奥秩父 青笹尾根から破風山

Photo0 稜線から見下ろした青笹尾根
記録
日程:2016,07,24
メンバー: 安田
7/24日 天候 曇り
コースタイム:西沢渓谷駐車場(7:10)→青笹尾根取付き(7:26)→H1562(8:20~8:35)→H1657.2(9:03)→H1855.7(9:42~9:51)→H2040(10:33~10:41) →破風山(11:37~11:53)→東破風山(12:09)→雁坂嶺(12:54)→雁坂峠(13:19~13:29)→井戸ノ沢渡渉点(14:04)→峠沢横断(14:28)→沓切沢橋(14:53)→雁坂峠登山道入口(15:43) →西沢渓谷駐車場(15:53) 行程 18.4km 累積標高 1678m
ルートマップは ここ です。
今年は未だ梅雨明けせず。梅雨明けの夏山を狙っていたが天候がなかなか安定せず思うようにならない。しばらく歩かずそろそろ足が疼きだしたので前回”鶏冠山”に登ったときに得た情報に従って青笹尾根から破風山を目指した。出かけて天候が思わしくなければ美味しい"桃”の買出しでもいいか。
埼玉側は空がどんよりとして山にはガスがかかっていたがR140で雁坂トンネルを抜け山梨側に出てみると山の頂に雲がかかっているものの薄日が差してこれなら天気がもちそうなので西沢渓谷駐車場に車を停めて歩き出した。
駐車場から西沢渓谷方面に進み、R140の西沢大橋を潜ってゲートの手前で左折。戻るようにして上がって行くとR140に出た。ここから雁坂トンネル方面に進み久渡沢にかかる鶏冠山大橋の畔ある階段から青沢尾根へ取り付いた。

Photo1 青笹尾根取付き R140鶏冠山大橋の畔にある階段
階段を上がると前方には樹木が伐採された防火帯が尾根の左側斜面に沿って延々と延びている。

Photo2 尾根に沿った防火帯 左の縁を登る
防火帯の縁についた踏跡を辿って高度を上げて行くと1560m辺りで防火帯をうめ尽くすようなワラビの群生地となった。
歩き始めて1時間弱、水分食料を摂って休憩しワラビの中を登って行くと今度は足首程度の笹原が広がりそれを過ぎると次にマルバダケブキの群生。

Photo3 マルバダケブキの群生 これを超えるとすぐに1657.2mのピーク
高度で変わる植生の変化を楽しみながら1657.2mの小ピークに到着。この先少し降ったところで防火帯は終わり樹林帯の稜線歩きとなる。
踏跡を追いながら進むと獣道が錯綜し踏跡が徐々に薄くなってきたが境界標識と木肌に付けられた赤ペイントを目印に尾根の高みを目指して前進。
松の落ち葉、笹で踏跡が消されてしまっているので時々現れるピンクテープに従うと途中で消えうせてしまう。多分古いテープなので脱落したものと思われるが進路が不明瞭になったときはとにかく稜線に出ると赤ペイントが表れる。
樹林帯に入ってからは展望が利かず位置確認は出来ない。黙々と高度を稼ぐのみ。
やがて前方にピンクテープのぶら下がった横に張られたロープ出現。

Photo4 1855.7mのピーク手前の横に張られたロープ(ピンクテープあり)
これを過ぎるとすぐに1855.7mの三角点。周囲は樹林で視界が遮られ、足元は一面に背丈の低い笹で覆われている。
ここから少し降ると再び尾根の登りが始まる。これまでの登りよりは少し勾配が増してくるが急登といったほどでもない。やがて2040mの小ピークに出たところで休憩し最後の200mあまりを一気にと思ったが苔むした倒木帯、

Photo5 朽ちて苔むした倒木帯
立枯れ帯、

Photo6 立枯れ帯
コケに覆われた岩が重なった倒木帯と

Photo7 コケが付いた岩が連なる倒木帯
次々に難所が現れ、立ち止まっては登路を見定めながらの前進で思わぬ時間を費やしてしまった。
やがて突然岩の折り重なった露岩帯に飛び出し、

Photo8 岩が折り重なる露岩帯 漸く展望が開けた
更に高度を上げると再び松の樹林帯に入り、松の枝越しに前方の空が見え出したら雁坂嶺と破風山を結ぶ一般登山道に飛び出した。

Photo9 雁坂嶺と破風山の稜線を結ぶ一般登山道に飛び出した
左折し坂を上がって行くとすぐに破風山山頂。

Photo10 破風山(西破風山、破不山)山頂
山名標柱には西破風山(埼玉県)、破不山(埼玉県・環境庁、)破風山(山梨百名山)と3種類。どれは正しいのやら???
山頂が2県にまたがる場合それぞれ山名前が異なったり、当て字が異なることがあけど・・・・
埼玉県"風"と"不”の両方で書かれているのも???
本Blogでは山梨県側から登ったので一応破風山としておきます。
破風山で休憩後一旦戻って今度は稜線を歩いて雁坂峠を目指した。
途中東破風山山頂を踏んだがここの山名標柱は埼玉県と環境庁のものみ。

Photo11 東破風山
雁坂嶺からは

Photo12 雁坂嶺
緩やかなか降りで雁坂峠に到着。休憩後、一般道を歩いて西沢渓谷の駐車場へと戻った。

Photo13 下山途中から見上げた鶏冠山大橋。対岸に青笹尾根末端が見える
奥秩父 鶏冠山

Photo0 二俣吊橋から見える鶏冠山
記録
日程:2016,07,04
メンバー: 安田
7/04日 天候 晴れ午後夕立あり
コースタイム:西沢渓谷駐車場(6:57)→鶏冠谷出合(7:43~7:55)→チンネノコル(9:25~9:40)→第三岩峰(10:43~10:53)→P2115鶏冠山(11:15)→H2146(12:25~12:42)→ P2117(12:46)→木賊山(14:19~14:32)→展望露岩(14:48)→H1862(15:40~15:48)→近丸新道分岐(15:49)→ヌク沢渡渉点(16:36~16:55)→近丸新道登山口(17:31→西沢渓谷駐車場(17:51) 行程 16.9km 累積標高 2104m
ルートマップは ここ です。
このところ体に負荷が掛かるような歩きをしていなかったので、気温が高くなる真夏の体力維持のために真夏日を狙って山に出掛けた。
これまで何回か訪れたことのある奥秩父であるがいつも西沢渓谷の駐車場から見える鶏冠山が気になっていたのでクサリが再整備されたという情報でチャンスと思い登ってみた。
いつものように西沢渓谷入口の駐車場に車を停め登山準備をしていると上空にヘリの音、見ていると鶏冠山の辺りを飛行しているらしい。やがて立ち去るヘリの姿から山域の偵察か?
ゲートを通過しネトリ広場で先行していた登山者を抜き、下山を予定している近丸新道登山口を通過、

Photo1 下山予定の近丸新道登山口
二俣吊橋の上から鶏冠山の姿を見て橋を渡った広場で右折。

Photo2 二俣吊橋を渡ったところにある鶏冠山登山口
以前はロープが張られて通行止めになっていた鶏冠山への登山道入口も整備が進んだからかロープは撤去されしっかりした踏跡がついている。
トラバースしてゆくと東沢の河原にすぐ降りられそうなところもあるが踏跡が更に伸びているので従う。やがてトラロープを握って急斜面を降ると鶏冠谷出合。

Photo3 東沢対岸の枯れた大木に鶏冠谷出合の標識
対岸に鶏冠山への看板が掛かった枯れた大木を目印に東沢を渡渉。幸いにも水量が少なく飛び石を伝って渡ることができた。
目印のテープにしたがって鶏冠谷を少し詰め、左側の斜面を登ってゆくと最初はジグザグだった道も尾根に乗ると尾根筋を一気に登る道となった。
ひたすら尾根を登り詰めると徐々に岩が現れだし、木の根に掴まって越えるうちに今度はトラロープ。

Photo4 最初のトラロープ
2箇所のロープ場を越えると道は右へと曲がりトラバース気味に進む。やがてガレ場を登りきるとチンネノコルと呼ばれる鞍部に出た。

Photo5 チンネノコル 地面に刺さった古いストックに案内が書かれていた
一休みするといままでの登りで汗だくだった体も吹き抜ける涼風で爽やか快適に。しかし残念ながら展望はなし。
ここで登山道は左に曲がり鶏冠山を経て木賊山へと伸びる長い尾根歩きとなる。樹林の中を登って行くと突然露岩が現れ、登り詰めた岩峰からは水をたたえた広瀬ダムや

Photo6 眼下に水をたたえた広瀬ダム
乾徳山黒金山の山塊、眼下には東沢のナメ滝らしき白い水の流れが見える。
標識が無いのでここが第一岩峰かどうか判然としないが、いったん降ってすぐ隣の岩峰に登り返すところに整備されたクサリが掛かっていた。
この岩峰を越え更に進むと再びクサリ場を登り小岩峰。この先には地形図上で1986mのピーク、更にその先にもピークが連なりここが鶏冠山と呼ばれる所以が体感できる。

Photo7 第二第三と続く岩峰 その奥には木賊山へと尾根が続く
第一岩峰とはここまでの小岩峰群の総称であろうか?皆同じような高さで代表選手はいないようだ。
岩峰群から降って登り返した地形図上の1986mのピーク。ここには目印のピンクテープと”出合”の方向を示す標識が下がっていたので第二岩峰。尾根の進行方向を見れば次なるピークは岩壁を持った第三岩峰。
第二岩峰から緩やかな登山道を降って行くと第三岩峰の基部に達し、迂回路の案内板が現れた。

Photo8 第三岩峰基部 迂回路の案内板がある
ザックをおろして、岩壁を偵察すると登れないことはなさそうであるが・・・・・今日は一人だし。正面突破は次の機会に!
あっさり迂回路を選んで岩壁を右に回り込み大きく下降してトラバース。導かれるままに登り返すと尾根に出て、

Photo9 稜線上の迂回路と第三岩峰コースの分岐 迂回路案内もある
見るとここにも迂回路の案内板。
左折して第三岩峰のピークを目指した。すぐに"山梨百名山"の標柱の立つ好展望のピークに出て休憩。

Photo10 第三岩峰頂上 山梨百名山 鶏冠山 の山名標柱
ここからはこれから目指す木賊山とその横に甲武信ヶ岳、

Photo11 木賊山と左奥に甲武信ヶ岳

Photo12 乾徳山・黒金山山塊の向こうには富士山が見える

Photo13 登ってきた第一岩峰と右下にチンネの頭がひょっこり見える
大きな裾を引いた堂々の国師ヶ岳、鶏冠谷を挟んで隣の戸渡尾根、反対側には東沢の向こうに石塔尾根も見える。
再び尾根の迂回路分岐に戻り、ここからは泥.・時々岩の尾根歩きとなる。
まだ樹林帯なので展望は得られず。時々現れる石楠花のヤブを掻き分けながら進むが、踏跡はしっかりしており迷うことは無い。
しかし問題は松の樹林対に入ったときで、目印テープが時々現れるが落ち葉でそれでなくても薄い踏跡が消されている所も。特に小ピークのところは迷いやすい。
2110mピーク付近でピンクテープの目印を探しながら薄い踏後を進むと石楠花のジャングルに突入。
人が通れるくらいの空間が続いているので進んでみるとやがてその空間も消えうせた。良く見るといろいろな方向に延びているが・・・・先に進まず戻ってジャングルから抜け出し、とにかく松の落ち葉を踏んで尾根を目指したらやがて踏跡が現れた。(ルートミス map参照)
何回と無く怪しげな場面に遭遇したが基本尾根筋に戻れば踏跡を見つけることが出来た。
2340m付近ではこれまでほぼ直線的に木賊山目指して尾根筋を進んできた踏跡が左側にトラバースしはじめた。進んでみると古い赤布の目印から先は松の樹林からら外れて潅木帯、その先は露岩なっているようなので引き返し尾根を直登した。
もうすぐ木賊山山頂に近いし登り詰めれば登山道に出るので歩きやすいところを選び石楠花のヤブに突入。

Photo14 石楠花のジャングルの中にピンクテープ出現
やがて幼松混じりのブッシュとなり、突然ピンクテープ出現。ブッシュの中なので数メートルも離れれば全く見えない。進路に誤りは無いようなのでそのままヤブコギを続けると、ヤブが薄くなり突然登山道に飛び出した。
登山道の先には木賊山の山頂標識が見えたので殆ど狙い通り。

Photo15 飛び出した登山道の左奥には木賊山の山頂三角点が見えた
帰路でよく見ると鶏冠山への下降点を示すと思われる目印が数箇所あった。かつての下降点はロープで遮断されているが既に踏跡らしきものはコケに覆われ痕跡も無い。
木賊山で休憩後、破風山への縦走路を降り戸渡尾根道への分岐で右折、一般道を降って露岩の展望箇所から今日登った鶏冠山とそこから木賊山へ突き上げる尾根を展望し、一気に下り始めたがやがて空模様が怪しくなりポツポツ降り出した。
遠雷も聞こえ始めたので徳ちゃん新道と近丸新道分岐直前でカッパを着込んで近丸新道を下山。
ヌク沢は多少増水、濁りがあったが支障なく渡って登山口へ下山。駐車場へ戻る頃には雨もあがり、朝から湧き上がる雲の向こうに鶏冠山が姿を現していた。
下山後、駐車場で立ち話しをしていると救助ヘリは昨日の鶏冠山での遭難者が今朝になって救助されたとのこと。道迷いで救助要請したらしいとのことであった。