星穴岳 (妙義山)

Photo0 妙義山 中ノ岳
記録
日程:2014,10,25
メンバー:Nさん、安田
10/25日:天候 快晴
コースタイム:中之嶽神社(8:00)→稜線のコル(9:00)→西岳(9:25~9:50)→岩屋(10:50)→星穴岳(11:10)→射抜き穴(11:35~12:10)→むすび穴(12:40)→中之岳神社(14:05)
この記事以降に登った星穴新道ルートは こちら です。
高速道路を長野に向かうと下仁田あたりで正面に見える幾つもの奇岩の尖ったピークを持つ妙義山の紅葉を楽しみに出かけた。
高速を松井田妙義ICで降りて妙義山を巻くように進み広々とした中之嶽神社駐車場に車を止め、

Photo1 駐車場と奇岩が連なる中ノ岳
神社の参道を進み石段下にある登山ポストに計画書を提出して入山。右手には大きな大黒様。

Photo2 金色に輝く大きな大黒様
石段を登って神社右手のハイキング道を進み、先ずは地形確認のため見晴し台に寄り道し、これから登る西岳と星穴岳の位置を確認。
一般道に戻り少し進んでバリエーションルートへ入る。黄色いテープの下がった遮断ロープをまたいで進むと

Photo3 踏み跡に掛けられたロープ
すぐに西岳と中之岳のコルに到る鎖の設けられたルンゼに行き当たる。

Photo4 稜線コルに上がる鎖が設置されたルンゼ
ここで休憩、装備を整えて濡れた岩と落ち葉で滑りやすいルンゼを登り終えコルに出ると、中之岳方面からの稜線縦走路に出る。
左折するとここにも注意書きの標識が下がったロープ。これを乗り越えて樹林帯を進むとスラブ岩壁に突き当たる。

Photo5 スラブ
トラロープにしたがって右上気味に登って少し行くと今度は5mぐらいのナイフリッジ。

Photo6 ナイフリッジ
ここを下降気味に通過して樹林帯を進むと西岳山頂直下の岩壁に突き当たる。

Photo7 西岳山頂直下の岩壁
ここは直上ルートと右上ルートがあるが、それぞれ一長一短がありそうなので安全を期し直上ルート途中からレッジをトラバースして右上ルート終点を経へて北側から山頂に出た。
山頂からの展望はすばらしく目の前には裾野を大きく広げた浅間山の勇姿、荒船山の姿もなるほど”船”と呼ぶにふさわしい山姿で横たわっている。

Photo8 浅間山

Photo9 荒船山

Photo10 星穴岩峰群
天候は快晴とあってすばらしい大展望が広がり遠くは槍穂の稜線まで見渡せた。
西岳山頂からは北側に降り、やがてでてきた沢形の急斜面を懸垂で降った。(ペツルの支点あり)

Photo11 沢形を懸垂で降る
一番下のテラス状のところまではおよそ30m。50mロープなので途中でピッチをきる。
ここからは北側の泥の急斜面を木に掴まりながらトラバース気味に進むが、濡れ落葉で踏み跡は隠されている上に一昨日までの雨で滑りやすいので歩きにくい。
やがて稜線のような様相になってくると前方に岩稜が現れるが左側に進路を示すマーキングテープがあるので指示に従い岩壁に沿って南側を回り込むように進む

Photo12 マーキングテープと木に下げられたステッキ
さらに進むと2箇所のトラバースが待ち受けている。トラロープの張られた切れ落ちたスラブをバンドを伝わってトラバース。

Photo13 トラバース
トラロープ途中の支点のリングボルトが抜けておりヒヤヒヤするが、安全のためにはスラブ両端にペツルの支点があるのでここを使ってフィックスする方が良さそう
トラバースを通過し前方をみあげると二連岩峰が現れる。

Photo14 二連岩峰
やがて二連岩峰基部に達すると岩屋がある。

Photo15 岩屋
ここを通過して南斜面を進み行き止まったところで”イワマツ”がそこかしこに繁殖している岩壁を登ると、突然前方の視界が開け、今まで登ってきたところがリッジの側面であったことがわかる。ここのコルには射抜き穴への懸垂支点が設けられている。

Photo16 射抜き穴への下降支点
さらに左(西)へリッジがのびており、トラロープのかかった岩場を15mくらい先へ進むと潅木混じりのブッシュで覆われた細長い星穴岳の山頂となるが山名標はない。

Photo17 星穴岳山頂へ進む
周辺の展望を楽しんだ後はロープを出して懸垂で先ほどの下降点のあるリッジのコルまで戻り射抜き穴目指して懸垂下降、途中からは空中懸垂となる。(南側と北側の両面から下降できるが日当たりのある南面を下降)

Photo18 射抜き穴への懸垂下降
20mの懸垂下降で降り立ったところが射抜き穴。

Photo19 射抜き穴
ここから右(東)に進むとすぐに岩壁と立ち木の2箇所に懸垂支点が設けられているがロープ回収が容易と思われる立ち木の支点を使って今度は40mの懸垂下降でテラスに降りる。

Photo20 テラスへの懸垂下降
テラスから左上にのびる濡れ落ち葉で滑りやすい泥のルンゼを

Photo21 むすび穴へのルンゼ
登り少し行くと大きなむすび穴が現れる。(ルンゼにはマーキングテープがあるがここを登らずに巻いて登ってもむすび穴に行ける)

Photo22 むすび穴
むすび穴からは巻き道を使って再びテラスに戻り、沢形に沿って降るがここも岩が濡れ落ち葉に埋め尽くされておりロープを出して降った。

Photo23 沢形を降る
2Pほどで平坦なところに降り立つと赤黄ダブルテープのマーキングがあるので

Photo24 赤黄ダブルテープのマーキング
それにしたがって南東を目指してトラバースしながら徐々に高度を下げるとコケに覆われた炭焼き窯跡に出るので

Photo25 炭焼き窯跡
ここからは沢に沿って降ると突然人声が聞こえ、ハイキング道の案内板のところに飛び出した。

Photo26 一般道の案内板
右折するとまもなく中之嶽神社に到着。
今回は時間の余裕があったので神社を通りこして轟岩に登ってみる。登り始めはわからなかったが轟岩の上に立ってみるとここからの絶景が広がっており、星穴岳登山を終えたあとなので気分最高たっぷり休憩。轟岩とは中之嶽神社のご神体でありました。
この季節になると落葉で踏み跡が隠されてしまのでルートファインディングにかなり神経を使った。また、泥付き急斜面も滑りやすいので手間暇惜しまずにロープ使用。結果的には体力時間ともに節約できた。
各種参考資料によると本ルートの所要時間は中之嶽神社から結び穴まではおおむね5時間であるが、結び穴から中之嶽神社に戻る部分で大きな差が出ている。今回たどった赤黄テープに沿ったルートは約1時間でもっとも短時間で神社にもどれるルート思われる。