2016年10月の全記事一覧
- 10/31 御荷鉾山三山(東・西御荷鉾山 オドケ山)周回
- 10/23 尾瀬 物見山・鬼怒沼山・黒岩山 周回
- 10/18 丹後山・兎岳・中ノ岳 周回
- 10/14 稲子岳南壁 左カンテ (八ヶ岳)
- 10/12 黒滝山 九十九谷周回
- 10/11 西上州 トヤ山
- 10/04 涸沢 (北アルプス)
御荷鉾山三山(東・西御荷鉾山 オドケ山)周回

Photo0 西御荷鉾山からの二子山と股峠 遠くに八ヶ岳横岳
記録
日程:2016,10,30
メンバー: Sさん、安田
10/30日 天候 曇り
コースタイム:中央登山口(9:24)→西御荷鉾山(9:47~10:00)→西登山口(10:26)→オドケ山(11:04~11:24)→オドケ山登山口(11:38)→秋葉峠(11:50)→桐ノ城山(12:12~12:27)→中央登山口(13:09)→投石峠(13:27~13:39)→東御荷鉾山(14:19~14:44)→石神峠(15:15)→投石峠(16:00~16:07)→中央登山口(16:27) 行程16.7km 累積標高1138m
ルートマップは ここ です。
西上州は木々が落葉するとシーズンイン。落葉前の今頃紅葉がどの程度進んでいるかちょっと確認に出かけた。妙義とか西上州の奥のほうは出かけたことがあるが今回はあっさりハイキングをしようと目指したのは古くから秀峰と呼ばれる御荷鉾山三山を巡り。
車のナビに従うと当初頭の中に描いていたルートとは異なり花園ICで高速を降りることに。ここから一般道を走って鬼石を過ぎるとやがて下久保ダムの堰堤が見え出し、交通量が少なく緩い勾配の快適な道を登って神流湖を左に見ながら進み、湖面が見えなくなると程なく万場に着いた。ここで右折し県道71を登って高度を上げてゆくと御荷鉾スーパー林道に合流。道なりに進むと西御荷鉾山中央(南)登山口のある大きな駐車場に到着。

Photo1 西御荷鉾山中央(南)登山口のある大きな駐車場
ここを起点に御荷鉾三山を周回した。
西御荷鉾山中央登山口から最初に西御荷鉾山を目指し出発。所どころ雑草の茂った廃林道らしきものが現れるが明瞭な踏跡を辿ってゆくと尾根に出た。ここで右折し登って行くとすぐに不動明王が祀られた西御荷鉾山。

Photo2 不動明王のたつ西御荷鉾山山頂
見晴らしは得られるものの上空の雲で秩父方面がどうにか確認できる程度の視界。よく見れば小鹿野の二子山とその間の股峠は認識できた。その上には両神山もかすかに。ここでこの先どこへ進むか検討に次は西にあるオドケ山を目指すことにした。
来た道を戻り、先ほど右折した尾根道を今度は直進し西御荷鉾山西登山口に出た。ここから御荷鉾スーパー林道を西進し秋葉峠のところから指道標にしたがって林道に平行した登山道を進むと

Photo3 樹間に見え隠れするオドケ山
オドケ山登山口からの登山道と合流しオドケ山山頂を目指した。途中右手に東・西荷鉾山の姿が樹間に見え隠れしたが色好き始めたもみじに気をとられて写真を撮り忘れた。オドケ山山頂には石の祠があるものの樹林に覆われ展望は得られなかった。

Photo4 オドケ山山頂
山頂から更に先へ進む道もあるようであったが踏まれている様子が無いので引き返し先ほどの合流点を通過し御荷鉾スーパー林道の駐車スペースがあるオドケ山登山口へと降った。
オドケ山登山口からは御荷鉾スーパー林道を秋葉峠目指してまで戻り、峠直前で目印テープと踏跡を発見したので右折しバリエーションに突入し濡れた泥斜面をトラバーして行くと前方の尾根に赤い鳥居を発見。

Photo5 バリエーションルートから抜け出したら鳥居が
左手からの登山道に合流し、アップダウンしながら尾根を進んだ先のピークを登りきると桐ノ城山山頂へ出た。

Photo6 桐ノ城山山頂
桐ノ城山から来た道を戻り、鳥居を過ぎたところで右に進路をとり歩きやすい道を進むと車で登ってきた道の中にあった桐ノ城山登山口に出た。
桐ノ城山登山口からは県道71を歩いて車を駐車した中央登山口を通り越し、更に御荷鉾スーパー林道を東に進んで東・西御荷鉾山を分ける投石峠で休憩。

Photo7 投石峠
投石峠から更に東へ少し進んだところにある東御荷鉾山西登山口から東御荷鉾山ヲ縦走する登山道に入った。登り始めは急登であるが尾根に上がったところで勾配は緩みやがて登山道は釜伏山(P1184)を巻き、やがて東御荷鉾山続く尾根へと出た。
尾根道を登って行くと前方に大きな石像の背面が見え出し、石像を回り込んだところが東御荷鉾山山頂。

Photo8 東に向いて不動明王がたつ東御荷鉾山山頂
南方面は樹木が伐採され見通しが良いが相変わらずの雲で埼玉群馬県境の父不見山辺りまでしか見えず。西のほうでは時折雲が切れ八ヶ岳の赤岳と横岳のシルエットが現れることもあった。東御荷鉾山山頂からは更に東へと続く尾根を進み東登山口のある石神峠へと降った。
石神峠からは御荷鉾スーパー林道を戻り投石峠を経て途中西御荷鉾山山腹にある"大の字”をしたから眺め、

Photo9 西御荷鉾山斜面の草が刈り取られた"大ノ字“
車が停めてある西御荷鉾山中央登山口へと戻った。
御荷鉾三山は大雑把に見ると御荷鉾スーパー林道より標高が高いところは広葉樹林、低いところは針葉樹の植林帯となっているが紅葉が楽しめる広葉樹林は漸く色付き始めたばかり。かえでの葉はオレンジ色、カラマツも色付いてはいたが未だ落葉せずといったところですっかり落葉し、バリエーションを歩くために見通しが利くようになるにはもう少し時間がかかりそうであった。
尾瀬 物見山・鬼怒沼山・黒岩山 周回

Photo0 三平下湿原からの尾瀬沼と燧ケ岳
記録
日程:2016,10,21~22
メンバー: Sさん、安田
10/21日 天候 晴れ
コースタイム:大清水(7:06)→湯沢出合(8:06)→H1615(8:56~9:11)→物見山(10:39~10:58)→鬼怒沼分岐(11:19)→鬼怒沼山分岐(11:49~11:52)→鬼怒沼山(11:59~12:03)→鬼怒沼山分岐(12:09~12:19)→小松湿原(13:44~14:23)→黒岩山分岐(15:06~15:16)→黒岩山(15:39~15:48)→黒岩山分岐(16:11)
10/22日 天候 曇り
コースタイム:黒岩山分岐(6:00)→H1975(6:59~7:13)→赤安山→赤安清水(8:02~8:14)→送電線下(9:09)→大清水への分岐(9:22)→小淵沢田代(9:40) →尾瀬沼ヒュッテ(10:33)→三平下湿原(10:52~11:06)→三平下(11:16) →三平峠(11:31~11:33)→一之瀬(12:29~12:41) →大清水(13:30) 2日間の行程31.2km 累積標高2286m
ルートマップは ここ です。
紅葉前線南下中、先週の丹後山中ノ岳と標高は殆ど変わらないものの草紅葉と水のコラボレーションを狙って尾瀬に出かけた。
何度か訪れた尾瀬の湿原からちょっと志向を変えて今回は大清水から物見山(毘沙門山)、鬼怒沼山、尾瀬沼を経て大清水に戻る周回ルートを歩いた。
10月21日
紅葉シーズンであるが大清水の駐車場は平日のためか数台のみ。準備を整えて物見山を目指して林道を歩きだす。

Photo1 大清水駐車場
物見橋を渡りやがて広場になった林道終点に到着。

Photo2 林道終点の紅葉
ここで一息入れて登山道を進むと木橋の掛かった湯沢出合。

Photo3 湯沢出合 木橋を渡る
湯沢出合から本格的な登山道となり急登を登る。途中勾配が緩むところもあるが物見山山頂までは標高差770mの尾根登り。途中一回休憩を入れて物見山山頂に立つが樹林に覆われているので木々の間からの展望のみであった。

Photo4 物見山(毘沙門山)山頂
ここから鬼怒沼まで下ると奥鬼怒への分岐の少し手前で木道登場。

Photo5 鬼怒沼
木道は分岐の前後だけで再び登山道となりP2141を巻くと鬼怒沼山分岐。ここにザックをデポして鬼怒沼山山頂までピストンするが鬼怒沼山山頂も展望無し。

Photo6 鬼怒沼山頂
鬼怒沼山分岐からは鬼怒沼山を巻き進み、やがて稜線歩きとなり幾つかの小ピークを越えると小松湿原の標識が現れた。
水場はここだけなので探し回り登山道下に水源を見出すが水量が少なく、テルモスの蓋を使いどうにか必要量を確保した。

Photo7 小松湿原 水場
小松湿原からは倒木だらけの広い尾根を目印のピンクテープを探しながら進みコルから登りに差し掛かると黒岩山分岐に着いた。ザックをデポして黒岩山山頂を目指すがさすがに破線コース。

Photo8 黒岩山分岐
目印はあるものの藪漕ぎを強いられた。
黒岩山山頂からは燧ケ岳、平ヶ岳、会津駒ケ岳、日光の山々、日光白根山と展望でき、帝釈山方面の山々は既に紅葉が山頂から下へと移り中腹の紅葉を眺めることが出来た。

Photo9 黒岩山山頂
黒岩山から分岐に戻ったところで行動を終え、適所を探し幕営に取り掛かった。
10月22日
樹林帯の中なので日の出を見ることは出来なかったが空が明るくなったのを見計らって出発。緩やかなアップダウンを繰り返し、歩き出しからほぼ1時間で休憩を取った後、赤安山の山頂を巻いて下ったコルが赤安清水。
登山道のすぐ下から小さなルンゼが発生していてそこが水場かと思われたが涸れているようで水は認められなかった。
コルから再び登りとなり袴腰山の北面を巻いて降って行くと樹木が伐採された笹原にでた。見上げれば送電線が上空を横切っており一気に視界が開けたのもつかの間で道は再び樹林の中に入って行く。

Photo10 笹原で視界が開けた送電線下
しばらく下って中ノ俣経由で大清水に下る道との分岐を過ぎるとやがて草紅葉が見え始め小淵沢田代に出て

Photo11 小淵沢湿原
木道を進んだところで始めての登山者とすれ違った。
木階段の登山道を登りつめP1941を北側から巻いた後は尾瀬沼まで一気に降り、やがて両脇に木棚で出来たテントスペースが散見されるようになると尾瀬沼が見え始め尾瀬沼ビジターセンター前に出た。
何か建物を建てるのであろう整地された空間の横を通り抜け尾瀬沼周回路に出たところで左折。
尾瀬沼に沿った真新しい木道を進み三平下湿原のベンチで目前の尾瀬沼とその向こうに見える燧ケ岳の風景を棚しみながら休憩。
三平下辺りまで来ると大清水から登ってきた登山者をとすれ違うようになった。三平下の小屋も冬に備えた雪囲ガなされ営業を終わっていた。
三平下から三平峠までは勾配の緩い木段登りとなりやがて峠を過ぎて降って行くと朽ちた木段が見立つようになり、更に下ると新しい木段設置作業が進められていた。
道は沢の横に出てやがて入山者カウンターの設置された登山口を過ぎると一之瀬の国道終点。雪囲された建物の軒下で休憩し、あとは歩きやすい砂利道の国道を周囲の山々の紅葉を楽しみながら下って大清水登山口に戻った。
紅葉は標高1500m付近から下で真っ盛り、山々の中腹は錦に織り成され、尾瀬沼湖畔の針葉樹の森の中に立つ落葉した白樺も美しい佇まいを見せていた。

Photo12 尾瀬沼湖畔の落葉した白樺
丹後山・兎岳・中ノ岳 周回

Photo0 朝日に染まる兎岳と左奥の中ノ岳
記録
日程:2016,10,15~16
メンバー: Sさん、安田
10/15日 天候 快晴
コースタイム:十字峡登山センター(9:54)→栃ノ木橋登山口(10:34~10:43)→シシ岩(15:13) →丹後山避難小屋(15:50)
10/16日 天候 晴れ
コースタイム:丹後山避難小屋(5:25)→丹後山(5:30)→利根川水源碑(5:45) →大水上山(6:08)→兎岳(6:45~7:00)→小兎岳(7:29)→H1735(8:31~8:50) →池ノ段分岐(9:45~10:00)→中ノ岳(10:18~10:29)→池ノ段分岐(10:43~11:01) →七合目(11:39~11:51)→五合目日向山(12:31~12:49) →四合目(13:13~13:25)→中ノ岳登山口(15:31) 2日間の行程20.9km 累積標高2682.6m
ルートマップは ここ です。
不発に終わった涸沢の紅葉から少し季節が進んだので今度はもう少し標高の低い場所を検討した結果、いままで足を踏み入れたことが無い越後三山が思い浮かび周回を考慮して十字峡から丹後山・中ノ岳を歩いてきた。
1日目は三国川の十字峡と登山センターから歩き出し、丹後山避難小屋までの予定なので早朝出発としたが現地についてみると交通止めのゲートがありそこでストップ。
聞けば”南魚沼サイクルロードレース2Days”の開催日とかで三国川ダムしゃくなげ湖周辺はクローズドとのこと。ゲートでしばらく待つと練習走行が終わったところで通行可となり予定より遅れて登山センターの駐車場着。
10月15日
ここから丹後山登山口の栃ノ木橋まで林道を歩き休憩後いよいよ登山開始。樹林の中の展望の無い急登を歩き出すが、2日分の水を背負っているのでなかなか足が進まず、途中合目石があるものの写真や記録を残す余裕も無し。
七合目を過ぎるまではとにかく気力体力勝負。漸く七合目を過ぎると周囲の樹林も高さが低くなり潅木帯に変わりやがて笹が広がり始め展望が得られるようになってきた。

Photo1 漸く樹林帯から抜け出したシシ岩付近
稜線が見え出すと右に越後沢方面、左には兎岳から中ノ岳が見え出し、

Photo2 稜線の彼方に中ノ岳
勾配の緩んだ道を進むと稜線に達した頃には丹後山避難小屋が見え出し漸く本日の行動が終了した。

Photo3 稜線状の笹原に建つ丹後山避難小屋
避難小屋には雨水を集めた水タンクがあるということであったが万が一のことを想定しここまで水を大量に背負ってきたが、確認すればタンクが満水。まぁ、次の登山者が利用できるであろうと考え持参した水で食事を終え、早々に就寝。本日の宿泊者は4人と少ないが、小屋も小さく清潔で気持ちよく過ごすことができた。
10月16日
暗いうちに目を覚まし小屋の外に出てみれば月明かりで満天の星空、
周囲の山影や利根川最上流の谷には雲海が埋め尽くす様子までハッキリ確認できた。
東の山々の稜線と空がわずかにオレンジ色と黒で区別できるようになった頃小屋を出発。

Photo4 夜明けの丹後山避難小屋
西に沈み行く満月を眺めながら丹後山を通過。

Photo5 西に沈む満月
ここから中ノ岳までは稜線を進むのでどこかで日の出を迎える出あろうと歩き出すが、利根川水源碑のところで漸く日の出を迎えた。

Photo6 日の出

Photo7 朝日を受ける利根川水源碑
やがて兎岳の稜線に人影が確認できたがやがて太陽が昇ってくると消え去った。兎岳に達し休憩を取りつつ衣替えをしていると荒沢岳からの縦走者が現れ、同宿だった登山者も登ってきてしばらく歓談。

Photo8 兎岳からの中ノ岳
中の向う途中では何人かの登山者とすれ違い、この山域の人気の高さを痛感。兎岳から中ノ岳へは北斜面のトラバースが多く、今年の雨の多さのためか泥斜面に笹の根で滑りやすくかなり気を使った。
この辺りまで晴れ渡った空の放射冷却の影響か地面と笹の葉には下が白くキラキラ輝いていたが太陽高度が増すとともに消え去っていった。

Photo9 歩いてきた大水上山・丹後山への稜線を振り返る

Photo10 荒沢岳方面の山並み
進むにつれだんだん大きくなってくる中ノ岳の上空に雲が現れだしたが雨を予感させるようなものでは無く、

Photo11 青空を背景に中ノ岳
彼方の稜線上には中ノ岳避難小屋とその奥に越後駒ケ岳が見え出した。

Photo12 稜線上の中ノ岳避難小屋とその奥に越後駒ケ岳
中ノ岳への登山道と縦走路の分岐となる池ノ段分岐にザックをデポして空身で中ノ岳を目指すが背中の荷物がなくなりまるで空を飛ぶような感じですぐに中ノ岳山頂に到着。山頂からはすぐ隣に越後駒ケ岳、隣にギザギザな尾根の八海山、

Photo13 頂稜がギザギザの八海山
反対方向にはピラミダスな山頂の荒沢岳、隣には対照的に山頂がどこかわからないようなのっぺりした平ヶ岳や尾瀬の山々も展望でき暫しの休憩。
中ノ岳山頂から再び池ノ段の分岐に戻り水分補給をしていよいよ下山開始。
急登が続き気を緩めることが出来ないがやがて少し勾配の緩んだ七合目に着きここで漸く周囲を見回す余裕が出て展望すると山の斜面は紅葉に染まり錦を織り成していた。

Photo14 稜線上の登山道にある小ピークの紅葉
緩急はあるものの徐々に下って日向山の手前の鞍部の池塘群を過ぎ登り返すとアンテナの立つ日向山。
登山道五合目に当たるがアンテナの立つ山頂は登山道から少し登ったところにあり休憩ついでに登ってみると周囲は感簿に覆われて展望の妨げになっているがアンテナの立つ建物の階段を登ると中ノ岳の裾に錦を纏った雄大な姿が現れた。

Photo15 紅葉の錦を纏った中ノ岳
五合目を後にして登山道を下ると登山口までの長い降りで足が悲鳴を上げるが適度に休憩を取りつつ標高を下げた。

Photo16 眼下に三国川(さぐりがわ)ダムしゃくなげ湖が見え出した。
途中岩場がありクサリが設けられていたが難所といえばこの辺りだけであとはスリップしないように注意深く足を前に出すと、やがて中ノ岳登山口に降り立った。

Photo17 中ノ岳登山口
係員の話によると間の無くサイクルレースも終わりの時間とか。計算していたわけではないが丁度良い時刻に下山でき、サイクルレースの追走車が通過するのを待って駐車場を後にした。
稲子岳南壁 左カンテ (八ヶ岳)

Photo0 樹林越の稲子岳南壁 左カンテ
記録
日程:2016,10,13
メンバー: Nさん、Sさん、安田
10/13日 天候 曇り
コースタイム:みどり池入口(6:16)→しらびそ小屋(7:39~7:46)→南壁基部(8:57~9:15) →左カンテ基部(9:53)→登攀終了点(12:35)→稲子岳(12:51)→稜線登山道横(12:56~13:17) →一般道合流(13:42)→しらびそ小屋(14:29~14:51)→みどり池入口(15:54) 行程13.1km 累積標高11488m
ルートマップは ここ です。
漸く吹き始めた秋風日誘われて八ヶ岳のクライミングに出かけた。いままで何回か予定はしたもののその都度中止になっていたが今回漸く実現。
前夜八峰の湯で車中泊し漸く明るくなり始めた頃に中山峠への登山口のみどり池入口に到着。久々にクライミングの道具類の詰まったザックを背負い歩きだすがなかなか体があたたまらない。
しらびそ小屋で休憩し、出発した宿泊客の後ろ姿を追うように稲子岳南壁を目指して歩き出した。

Photo1 みどり池の向こうにこれから向う稲子岳南壁
南岩壁に向う一般登山道は無いのでどこで一般登山道と別れて南壁に向かう道を探しながらキョロキョロしつ進み、踏跡らしきものを発見したので一般道と別れ薄い踏跡に突入するも進むうちに???
白樺が落葉したとは言え、シラビソが茂りでなかなか位置確認できないうちに再度踏跡が濃い一般道へと飛び出してしまった。

Photo2 帰路に発見した南壁にいたる一般道からの進入ポイント
そこから引き返すと再び踏跡らしき見つかったので今度はそれにしたがって進むと雨で流された土砂の堆積した広場のようなところに出た。左隅から更に踏跡が延びているので進むとやがて目印もピンクテープも現れ始め、目的の左カンテ末端の尾根基部に到着ヤレヤレ。

Photo3 カンテ末端の岩
よく見ると完璧に取り次いでいるパーティが既に取り付いているではないか。
カンテ基部で登攀装備をつけて左カンテルート末端のテラスで先行パーティが出発するのを待ち、ルート末端位置まで移動する。あせることも無いので先行パーィの姿が見えなくなったところで漸くに取り付いた。
1Pを登り始めると先行パーティに追いついてしまい通常より下でピッチ切る。

Photo4 1Pを登る
ここから少し登った通常の1P終了点でピッチを切ったのでこれ以降ルート図より1ピッチほど多くなってしまった。ここまでカンテ~浅い凹角35mⅢ。

Photo5 2P浅い凹角登り
3P目は凹角30mⅢでここも難なく抜け、

Photo6 3Pの凹角

Photo7 3P終了点
次の4ピッチは少しグレードが上がって階段状チムニー35mⅢ+。チムニーの中をザックをズリズリしながら登り左に出てカンテを少し登ると4ピッチ終了。

Photo8 4Pチムニーの中を登る

Photo9 4P終了点
ここで次の5ピッチはどのルートを登るか検討しトップは右の階段状を上がりカンテに出てガレ場を過ぎ南壁左ルートの核心部ともいえるやや被った岩をクラックに沿って登る。

Photo10 5P最後のやや被った岩を登る
セカンド以降は左のガレを登りカンテに出てガレ場を通過、被った岩を登って岩上のテラスに出たところで5ピッチのガラ場~リッジの薄被り40mⅢ+を終了。

Photo11 5Pセカンドも続いて被った岩を登る

Photo12 漸く登り終えて東天狗を背景に
終了点のあるテラスの奥のリッジからクラックを持ったフェースが立ち上がっているが今回はパスし岩を巻いて稲子岳稜線状の登山道に出たところでクライミング終了。
稲子岳が始めての私は休憩中に足を伸ばして山頂まで往復。樹林に覆われた山頂は展望も無く、ニューへと続く登山道が山頂を掠めて通過しているのみであった。
休憩後下山に移り高度を落とすがやがて中山峠下のガレ場に差し掛かると踏跡も不鮮明になってきたがトラバースするとすぐに一般登山道に出た。登山道横にグリーンのロープが張られたところとか、道の脇に進入禁止を示す横木がおいてあるところとか南壁への進路を示すようなものが散見されたがいずれも南壁を目指しているかどうかは不明。やがて明らかに人工物と思われる枯れた木に枝をロープで結んで横に吊り下げた横に吊り下げたに張り出されたものを発見。Photo2.。
帰宅してGPSのログを見ると、往路で一度登山道に出てしまった地点のすぐそばであった。帰宅してGPSのログを見ると、往路で一度登山道に出てしまった地点のすぐそばであった。
帰路は足取りもはやく、すぐにしらびそ小屋に到着。

Photo13 美味しいコーヒーを戴いたしらびそ小屋
美味しいコーヒーを頂いて雑談が一区切りしたところでみどり池の入口を目指して歩き出し、駐車場に戻って稲子岳南壁のクライミングの山行を終えた。
黒滝山 九十九谷周回

Photo0 展望岩場から覗き込んだ九十九谷
記録
日程:2016,10,10
メンバー:安田
コースタイム:
10/10日 天候 曇り
不動寺分岐(11:18)→五老峰入り口(11:20)→上底瀬(11:35)→九十九谷登山口(11:40~11:58)→タカノス分岐(12:25)→鷹ノ巣山(12:27~12:35)→{展望岩場}→下底瀬分岐(12:42)→九十九谷分岐(13:12)→観音岩(13:18~13:34)→見晴台(13:45~13:57)→{馬の背}→五老峰入り口(14:15)→不動寺(14:21)→駐車場(14:27) 行程4.9km 累積標高605m
ルートマップは ここ です。(不動寺分岐~九十九谷~駐車場)
トヤ山登山を終えて戻ってきたのが12時前で前半終了。午後の部は九十九谷周回。
不動寺分岐まで戻って休憩中に九十九谷をどちらから周回するか検討。
どうやら登りがきつそうな反時計廻りルート、五老峰入口分岐から林道を上底瀬まで降り、更に道路を下って九十九橋の畔にある九十九谷登山口から登って周回することにした。
五老峰入り口分岐から

Photo1 五老峰入り口分岐
上底瀬までの林道は高低差200m 弱で傾斜も緩く、途中からは車の轍も出てきた。上底瀬の集落を抜け舗装道路に出て左折。

Photo2 上底瀬集落 こちらも黒滝山登山口になっている
少し歩くと九十九谷橋の手前左側に九十九谷登山道の道標を発見。

Photo3 九十九橋の石碑の横が登山口
登山道入口から急斜面を登りやがて谷沿いに進み堰堤を過ぎる辺りからガレの堆積した谷に降り涸れた沢を横断。再び泥の急斜面を登り詰めるとタカノス山分岐。九十九谷横断点が奇景が広がる九十九谷入口となるが両側スラブでV字断面に侵食された谷は装備がないと覚悟が必要。
タカノス山分岐で右折し尾根を進むとすぐに鷹ノ巣山山頂。

Photo4 鷹ノ巣山山頂
これから進む五老峰方面を展望しながら登山口からの急登で疲れた足を休めた。再びタカノス山分岐へもどり、尾根をそのまま直進すると九十九谷の展望岩場。

Photo5 展望岩場 左は九十九谷、右の傾斜をトラバース
徐々にスラブの岩が現れ始め展望岩場では右側は傾斜斜面、左側は九十九谷に向ってスッパリ切れ落ちた岩場のトラバースになる。
右斜面にはかつてステップが切られていたようであるがいまは風化してかろうじて足が置ける程度。
注意深く、スタンスを決めて腹ばいで九十九谷を覗き込むと侵食で出来た奇景が広がっていた。ところどころにあるロープに頼って登るとやがて道は谷から離れ五老峰の尾根に達する。
上り詰めた九十九谷分岐で右折し五老峰最高峰の観音岩まで数分。

Photo6 石仏の建つ観音岩のピーク
観音岩のピークには不動寺のほうを向いた石仏が立ちその先には石の祠も。観音岩の側面の岩棚にも何体かの石仏が祀られていた。

Photo7 観音岩側面の石仏
眼下を見れば日東岩・星中岩・月西岩の岩壁群に抱かれたように佇む不動寺の建物の赤い屋根も見える。

Photo8 観音岩の正面には鹿岳(かねたけ)
観音岩から引き返し尾根を直進し小ピークを巻いて再び尾根に出ると見晴台との分岐。左折し尾根を戻るように進むとすぐに見晴台の岩のピークに出た。どうやら巻き道は見晴台の基部だったようだ。ここで反対側から登ってきた登山者に馬の背の状況を聞きながら休憩。
再び分岐に戻って通り越し、いよいよ馬の背の難所に差し掛かった。クサリを伝って降り、次いで鉄ハシゴを下ってヤセオネに出て進むと

Photo9 鉄ハシゴを下る

Photo10 鎖を伝ってスラブをトラバース
今度は両側がスッパリ切れ落ちたい痩せた岩稜。手摺のように鎖が渡してあるがかなりの高度感があり、岩になれていない人には恐怖感があるかも。途中岩稜が落ち込んでいる箇所もあり、鉄の橋で渡る場面もあった。

Photo11 岩尾根の切れ目を橋で渡る
馬の背を越えて樹林の中に入るとすぐに五老峰入口。

Photo12 最後の狭いリッジを通過すると樹林帯
漸くこれで周回してきたことになり不動寺分岐から下ってお寺の境内を横切り駐車場へと戻った。
九十九谷周回は時計回りでも良いが、登山口入口からタカノス山分岐までの泥斜面の急登のことを考えるとここを下るのはスリップのリスクがあるのでやはりしっかり登った充実感が得られる反時計周りのほうが良いと思う。
前編の ”西上州トヤ山” を見る。
西上州 トヤ山

Photo0 トヤ山山頂
記録
日程:2016,10,10
メンバー:安田
コースタイム:
10/10日 天候 曇り
駐車場(7:07)→不動寺(7:17~7:33)→不動寺分岐(7:40)→六車分岐(7:55)→高原分岐(8:16)→H1062(8:35~8:43)→トヤ山分岐(9:02)→トヤ山(9:09~9:23)→トヤ山分岐(9:32)→高原分岐(9:58)→六車分岐(10:16)→月西岩(10:25~10:28)→不動寺分岐(10:32)
行程8.07km 累積標高937m
ルートマップは ここ です。(不動寺~トヤ山~不動寺分岐)
どうにか天候が落ち着きだして晴れの日が続くという予報でまだ紅葉前で季節的には早いが西上州に出かけた。
10月10日は晴れの特異日だったはずだが今年は曇り。トヤ山と黒瀧山九十九谷周回を予定していたので不動寺の駐車場に車を停め、そこから更に寺まで続く道路を登って行くと寺の境内に出た。

Photo1 黒瀧山不動寺 本堂後ろの岩壁は月西岩
不動時は珍しい黄檗宗の寺ということで境内を散策し、寺の背後の日東岩と星中岩それに月西岩を下から眺め、お参りをしてから境内の片隅にある登山道を登り始めた。
不動寺からすぐに林道に出て右折、トヤ山を目指す。

Photo2 林道に出たところが不動寺分岐
すぐに先ほど下から眺めた月西岩の分岐に出るが道標は無かった。帰路で立ち寄ることにして先に進むと林道はやがて沢に沿う道となり、登り詰めてゆくと尾根に出た。ここが地図にある六車分岐らしいが道標は発見できず。
大分狭くなってきたが道はかつての林道だった様相をわずかに残している。
快適な尾根を進み登りに差し掛かったところで正面に横木が現れ右前方にテープがあるのでそれに従いトラバーしている登山道を進みP966を巻く。
倒木が道を塞ぎ、崩れた土砂が積もった登山道を進み巻き終わると

Photo3 道を塞ぐ倒木その向こうには崩れかかった桟道
高原分岐の道標が現れるがかろうじて文字が残っている程度。

Photo4 保存状態が最も良かった高原分岐道標
ここを過ぎると道は再び尾根筋に延びている。かつては荒船山へと延びる縦走路だった名残でところどころに痕跡を残しているが、今では道標も倒れ朽ち果てる寸前。

Photo5 不鮮明な踏後と崩壊した木段

Photo6 登山道を塞ぐ根こそぎ倒木
途中休憩を取り更に進んで左からの尾根に乗り高度を上げて行くと正面のピークを避けるように西側をトラバースし始めた。
やがて右手に岩壁が現れ基部を進むと鉄製の手摺が現れすぐに道標が現れた。道の前方に送電鉄塔が見えるのでトヤ山への取り付きかと思われたが道標には表示が無い。

Photo7 道標の手前を登って右の尾根に乗る
道標のすぐ手前の右の尾根に登って行く踏跡を辿ると痩せ尾根に出て、登ってきた登山道を逆戻りするように痩せ尾根を進むと程なくトヤ山山頂に出た。
隣の毛無岩に遮られて荒船山は連なっている。見えないものの眼下には道平川ダムの荒船湖が望める.

Photo8 道平川ダム荒船湖の俯瞰
目を右に転ずると高岩、更に裏妙義表妙義の山々が連なり位置関係が良くわかる。

Photo9 表妙義
東隣の鹿岳も特徴ある山容でくっきり。
長野群馬の県境の山並みまでは見えるが残念浅間山は雲に隠れてしまっていた。
トヤ山での展望を楽しんだ後道標のある縦走路まで戻り、更に進んで毛無岩に足を伸ばそうとしたが送電鉄塔のあるコルまで下りてしまうと帰路で登り返さなければならないので断念し往路を戻ることにした。
往路は高いところを目指して登れば良いが帰路では尾根の乗り換えがあるので注意を払いながら進み途中月西岩に立ち寄って不動寺分岐まで戻った。
後編の ”黒瀧山九十九谷周回” を見る。
涸沢 (北アルプス)

Photo0 涸沢ヒュッテのテラスからの北穂高
記録
日程:2016,10,01~03
メンバー: Nさん、Tさん、Sさん、安田
コースタイム:
10/01日 天候 曇り
上高地BT(10:50)→明神(11:39~11:47)→徳沢(12:41~13:03)→横尾(14:00)
10/01日 天候 曇り
横尾(7:41)→岩小屋跡(8:02~8:13)→本谷橋(8:53~9:01)→涸沢ヒュッテ(10:48~12:25)→本谷橋(13:41~14:38)→岩小屋跡(15:24~15:38)→横尾(16:03)
10/01日 天候 雨
横尾(8:33)→徳沢(9:33~9:43)→明神(10:34~10:39)→上高地BT(11:30)
3日間行程33.3km 累積標高1326m
ルートマップは ここ です。(横尾~涸沢)
例年なら北アルプスの紅葉が真っ盛りの頃、以前横尾本谷右俣を遡行しカールから横尾尾根鞍部に登り詰めて氷河公園にいたるルートを歩いたことがあったので紅葉と天狗池に映る逆さ槍を楽しもうと出かけた。
しかしこのところの雨で本谷の水量が多く遡行は難しそうなので涸沢ヒュッテまでの涸沢カール散策に計画を変更、ヒュッテのテラスでのんびり過ごした。
10月1日
初日は横尾に到着すれば良いので早朝に家を出発し沢渡でメンバーと合流、上高地に移動してのんびり横尾を目指す。途中たっぷり休憩を取りながら進むが2時には横尾に着き、テントを設営するが思ったほどテント場の混雑は無かった。

Photo1 この季節にしては人も疎らな横尾
テントを設営後はノンビリマッタリ時間を過ごし、闇が迫る頃にはシュラフに潜り込んだが天気予報とは裏腹に夜半テントをたたく雨音で何回か目覚めた。
10月2日
予定していた起床時間に目覚めるも雨で本谷遡行は無理と判断、再び寝入って明るくなるのを待って朝食準備。テント前から横尾橋を見上げれば続々と登山者が通過してゆくが、今日の行動は涸沢ヒュッテ往復と決めたのでウダウダと時を過ごしどうにか雨が上がったのを見計らって出発。
岩小屋跡で屏風岩を眺め、少し進んで樹林が切れたところでまた立ち止まって眺めとウダウダ進むので涸沢を目指す登山者に追い抜かれることしばし。
本谷橋までやってくると下る人これから登る人と多数の登山者が休憩中。
この頃になると漸く上空のガスが取れ、本谷の奥まで見渡せるようになったが稜線はまだ雲の中。
予定していた本谷はやはり水量が多く、カールの底まで延々と白い水流が延びているので遡行中止は好判断だったと再確認

Photo2 横尾本谷
涸沢目指して登るにつれ白樺やナナカマドが現れてくるが思っていたが良く見れば白樺の葉は黄色く紅葉せずに茶色に縮み、ナナカマドの葉も緑がくすんで茶色の斑点が現れ、美しい紅葉は見られず。どうも今年の異常な天候で紅葉の鮮やかな発色は絶望的。
涸沢ヒュッテのテラスから周囲を見回しても標高の高いところの草紅葉くらいしかこれといった景色は見ることが出来なかった。

Photo3 屏風ノ頭
涸沢には何回かやってきているがノンビリ過ごすのは初めてなので長年の夢をかなえるべく名物のおでんと生ビールを堪能。

Photo4 涸沢名物おでんと生ビール
大休止していると次第に雲量が増えてきたので降り始め、続々と登ってくる登山者の行列を避けながら、下る登山者の行列に紛れ込んで本谷橋に到着。

Photo5 涸沢目指して続々と登ってくる登山者
休憩していると長野県警のパトロールが遭難者を背負って下ってきた。上空が開けた対岸に遭難者を下ろしたのでここでヘリにピックアップするのだろうと思い、

Photo6 対岸の遭難者とパトロール隊員
ヘリに収容されるまでの一部始終を見学。

Photo7 ヘリに収容
下山途中の岩小屋跡では今回で山から引退するという某山岳会の会長さんと山談義。18歳から75歳まで山に登り、若かりし頃夢中になって登った屏風岩の見納めだとか。屏風岩を背景に写真を撮り思い出に浸っていた。

Photo8 屏風岩
横尾のテントに戻り夜半には星も見えた。
10月3日
翌朝は上空が雲に覆われテントを撤収し明神の辺りまで来ると雨が降り出し、やがて傘を取り出すような降りとなった。
上高地では名物の"究極のカレーパン”を食し帰路に就いた。

Photo9 半熟玉子入り“究極のカレーパン”
今回は目的が果たせなかったが、時間がたっぷりとあったのでおでん・ビール・“究極のカレーパン“と常々思い描いていた願いがかなった。時にはこんな山行も良いものだ。