の石碑
急坂が始まり滑りやすい泥斜面をロープ・アルミハシゴ・クサリで降ると鍵沢コース登山口に出た。

P hoto19 泥急登に設けられたアルミハシゴ
碓井川の対岸に見える駐車場を目指して麻苧の吊り橋を渡るか逡巡したが見た目の近さに惑わされ入川を渡ってしまった。しかし碓井川は渡渉できず、橋を渡って土手に下り、土手伝いに駐車場へと戻った。
当初の見込み通り天候は最高、大満足の山歩きであった。御岳コース鍵沢コースともにウオーミングアップするまもなく登山口から直ぐに急登が始まりなかなかの好ルートであった。下山に使った鍵沢コースは各所に案内はあるものの、落ち葉の堆積で道を間違いやすい。とはいっても沢沿いなのでルートを失っても直ぐ気付き復帰は楽である。暗くなるとかなり難しいかも知れないが。
おまけ
第二不動ノ滝と地図上にあるもののそれなら第一不動ノ滝はということで探してみると麻苧ノ滝を不動滝というらしい。なるほど鍵沢に掛かる滝だから下流から番号がついている訳か。納得
ちなみに麻苧とは”アサオ“と読みます。