阿弥陀岳 南稜

Photo0 立場川堰堤(林道終点)から見た阿弥陀岳
記録
日程:2014,6,16~17
メンバー:Nさん、Aさん、Yさん、安田
天候:6/17 曇り時折日差しあり
コースタイム:舟山十字路(5:40)→旭小屋(6:25)→立場山(8:30)→無名峰(8:40~8:50)→P3稜線(11:10)→阿弥陀岳山頂(11:40~12:30)→広河原沢取り付き点(14:35)→林道終点(15:10~15:40)→舟山十字路 (14:10)
今年の正月に始めて阿弥陀岳北稜を登ったが今回は新緑の南稜から登った。昨年も同じルートを歩いたが、約1ヶ月早いため稜線の草花の様子はどのようなものであろうか興味深々の山行である。
夜遅く道の駅に集合し舟山十字路へ移動。梅雨の最中の平日とあって駐車している車も無く、道路横に大型のテントを張って一夜を過ごしたが、車中泊と覚悟を決めていたのでゆったり横になって休めるのはうれしい。
いつの間にか夜明けを迎え気分爽快に歩き出し、

Photo1 舟山十字路
林道を少し進んだところにある阿弥陀聖水でザックに水をたっぷり仕込んでさらに林道を進む。

Photo2 阿弥陀聖水
途中2箇所ほど沢の水流を越えて林道分岐に差し掛かったところで左折し、旭小屋を目指す。
小屋の手前で沢を渡り、

Photo3 旭小屋
小屋の左を進んで急登を登るとすぐに南稜突端に到着。舟山十字路からのもう一方のルートと合流ししばらく樹林の中登ってゆくと立場山山頂に到着。

Photo4 登山道合流
木にぶら下がった山名標があるのみで展望はなし。

Photo5 立場山
傾斜が緩くなった尾根道を進むと突然視界が開け、登山道の右側が大きく崩れた青ナギに到着。

Photo6 青ナギ
ここからはに左には諏訪地方、蓼科山。正面には無名峰を超えて阿弥陀岳へ続く南尾根が漸くし見え出した。右に立場川のたにを越えてツルネ、旭岳烏帽子岳、編笠山が良く見えるが、権現岳山頂は烏帽子の陰になっていて見えない。
青ナギを過ぎて再び樹林の中の急登を登り、再び視界が開けたところが無名峰の山頂。
ここでハーネスを装着し登攀準備を整えて歩き出す。

Photo7 登攀準備を済ませて
いったん降って登り返したところが地図上ではP2564。前方に現れたP1,

Photo8 P1に差し掛かる
P2を越えると

Photo9 P2目指して
正面にはP3の岩壁が立ちふさがる。
P3の岩壁基部に沿って左にトラバースし小リッジを越えて降ると踏み跡の先には岩壁にワイヤーが張られていてここから南稜P3の核心部のルンゼ登りとなる。

Photo10 P3ルンゼ取り付き
岩角を廻ってルンゼに入り込み、少し濡れたルンゼ中央を登るとリングボルトの支点が2箇所で50mロープは目一杯。ここでピッチを切るがロープに余裕がなくなるため60mあるいは30+30mあった良い。確保点から上は草付きとなり、上り詰めた稜線からはすばらしい展望が広がる。

Photo11 中岳と同じく位の高さに
阿弥陀岳の山容変化はもちろんのこと、キレット、旭岳、漸く山頂の岩が見え出した権現岳、烏帽子岳とその姿が変わるので登ってきた実感がフツフツと湧いてくる。
P3からは這松の稜線を進み、やがて眼前に阿弥陀山頂の大岩(P4)が迫ってくるが、ザレた踏み跡を注意深くトラバース気味の登り詰めると

Photo12 阿弥陀山頂直下(P4)
阿弥陀様の石仏が鎮座する阿弥陀岳山頂。

Photo13 阿弥陀岳山頂(背景は赤岳)
阿弥陀聖水で仕込んで担ぎ上げた水を沸かしてコーヒーをドリップ。周囲に広がるコーヒーの香り吸い込みつつ、足元に見える行者小屋、鉱泉、ツヅラ折れの文三郎コース。

Photo14 赤岳、文三郎尾根
目を転じて、延々と続く御小屋尾根、それに登ってきた南稜をしげしげと展望し、感慨にふける。

Photo15 南稜
下山は御小屋方面に降り、

Photo16中央稜への降り
摩利支天を越えたところから薄い踏み跡の中央稜へと進む。
急登を這松をつかみながら一気に下降し、やがて傾斜が緩んで潅木帯となるころには
南稜の青ナギと同じような標高。

Photo17 南稜を横から見ると
潅木帯の中を進み、踏み跡が直進と左折の分岐に出たところで左折、急登を降って岩壁を巻くように進み、次第に傾斜は緩んで白樺林の中入ると作業小屋跡に出る。
平坦な緩斜面で踏み跡が散り散りになっているので注意深く赤テープを探しながら進路を確認しつつ進みツヅラ折れの坂道を下るうちに沢音が聞こえ始め、まもなく広河原沢の右岸に降り立つ。

Photo18 中央稜取り付き
ここからは沢に沿って数回の渡渉(ほとんど涸沢)をくり返すうちに広河原沢左股との合流点の広河原に着く。ここで再び左岸に移りだんだん濃くなってきた踏み跡をたどると堰堤があらわれる。堰堤の下で右岸に移ると林道終点の広場となっている。
これ以降阿弥陀岳は見えなくなってしまうので、登ってきた阿弥陀岳をじっくり眺めて林道を下るとやがて舟山十字路のゲート。
心地よい疲れを感じつ小淵沢道の駅で温泉に浸かり、汗を流し帰路に着いた。
荒船山

Photo 0荒船山艫岩
記録
日程:2014,6,13
メンバー:安田
天候:6/13午前中は晴れ、午後雷雨
コースタイム:内山峠登山口(10:00)→鋏岩(10:30)→一杯水(10:45)→艫岩展望台(11:02~11:12)→行塚入口(11:35)→行塚山山頂(11:40~11:50)→巻道分岐(12:00)→頂稜分岐(12:15)→艫岩展望台(12:55~13:05) →一杯水(13:15)→鋏岩(13:30)→内山峠展望台(14:00)
長野に向かって上信自動車道を走っていると周囲の山とは異なって特徴的な山頂を持つ荒船山が目に飛び込んでくる。高速を下仁田で降り、R254を進むとやがて道は
勾配を増しつつクネクネと曲がっていくつかの谷を橋で渡りトンネルを経て群馬長野県境の内山トンネルに差し掛かる。
荒船山の艫岩の岩壁の眺めは、途中の7号橋を渡ったところか、内山トンネル入口手前の駐車スペースから眺めるのが良い。
内山トンネルを抜けてすぐに左折し旧道に入り、坂を上ってゆくとやがて内山峠。
ここに駐車場と荒船山登山口がある。(内山トンネル手前を神津牧場方面右折し、突き当りの分岐を左折しても内山峠に到達することが出来る。帰路に利用)

Photo1内山峠登山口
内山峠登山口からはいったん降るように登山道が伸びている。しばらくはほとんど平坦で歩きやすい登山道を進と、正面に鋏岩の岩壁が現れる。ここは修験道場跡とかで、建物の土台に使われていたと思われる穴をえぐった礎石がある。

Photo2 鋏岩
鋏岩で踏み跡は左右に分かれるが赤テープのある右側に向かって進み、徐々に高度を上げると途中崩壊した橋がある。

Photo3 崩壊した橋
ここは山側に下りれば通過することが出来る。
やがて正面に一杯水の滝が現れる。

Photo4 一杯水
滝の前面の橋を渡ったところからちょっとした岩場の急登となるがクサリあるいはトラロープが設置されている。

Photo5 トラロープの登り
急登はすぐに終わりやがて木立と笹に覆われた平坦な地形が広がる艫岩の上に出る。突き当たりの開けたところからは浅間山の展望が広がる。

Photo6 艫岩上の平坦地
ここで右折しさらに進むと木立の中に荒船山休憩所が現れ、

Photo7 荒船山休憩所
すぐ前の艫岩展望台への達する。艫岩展望台には方位盤があり左に佐久平方面、
正面に浅間山、右に上越の山並みが遠望できる。

Photo8 正面に浅間山
艫岩展望台から引き返し星尾峠方面へ進むと相沢登山口への分岐、

Photo9 相沢登山口への分岐
さらに直進し腐りかけた橋のある沢を渡る。

Photo10 山頂上の沢
このあたりも木立に覆われ展望はないが、まるで武蔵野の雑木林を歩いているかのような錯覚に陥る。
やがて木立が途切れた笹の広場に出る。説明によると東国の神様と信濃の神様が和議を結んだ地とかで広場の奥には皇朝最古修武之地の石碑が建っている。

Photo11 皇朝最古修武之地の広場
ここからさらに登山道を直進すると、行塚山と星尾峠の分岐に差し掛かる。

Photo12 行塚山・星尾峠分岐
行塚山に進路を取り土の急登を登るとすぐに行塚山山頂。

Photo13 行塚山山頂
エリアマップでは南西方面の展望があるように記載されているがに、今の季節では樹木の青葉で展墓は無い。山頂を経て直進すると急に踏み跡は薄くなり、ほとんどの登山者が行塚山で折り返していることがうかがえる。
急勾配のヤセ尾根を下ると、退色した赤テープが何箇所か巻かれた、行塚山巻き道分岐が現れる。右折し巻き道を進むとさらに踏み跡は薄くなり、最近はほとんど歩かれていないようである。途中2箇所の崩落地を

Photo14 巻き道の崩落地
注意深く横切って頂稜分岐に至る。

Photo15 頂稜分岐
ここの道標も崩れかかっていた。巻き道は黒滝山不動寺方面と記され、進行方向は右星尾峠、左艫岩となっているので左折し、艫岩方面へ登り返すとすぐに往路で通った行塚山と星尾峠の分岐に出た。
ここからは往路を戻り、艫岩展望台を経て内山峠の登山口に戻る。
登山口に戻ってすぐに雨粒を感じ、およそ10分後大粒の雹を伴った雷雨となった。下山を急いだのは幸いであった。
新緑の二子山 中央稜(140531)

Photo0 1Pテラスから見たローソク岩
記録
日程:2014,5,31メンバー:Sさん、安田
天候:晴れ
マルチピッチクライミングの練習の下見として奥秩父の二子山に出かけた。久しぶりの高速未使用で自宅からはR299に入り後は秩父の街を抜けて群馬県境を目指す。小鹿野の町を抜けるとだんだん道は細くなり同時に勾配が増してくる。何回かのヘアピンカーブを通過するとネットで見たことのある“民宿登人”。この先を右折しクネクネと曲がった舗装された林道を進みトンネルを抜けると数台の車が駐車している。
ここに車を置き向かい側の登山道を登るとすぐに股峠に出た。

Photo1股峠登山口
股峠の道標は西岳、東岳、坂本と三方向を示しているが、目的の中央稜は坂本方面へ降る(西岳方向に進むと稜線に出てしまう)。

Photo2 股峠の分岐
まもなくローソク岩への分岐で右折するとまもなく祠エリアの大岩壁の下部の広場。

Photo3 祠エリア
ここからさらに進み再びローソク岩への分岐があるのでここから急登を登ってゆくとローソク岩の下部広場に出た。

Photo4 ローソク岩への分岐
ここにはなぜか古タイヤが置かれている。
突き当たりのローソク岩広場から岩を巻くように右にトラバースしてゆくと目的の中央稜取り付きの広場。ここには赤いドラム缶が置かれている。
時はすでに正午をまわっていたが、装備もあるし折角来たので登ってみることにする。
1Pは凹角に沿って左上、次に右へ登っていきテラスに出たところで終了。取り付きは樹木に覆われていたが1Pのテラスからは奥秩父の山並みが良く見え、正面には八丁峠から両神山へと続くギザギザな稜線が横たわっている。

Photo5 両神山の稜線
左にはローソク岩がニョッキリ。(一番上の写真)
2Pは凹角に沿って登り途中から左のカンテに出てまもなく終了。ビレー点は2箇所あり2人立つのが精一杯。

Photo6 2P
3Pは中央稜の核心部というところで、クラックに沿ってレイバックで登り、左からのクラックと合わさったところから右上する。

Photo7 3P
途中“お助け“が一箇所下がっているが、クラックの中を探りつつ徐々に体を上げるとガバがあり”お助け“を使わずに通過。
3Pの終了点も広いテラスになっており太い立ち木もあるので木陰は休憩にちょうど良い。
ルートはさらに4、5、6Pと続くが、核心部を越えたし下見ということもあって
今回はここから取り付きまで懸垂下降の練習に移った。
普段の練習では下降着地点が見えているが、ここでは岩陰になってまったく見え
ず。さらに登ってきたルートとも違っているため、緊張しながらの下降となったが本チャンに向けよい練習になった。
クライミング装備を解き股峠を目指して来たときとは違った薄い踏み跡をたどってゆくと、祠エリアの直近に出た。よく見ればローソク岩へ続く道で立ち木にピンクテープが巻かれ、リボンも下がっていた。なるほどここが中央稜への近道分岐だったわけで行きに気づかなかったのが不覚だった。
懸垂下降中、埼玉県の防災ヘリが飛来ししばらく我々の様子を伺うようにホバリング。しばらくしてから股峠方面に移動していった。帰りの股峠ではクライマーが救助されていたが生命には異常が無い様子だったので一安心。
普通は中央稜を3Pまで登れば最後まで登りきってしまうところを、懸垂下降していたので防災ヘリから見れば我々が救助要請したのと勘違いしホバリングで様子を見ていたものと思われる。

Photo8 埼玉県の防災ヘリ
小川山(140529)

Photo0 廻り目平入り口の屏風岩
記録
日程:2014,5,29~30
メンバー:Nさん、安田、その他
天候:5/29日 午前中は晴れ、正午前から雷雨 30日 晴れ
29日 コースタイム:廻り目平キャンプ場(8;10)→スラブ状岩壁(8:35~11:30)→廻り目平キャンプ場(11:50)
久々のキャンプ泊でのクライミングを楽しみに小川山のクライミングエリアに出かけた。明るくなるのと同時に家を出て廻目平の金峰山荘を目指す。廻目平の入り口の屏風岩も新緑に覆われすがすがしい空気が漂っていた。
金峰山荘にはまだ人がいなかったのでそのまま林道を進みテント場横に駐車。

Photo1 金峰山荘
テント場にテントとタープを設営し仲間の到着を待って今日の岩場、スラブ状岩壁に向かう。
岩場にはすでに登り始めているパーティがいたので挨拶を交わし、まずはやさしいルートにトップロープを張ってウオーミングアップ。

Photo2 スラブ状岩壁
交代で体を慣らした後、隣へ隣へとロープを架け替えて少しずつ難度を上げてゆくが
お昼ちょっと前になると空は雲に覆われ始め、ポツリポツリ始まってしまった。
岩が濡れてしまっては練習にならないので早く雨が止むことを願いつつキャンプ場へ退散。
朝張っておいたタープの下で昼食を摂り、コーヒーを楽しんで空模様の変化を待つが
雨が上がって日が射下かと思うとまた降り出し、雷鳴まで聞こえ始めた。
結局今日はクライミングをあきらめ、時間を待って夕食準備に取り掛かる。メニューはカレーであるが、各人別に小さなフライパンで焼肉を食し足りて豪華な夕食となった。

Photo3 夕食
夕闇が漂い始めると早々に焚き火開始。
廻目平のキャンプ場は露地で焚き火が出来るのがうれしい。
30日 コースタイム:廻り目平キャンプ場(8;30)→スラブ状岩壁(8:40~12:10)→廻り目平キャンプ場(12:30)
今日も別の仲間がやってくるのでそれまではキャンプ場で過ごす。

Photo4 廻目平キャンプ場
朝食は野菜サラダに高菜パスタ、フランスパン。いつもの山行では味割れない豪華朝食を楽しみ、最後は高原の空気の中でコーヒー。
仲間の到着を待ち構えて昨日と同じ岩場へ移動。
今日は最初からリードで登ってトップロープ張り。仲間たちもウオーミングアップもそこそこにルートを変えて登る。初めてルートもあり充実氏らクライミング練習となったが、所要のためお昼で私は引き上げ。他メンバーは頑張ってその後も登り続けたらしい。