仙ノ倉山 北尾根

Photo0 正面に仙ノ倉山
日時:2014,3,24~25
メンバー:Nさん、Sさん 、安田
天候:24、25日共に晴れ
24日 毛渡橋(6:10)→タカマタギとの分岐(6:25)→群大ヒュッテ(8:40~9:00)→北尾根取り付き(9:15)→小屋場ノ頭(12:00)→幕地(14:30)
一昨年、昨年に続いて今回が3回目の挑戦となる仙ノ倉北尾根。前回前々回ともに強風視界不良で途中撤退を余儀なくされたが今回は気圧配置を睨んで満を持して臨んだ。これまでと同様前日夜半に土樽駅に集合、仮眠して毛渡橋の駐車場に移動、準備万端整えて出発。林道には多くの踏み跡、スキー跡があるがタカマタギへの分岐を過ぎると踏み跡は皆無。どうやら休日の登山者は無かったようでトレースを当てにしていたのに大外れ。気持ちを取り直して通いなれた林道を群大ヒュッテを目指して進むが気温が上がり汗だく。ここまでのペースも前回と変わらず。

Photo1 群大ヒュッテのあるバッキガ平をめざして
一休みしてコンクリート橋を渡り、緩やかな林道を登ってゆくとまもなく仙ノ倉北尾根取り付きを示すピンクテープを目印に入山。
杉の植林帯を過ぎるところから急登が始まりやがて傾斜が緩みしばらく進むと
右側には日白山へと続く長釣尾根が

Photo2 長釣尾根
背後には足拍子山の展望が開けてくる。

Photo3 荒沢山と足拍子山
小屋場ノ頭まで3時間のラッセルで3人ともバテバテ。小屋場ノ頭で雪庇を乗り越えると

Photo4 小屋場の頭の雪庇を乗り越えて
しばらく暖傾斜のリッジが続き

Photo5 小屋場ノ頭を過ぎて
やがて急登に差し掛かる。

Photo6 両面急傾斜のナイフリッジ
気温上昇で緩んだ雪面をももがくようにして進み徐々に高度を稼ぎ、昨年の到達点を越える。ナイフリッジの急登を雪の付き方を見極めながら右、左とコースを変更つつ1180mで休憩。小屋場ノ頭からここまで2時間のラッセル。
時間は14時半近くになっていたが明日のことを考えラッセルを再開し1460mまで高度を稼ぎ、テント跡と雪洞跡を見つけるが雪の状態が悪くさらに上に行っても適地がなさそうなので1180mまで戻りテント設営。

Photo7 テント設営
25日 幕地(5:40)→シッケイノ頭(7:20)→仙ノ倉山山頂(8:40~9:05)→シッケイノ頭(9:50)→幕地(11:20~12;30)→小屋場ノ頭(13:25~13:50)→群大ヒュッテ(15:10~15:40)→分岐(17:15)→毛渡橋(17:35)
朝食前にテントから出てみると満天の星、下のほうにはヘッデンの揺らめきが2つ。今から食事を取っていれば今日はラッセルから逃れられそうとの期待が膨らんだが出発発準備をしていると後続者が通過して行った。後を追うと昨日のわれわれの到達点で追いついてしまいわれわれが先頭に。
聞けば後続の登山者、今朝は2時に登りだしたとか。彼は先週もやってきてわれわれが見つけた雪洞跡から下山撤退したらしい。・・・・私は3年越しだもんね!先輩だ~
あえぎあえぎラッセルで進んでいるうちにそれまでの無風がうそのように風が強くなりヤッケを着てさらにラッセル。ようやく暖傾斜になったところがシッケイノ頭でここから山頂まではクラストした雪面のぼり。
後続者に写真をお願いしたら快く引き受けていただいた。そうこうしているうちに彼は元気を取り戻したようであっという間に視界から姿が消え去った。
朝日に輝くクラスト斜面を山頂を目指して登ってゆくと実は仙ノ倉山頂ではなくて肩というか瘤。

Photo8 山頂目指して
ここから指呼の距離に山頂があり雪塊の向こう側に山名標を発見。ついに3年の念願を達成。

Photo9 仙ノ倉山山頂
山頂でしばし休憩し、360°の大展望を堪能、

Photo10 万太郎山へと続く稜線
山座同定をしているともう一人の後続者も登ってきて歓談。聞けば仙ノ倉から平標山を経て国道のほうに降るとか。
山頂をあとに緩み始めた雪面を注意深く降り

Photo11 シッケイノ頭への降り
登るときは先頭であったが、降りは最後尾を歩き写真を撮る余裕も出てきた。
シッケイノ頭から小屋場ノ頭までは急勾配とナイフリッジが連続しよくも登ってきたものと思う。

Photo12 シッケイノ頭を降ると急勾配

Photo13 痩せ尾根
2時間半でテント場に到着。気温上昇で想定異常に水分補給が必要なため雪を溶かして水を確保したりテントを撤収したりで思わぬ時間をとってしまったが、12時半に下山開始。途中数回の休憩を入れて群大ヒュッテまで降りたところで大休止の。後ろに控えた北尾根と山頂が輝く仙ノ倉を振り返りながら長い林道歩きの後毛渡橋に到着。
今回われわれは車を毛渡橋に止めたため、仙ノ倉北尾根ピストンとなってしまったが本ルートの核心部とも言える小屋場の頭からシッケイノ頭間の日中の緩んだ急斜面を降らずに済む平標を越えた縦走のほうがよいように思う。ただしこのときは出発点に戻るために交通機関の世話にならなければならないが。
スカリ山 (奥武蔵)

Photo0 スカリ山から見た武甲山
記録
日程:2014, 3,05
メンバー:安田
天候:晴れ
コースタイム:鎌北湖(10:30)→ヤセオネ峠(10:15)→北向地蔵(11:35~11:45)→スカリ山(12:00)→エビガ坂(12:15)→十二曲(12:30~12:45)→一本杉峠(12:50)→カイ立場(13:20)→獅子ヶ滝(13:45) →顔振峠登山口(13:50)→鎌北湖(14:30)
私の記憶の中にも無かった今年の大雪。里では漸く消えたので奥武蔵野ハイキング道もそろそろ消えたどろうと思って出かけてみた。
子供のころ何回か訪れた鎌北湖に何十年ぶりかで車を止めて歩き出すがさすがに周囲の景色から昔の記憶をたどることだ出来ない。

Photo1 鎌北湖
駐車場から登り始めるとまもなく雪が出てきた。

Photo2 宿谷ノ滝へのハイキング道
そのまま進むとハイキング道には雪で倒れた倒木がここかしこに。
やがて舗装された林道に出るが陽の当たらないところには残雪がしっかり残っており巨木も倒れていてまだ人手が入っていない。

Photo3 北側斜面の残雪と倒木
陽のあたる斜面では雪は消えているが、ここまでの道のりの途中の残雪のおかげで時たま見かける雪上の踏み跡も1、2名分のみ。
林道を何回か横断して物見山山頂に出ると季節どおりの心地よい風を感じる。
いつもならハイカーでにぎわっているであろうハイキング道を進む。

Photo4 尾根の上には快適なハイキング道が
ほとんど人に会うこともなく、北向地蔵で休憩しているときに漸くハイカーのグループに出会う。

Photo5 北向地蔵
しばらくは林道と平行して進み林道から離れると小ピークが現れた。

Photo6 林道とその隣を行くハイキング道
登って降ってを何回か繰り返しスカリ山の山頂に立つ。

Photo7 スカリ山山頂
ここまで道は樹林の中でありほとんど展望が得られなかったが漸く見通しが開け
麓の毛呂、越生から関東平野が霞んで見渡せる。反対側は奥武蔵から秩父に至る峰
々が連なっているが武甲山を除いては特徴がつかみにくく山座同定がかなり難しい。まぁ、あちこち歩き回ればそのうちに出来るようになるであろうが。
スカリ山から少し降ると再びハイキング道と林道はつかず離れずのところにある。
時には林道を時にはハイキング道を進み十二曲を過ぎ、エビガ坂のあたりになると鎌北湖への道標が現れだすが、

Photo8 鎌北湖への道標
これに従わずになおも進み一本杉峠に至る。

Photo9 一本杉峠
一本杉峠からは林道を離れ残雪の尾根歩きとなる。このあたりでの雪上歩きは多分二度とは体験できそうにも無いと思いつつ歩いているとアイゼンの片方を発見し驚く。大雪のハイキング道を歩いていてザックにでもぶらさげていたのを落としたのか?・・・・・
多分持ち主も大雪の奥武蔵を二度とは体験できないと思いアイゼンまで用意してきたのであろう。
雪による倒木や、ところによっては吹き溜まりの残雪を踏み抜きながらカイ立場まで来るとさすがに尾根の雪は消え山名標を目にするころが出来た。

Photo10 カイ立場
ここから阿諏訪の獅子ヶ滝までは沢筋の下降となりしばらく前に歩いたと思われる先行者1名の踏み跡があるがさすがにスリップ跡、踏み抜き多数でだいぶ梃子摺った模様が伝わってくる。時間にしては然程ではないが普段雪など想定できないところで膝までの残雪にあうとやはりあわてる(所謂、想定外の出来ごと!)。
林道の終点まで出るとあとは雪も無く舗装された未知を“のんびり歩き”と心身ともに山モードから普段モードに自然に切り替わってしまったが、これから想定外第2幕の始まり始まり。
阿諏訪の獅子がヶ滝から鎌北湖へはちょっとした峠越えらしき道となるが自動車も通れることから雪が無いものと安心しきっていたが、北側斜面の道には膝上の残雪があり
さらには踏み跡もまったく無い。しかも路面と雪の間には水が流れているようでかすかに音が聞こえる。スリップしてもガードレールからは飛び出さないように注意しつつ進み、普段なら10分程度で通過するところを倍以上に時間がかかってしまった。

Photo11 阿諏訪から鎌北への道も倒木と残雪
やがて雪が消え鎌北の集落が見えると道の左右には梅が咲き出し春の到来を感じさせる景色となってきた。
今年の2回の大雪のおかげで奥武蔵で多分2度とは経験できないであろう残雪経験という貴重な体験が出来た山行であった。